視聴環境ごとに最適なリスニングモードを試行錯誤してみる
フロント 2.0ch、リア 2.0ch の計 4.0ch によるサラウンド環境となってから色々と試し続けた、AV アンプ「SC-LX56」の各種サラウンド設定。
フロント 2.0ch 視聴時での各モード間の音響差違は、明確に違いが分かるものもあれば分からないものも多かったが、4.0ch サラウンド化してからはどのモードでもそれなりの違いがあるのだと微妙に分かるようになってきた。
またサラウンド視聴を続けていくに伴い、やはりサラウンドスピーカーの配置による音響差が気になってきたので、モード変更や視聴ソース変更に合わせて色々と角度等の配置も微妙に変更し続けている。
左側サラウンドスピーカー(SL)の配置をごく微妙に変更し、右側サラウンドスピーカー(SR)と可能な範囲で視聴位置からの角度を近づけるようにした。
あと両サラウンドスピーカーはさらにわずかにスピーカーユニット面の角度をずらしたりしており、ここら辺はこれからも頻繁に変更を重ねていくと思われる。
取りあえず現在の各サラウンド設定は、上記のスピーカー配置によってそれぞれ最適と思われるものを選択していった。
実際に視聴しながら最適なサラウンド設定・リスニングモードを模索する
使用している AV アンプ「SC-LX56」に限らず、最近の AV アンプはどのメーカーのものでも多種多様なサラウンド設定が用意されており、2.0ch ソースも自動的に分析してサラウンド化してくれるものが一般的になっている。
だが一般的に2.0chソースのサラウンド化は、
- サラウンドスピーカーからの音は高音メインのため、音がかなり小さくなる
- あくまで AV アンプ側での分析・音の割り振りのため、若干違和感がある
などの問題があり、純粋な 5.1ch ソース再生時に比べて、より各サラウンド設定間の差違が明確になりやすい傾向にあった。
そこら辺も踏まえた上で、現在使用している各視聴環境ごとのサラウンド設定(リスニングモード)は、以下のように設定している。
- 5.1ch 映画 :HOME THX > 「Pro Logic Ⅱx MOVIE+THX CINEMA」etc…
- 5.1ch ゲーム : ADV SURROUND > 「ADVANCED GAME」
- 2.0chソース : ADV SURROUND > 「EXT.STEREO」or「F.S.SURR FOCUS」
5.1ch ソースの映画等に関しては、現在 THX 系のサラウンド設定を中心に試しているが、何分手持ちの 5.1ch ソースの映画が少ないため、まだまだ最適設定は試行錯誤中。
ソース側に 5.1ch 情報が全て込められている以上、標準の「AUTO SURROUND」のままでも十分満足の行く音響効果は得られるだろうが、せっかく多種多様な設定が用意されているので色々試していきたいし、多分ジャンル(SF、アクション、スポーツ等)によっても最適なサラウンド設定は異なってくると思う。これはゲームについても同様。
問題は 2.0ch ソースの音楽や映画、TV等を視聴する際のサラウンド設定。こちらは AV アンプ側でソース内容を分析してサラウンド化するため、素人耳で聴いても各モード間での差違がかなり明確に出てくる。
2.0ch のサラウンド化は「EXT.STEREO」か「F.S.SURR FOCUS」の二択
既に挙げたように元々サラウンドスピーカーからの音はメインとなるフロントよりも小さく、さらには低音域はほぼ出力されずに高音域メインのため、2.0ch ソースを強制的にサラウンド化した場合音源によっては音がかなり弱くなってしまう。
2.0ch 時と比較すればそれなりにサラウンドとしての効果は感じられるが、それは 5.1ch ソースのように音源が前方から後方へ移動するような「臨場感」ではなく、あくまでも配置した各スピーカーから同時に音が鳴ることによる「包み込むような音場」としての効果のため、サラウンドスピーカーからの音が弱いとフロント側の音が際だってしまう。
何を持って「最適なサラウンド効果」とするのかは個々人の自由だが、私の場合明確な臨場感を得られる5.1chソースならともかく、2.0ch ソースでのサラウンド視聴ではやはり「部屋全体を包み込む音場形成」を何より重視する傾向にある。
その場合サラウンドスピーカーがフロントよりも音が弱かったり低音が出ないと、歌詞の乗らないサウンドトラック等ならばまだしもボーカル曲ともなるとサラウンドスピーカーからはボーカルが聞こえないということになるため、包み込むような音場形成の効果が非常に低くなってしまう。ゆえに 2.0ch ソースをサラウンドにて視聴する場合は音楽、映画、TV 等どんなジャンルであろうとも、
- EXT.STEREO
- F.S.SURR FOCUS
ADV SURROUND 設定内のこのふたつが現在のメインとなっている。
「EXT.STEREO」は音楽用のサラウンド設定で、他のサラウンド設定がサラウンドスピーカーからの音が高音メインとなり人物の声や歌詞、低音域がほぼ聞こえていないのに対し、この設定ではフロントと同様に低音域も人物の声も歌詞も比較的しっかりと出力される。
つまりこの設定だと 2.0ch ソースのサラウンド化による「包み込むような音場」が最も(私個人としては)理想的な形で形成されることとなる。
もうひとつよく利用する設定の「F.S.SURR WIDE」はサラウンド設定ではなく、フロント 2.0ch(あるなら+サブウーファー)のみで自然なサラウンド再生を行うモードで、下手に 2.0ch を複数のスピーカーに振り分けるよりもよっぽど自然なサラウンド音声にしてくれる優れもののモードで、実際に意外なほど良い効果を感じた。
このふたつ(ゲームで利用している「ADVANCED GAME」も)はパイオニア独自のオリジナルサラウンドモード内の設定で、研究しているというだけあってなかなかのものだった。
実際にスピーカーを揃えてみてサラウンド視聴してみると、やはりいくら AV アンプの 2.0ch 自動サラウンド化が高性能であろうとも、5.1ch ソースを用意しないとその真の効果は体感できないということが実感できた。
当然と言えば当然だが、つまりそれはサラウンドを楽しみたいなら 5.1ch ソースの映画やら音源を買い揃えろということでもあるわけで(笑)
とはいえ 2.0ch のサラウンド化は決して意味がないわけではなく、室内全体を覆い込む音場の体感はなかなかに心地良い感覚を得られて楽しめたりするので、ピュアオーディオのようにフロント 2.0ch による定位感を最重視するのでなければ、これはこれでお薦めだったりする。
……取りあえず 2.0ch ソースはそこそこ持っているので、これからの課題は 5.1ch ソースの充実になるかな……また金がかかるなぁ(笑)