ついに導入のサブウーファー「YAMAHA NS-SW300」設定&レビュー
ホームシアターを導入して約10年、最初は不要と考えていたサブウーファーだが、この10年間で考えを改めてついに設置することに。
不要と考えていた理由としては、最初にフロントスピーカーとして購入したモニターオーディオのSilver RX8の対応低音域が32Hzとなかなか優秀だったことと、あまり重低音を響かせると近所迷惑になるかもと考えたあたりだった。
しかし10年間ホームシアター環境を楽しんでいると、音楽はともかくやはり映画やゲームではどうしてもあと一歩重低音の量感不足が感じられたことと、恐れていた近所迷惑の懸念がほぼ完璧に払拭されたことで、ついにサブウーファーの導入に踏み切る決意を固めた次第だ。
……で、今回数あるサブウーファーの中から選んだのは、ヤマハのサブウーファー NS-SW300。
外形寸法:W350×D420×H366mm 重量:18kg カラー : ブラック
定格出力:250W 型式:A-YSTII方式防磁型 スピーカーユニット:25cmコーン型
再生周波数帯域:20Hz~160Hz
NS-SW300はヤマハのサブウーファーの中でも廉価~中位あたりに位置する機種だが、とにかく上位譲りの性能があるにも関わらず価格が抑えられているためコスパが良いと噂で、実際に試聴に訪れた店舗でもヤマハの販売員の人からもほぼ同様の説明を受けたこと、実際に試聴して満足の行く音量・音質だったことから、購入を決定した。
本当はスピーカーをモニターオーディオのSilverシリーズで揃えているため、最初は当然サブウーファーも同シリーズで揃えたかったが、ここ10年でSilverシリーズ(のみならずあらゆるスピーカーが該当するが)の価格が急激に高騰してどうにも手が出ない価格帯になってしまっていたこと、所有しているウォールナット色が廃盤になってしまっていたことなどから同シリーズで揃えることは断念し、他メーカーのサブウーファーを探している中で辿り着いたのがこのNS-SW300だった。
また、Silverシリーズのサブウーファーは音楽視聴に向く密閉型なのに対し、NS-SW300は映画・ゲームに向くバスレフ型だったのも、最終的な決定要因のひとつになった。
ちなみに近所迷惑の懸念払拭については、この10年で心臓発作などで倒れた母親のために夕刻~深夜に幾度となく救急車を呼ぶも、周囲がよい年齢のお年寄りばかりのため翌朝に騒がせたお詫びに行ってもそもそも救急車のサイレンに気付いていなかったり、そんなお年寄り達もこの10年で色々あってほぼ居なくなり、我が家は周囲空家だらけの陸の孤島になってきたため、迷惑かける人がいないならまぁ大丈夫だろうな、と判断した(笑)
最大の問題は自宅内の家族への配慮だが、そこは交渉で何とかクリア。まぁ自分の持ち家だしね……逆に一軒家の持ち家でも無い限り、ズンドコ重低音叩き出すのがお仕事のサブウーファーを導入するのは難しいかと……サイズや用途にもよると思うが。
YAMAHA NS-SW300 開封の儀
それでは早速NS-SW300を開封。
NS-SW300は幅350mm×高さ366mm×奥行き420mmのほぼ正方形の形状で重量は18kgと、相応にデカくて重い。そのためそれなりに力が無いと、1階から2階に運ぶのはひと苦労することに。
梱包物はサブウーファー本体と、説明書、ケーブル類。付属物は少なく内容はシンプルだが、前述の通りデカくて重いため力が無いと段ボール箱から出すのも結構苦労……というかコツがいる。
サブウーファー本体はこのようにほぼ立方体の形状なので、力任せに上方から引き出すのでは無く、段ボールを横倒しにして2箇所を開封し、一方から押し出すようにして取り出すと比較的に楽に取り出せる。
NS-SW300 外観&カタログスペックを確認
次は開封したNS-SW300の外観チェック及び、スペック確認。まずはNS-SW300のカタログスペックを確認。
NS-SW300 カタログスペック
型式 | アドバンスド・ヤマハ・アクティブ・サーボ・テクノロジーⅡ方式 |
スピーカーユニット | 25cmコーン防磁型 |
アンプ出力 (100Hz・5Ω・10%THD) |
250W |
再生周波数帯域 | 20Hz~160Hz |
電源/電圧 | AC100V・50/60Hz |
消費電力 | 100W |
待機時消費電力 | 0.3W以下 |
寸法(幅×高さ×奥行) | 350mm×366mm×420mm |
質量 | 18.0kg |
スペックとしては25cmコーン採用の出力250W、再生周波数帯域は低域20Hzまで対応と、一般家庭で鳴らす分には十分過ぎる性能。
しかしながら十分な低域再生能力を備えているがゆえに筐体は大きく、また重量もあるため、設置場所にはかなり気を遣い、存在感も出てしまうのがデメリット。
NS-SW300 外観&端子類確認
NS-SW300はサランネットの取り外しが出来ず、電源ボタン、ボリュームコントロールが前面にある、存在感はあるもののシンプルな外観となっている。
各種端子、ハイカット周波数調節ダイヤル、主電源スイッチ類は背面に集約。
サブウーファーはアンプ内蔵かつ色々と機能の設定・調節に必要があるので、通常のスピーカーよりも端子やスイッチ類が多く複雑ではあるが、AVアンプとの最も単純かつ標準的な接続に使用するのは「LEF」端子と、AVアンプとの電源連動のために必要となる「システム接続」端子のふたつのみ。
「オートスタンバイ/感度」と「位相」は説明書通りに「低」・「逆」で運用し、試聴を重ねて違和感あるようなら調整する予定。
「B.A.S.S.」は映画なら「MOVIE」、音楽なら「MUSIC」に合わせるが、ソースごとにいちいち切り替えるのは面倒なので、基本的には重低音の迫力がある「MOVIE」で運用予定。
側面にはヤマハのサブウーファー最大の特徴である、特徴的なひねりのある形状をした「ツイステッドフレアポート」が備えられている。
ツイステッドフレアポートはポート両端で生じる空気の流れの乱れを抑えてノイズの発生を防ぎ、バスレフスピーカーによくある「濁った音」や「風切り音」などの発生を大幅に減少させてクリアな低音の再生させる効果があるとのこと。
これはNS-SW300の上位機種となるNS-SW500、NS-SW700には採用されておらず、サブウーファー最上位機種となるNS-SW1000と後発の廉価機種であるNS-SW050にしか採用されていない構造となる。
さらにヤマハの現行サブウーファー全種類に採用されている、サイズを超えたスケールの重低音再生を可能にするアドバンスド・ヤマハ・アクティブ・サーボ・テクノロジーⅡ(A-YSTⅡ)方式は、このツイステッドフレアポートと非常に相性が良いとのことで、採用されている上位機種同様の構造、カタログスペックと価格のバランスなどから、NS-SW300が非常にコスパの良い選択肢であると判断したのが、今回の購入に至った理由となる。
電源ボタンとボリュームコントロールダイヤルは前面上部に配置。基本的にサブウーファーは頻繁にボリューム調節することはなく、電源連動機能を使用するなら電源ボタンもいじらないため、ボタン類は全て背面に集約した方が見た目はよりスマートになるが、最上位機種のNS-SW1000も前面に配置されているため、どちらが良いかはお好み次第。
ただ、前面パネルとダイヤルがアルミ仕上げのNS-SW1000とは異なり、NS-SW300のパネルとダイヤルはプラスチック製なので、正直全然高級感は無く安っぽいのが玉に瑕。
対してフロントサランネット下部に輝くYAMAHAのロゴマークは質感が良く見栄えする。
エンクロージャー(筐体)の素材は木目調パネルのため一見ウッド仕様で高級感があるものの、近づいて見たり触れたりすると造りのチープさが分かってしまう。サランネットは前述の通り取り外しができないタイプだが、それ以外は特に質感などには問題無し。
大きく存在感のあるサブウーファーだからこそ外観の形状や素材にも拘りたいと言うならNS-SW300には不満を感じるが、この価格帯で必要十分な音量と音質を発揮出来ることを考えれば、個人的には特に気にはならない。
設置後はまず見ることのない底面。インシュレーターを設置できる構造にはなっておらず、基本的にはこのまま床に直置きか、床との間にスピーカーボードを敷いて運用する。
NS-SW300 設置&AVアンプ設定での試行錯誤
前述の通り、NS-SW300に限らず大体のサブウーファーは大きくて重量があるため、設置場所を用意するのは少々面倒になる。
サブウーファー設置はサイズゆえに意外に迷う
十分な広さのある室内ならともかく、マイルームのようにそれほど広さが無い上に既に多くのモノでひしめいている室内では、どこに設置するか本当に迷った……
色々と思案した結果、室内サイクリング用のWahoo KICKRに場所を空け渡してもらうことに。これでも設置スペースとしてはギリギリで、フロントスピーカーとの距離がかなり近くて理想的な設置位置にはほど遠いのが難点。
サブウーファーをどのように運用したいかにより変わるAVアンプ側の設定
サブウーファー導入の理由は人それぞれとは思うが、基本的には音楽よりも、映画鑑賞やゲームなどより重低音が重要となる視聴ソースのために導入する人が大半のはず。多分。
しかしどうせ導入するなら、映画やゲームだけでなく当然音楽鑑賞の時でもサブウーファーを鳴らして重低音を楽しみたいと思うのが人の性……だが、そうなるとサブウーファーの各種設定にはちょっと工夫が必要となる。
というのも、馬鹿正直に映画用のサブウーファー設定をしてしまうと、通常の音楽視聴ではサブウーファーが鳴ってくれないという現象が発生してしまうからだ。
サブウーファーとAVアンプを接続する場合、ほとんどのAVアンプではどのようにサブウーファーを鳴らすか=出力する周波数を設定できるが、ここで映画視聴を基本とする設定をしてしまうと、基本的にサブウーファーからは「LFE(超低域効果音)」の信号しか出力しなくなるため、同様の信号が収録されていないゲームや、一般的な大半の音楽ソースではサブウーファーは鳴らないことになってしまう。
そこでAVアンプの設定を手動(あるいは自動)で行うが、その設定方法はAVアンプのメーカーごとに項目の名称や設定方法も多種多様かつ、接続しているスピーカーの周波数特性などにも左右されるためここでは割愛して、おおまかな設定の考え方のみ挙げると、
- 映画鑑賞のみがメイン ⇒ LFE(超低域効果音)
- 映画・ゲームで常時重低音を楽しみたい ⇒ クロスオーバー周波数を40Hz~80Hzで調整
- 映画・ゲーム・音楽をバランス良く ⇒ クロスオーバー周波数を80Hz前後を目途に調整
上記のような設定が一応の目安となるが、これらは接続するスピーカーの性能にも左右されるため、まずは使用しているスピーカーの性能を確認し、実際に視聴しながら設定を繰り返すのがベター。
私自身の環境の場合、使用しているフロントスピーカーがそこそこ優秀な性能を持っていたため、AVアンプの自動設定ではサブウーファー設定が「LFE」になる(超低域しか再生されない)ため、手動でどのようなソースを視聴しても重低音が楽しめる(80Hz以下の低域が再生される)環境にしてみた。
スピーカー設置位置 スピーカー種類 |
周波数特性 | クロスオーバー 周波数 |
インピー ダンス |
許容入力 | 能率 |
フロントスピーカー MonitorAudio Silver RX8 |
32Hz-35KHz | 300Hz、2.2KHz | 4Ω | 175W | 90dB |
サラウンドスピーカー MonitorAudio Silver RX1 |
45Hz-35KHz | 3.0KHz | 6Ω | 80W | 89dB |
サラウンドバックスピーカー MonitorAudio Radius 90 |
80Hz~35KHz | - | 8Ω | 75W | 83dB |
AVアンプ Pioneer SC-LX56 サブウーファー出力設定 | PLUS(80Hz以下の周波数を出力) |
上記が私が使用しているスピーカーの種類と性能の一覧。フロントスピーカーが32Hzとなかなかの低音を鳴らすことができるため、AVアンプの自動設定では「LFE(超低域効果音)」しか鳴らなくなる。
それを手動でAVアンプのサブウーファー出力設定を「PLUS」設定することで、超低域のLFEから低域の80Hz(クロスオーバー周波数はデフォルトの80Hzだが、任意に変更可能)までが鳴るように設定した。
これによりフロントのSilver RX8の低域出力限界の32Hzから80Hzまでの低域周波数はフロントスピーカーとサブウーファーから重複して出力されるものの、映画、音楽、ゲームどのソースを視聴しても安定してサブウーファーからの重低音が楽しめる設定となった。
また、低音域が重複して出力されると言っても、そこら辺はAVアンプの自動調整機能で上手い具合に設定されているらしく、特に違和感は感じずに快適に視聴できている。
多少は実際に視聴しつつサブウーファーのボリュームなども調整する必要が出てくるが、それさえ済めば非常に快適な重低音響く音楽ライフが可能になった。
YAMAHA製AVアンプ以外の場合、12V Trigger端子に接続することで電源連動が可能
サブウーファーは基本的にアンプ内蔵、つまりAVアンプとは別に電源のオンオフが必要になる。しかし多くのAVアンプにはAVアンプの電源オンオフに連動して自動的にサブウーファーの電源もオンオフできる機能が搭載されているものがあり、ヤマハ製サブウーファーにもこの「電源連動機能」が搭載されている。
ヤマハのサブウーファーは当然と言えば当然ながらヤマハ製AVアンプとペアで使用することを前提とされているため、接続先のAVアンプがヤマハ製の場合、機種にもよるが自動的に電源連動機能がオンになるらしい。
しかし使用しているのがヤマハ以外のAVアンプであっても、AVアンプ側に「12V Trigger」端子が用意されている場合、ここにサブウーファーのシステム接続端子を繋ぐことで、電源連動機能を使用することができる。
接続には付属のシステム接続ケーブルを使用する。ケーブルは独自規格の特別なものではなく普通のモノラルミニプラグケーブルのようなので、万が一紛失や破損した場合は高価な純正品でなくても安価な代替品で対応可能な模様。
電源連動機能は本当に便利で、AVアンプの設定次第では単にAVアンプ本体との連動だけでなく、入力ソースごとに連動するかどうかを選択することも可能。もし電源連動機能が使用できるなら、多少手間でも最初にキッチリと設定しておくことをお薦めしたい。
AVアンプとの接続は別途サブウーファー用ケーブルを用意
サブウーファーとAVアンプとの設定は、AVアンプ側にサブウーファーとの接続端子が用意されているなら、付属のサブウーファー用ピンケーブルでAVアンプ側端子からサブウーファーのLFE端子に接続すればOK。
だが今回はせっかくなので、サブウーファー購入とほぼ同時期に開催されていたAmazonブラックフライデーで購入した、
Amazonブランドのサブウーファーケーブルを別途購入し、使用してみた。Amazonベーシック製品は幾つか使用しているが、決して高品質のベストチョイスとはいかないものの、小粒揃いで痒いところに手が届く仕様かつ価格も非常に手頃で安心して使用できる性能を備えているため、迷っているなら取り敢えず選んでおけば問題無いと言える。
特にこのサブウーファーケーブルはNS-SW300付属のものよりは確実に高品質で、ケーブルの太さ、取り回しのしやすい柔らかさを備え、それでいて価格は900円台(ブラックフライデー価格で800円台)と、万が一満足しなくても痛手が非常に少ない。見た目もパープル&金メッキの端子と他のRCA端子と区別しやすくお薦め。
総評:メーカー違えど違和感無し。NS-SW300はコスパ良好で後付け設置にもお薦めだが、設置場所と高出力重低音には要注意
サブウーファーの必要不要の論争はよく聞くし、実際自分も以前は不要だったが、結論から言えば
NS-SW300を購入して一切後悔無し、大満足の選択だった
と断言できる。部屋中に「ズンッ!」と響く低音が鳴る、ただそれだけのためのデカくて重い置き場所に困るスピーカーがこんなにも素晴らしい充実した音楽ライフを与えてくれるとは、良い意味で完璧に予想を裏切ってくれた。
外形寸法:W350×D420×H366mm 重量:18kg カラー : ブラック
定格出力:250W 型式:A-YSTII方式防磁型 スピーカーユニット:25cmコーン型
再生周波数帯域:20Hz~160Hz
私の場合は映画専用と言ってもいいLFE成分のみの出力では無く、設定を弄ってどんな音楽ソースであろうとも80Hz以下を出力できるようにしたので、オーディオを聞こうが映画を見ようが常にサブウーファーから低音がズンズン鳴る状態だが、最初に設定さえキッチリ行う音合わせさえしてしまえば、変に低音が悪目立ちすることも全体に悪影響を与えることもない。
また超低音~低音域をサブウーファーに任せられることで、中~高音に艶がかかるというか、際立つというか、何となく良く聞こえるように感じる……多分(笑)
まぁ中高音云々は個人的な所感だが、少なくとも超低音~低音の量感が実感として爆増したのが間違いなく、しかもNS-SW300は20Hzまでの低音域に対応、しかもアンプ出力は250Wと一般家庭用途では明らかなオーバースペック仕様なので、ボリュームを少々強くするだけで窓ガラスなどが簡単にビビリ始めるレベルで強烈な振動が発生する。
しかし人間は基本的に「音量が強い=良い音」と認識してしまうらしく、そのためかどうしても音量を強くしてしまいがちだが、前述の通りサブウーファーはNS-SW300レベルで無くともかなり強力な重低音を発生させるため、ボリューム調節をミスってしまうと家族やご近所との深刻なトラブルになりかねない。
ゆえにサブウーファーは音量などの設定を、「良い音」基準だけで無く視聴環境との兼ね合いもよく考えて行う必要があり、また大型かつ高重量の筐体である場合もほとんどのため、設置場所も熟慮する必要がある。
だが、それらの問題さえ適切にクリアでき、かつ予算に都合が付くようなら、是非ともサブウーファーを用意して設置することを強くお薦めしたい。
特に音楽だけならまだしも、映画とゲームをメインに楽しむ環境ならば、サブウーファーの有無はそのまま臨場感の有無に直結すると言っても過言では無いほどの効果を実感としてもたらしてくれる。
サブウーファーの中でも今回紹介したヤマハのNS-SW300は、上位機種同様の構造や機能を持ちつつ(実際ヤマハの販売員の人からも上位機種のNS-SW500とほぼ変わらない性能と説明された)、エンクロージャーの質感などを抑えることで価格は実売5万円台と性能から見てかなりお手頃と言っても良いレベルに収まっている。
低音域の音は中高音域と比較してスピーカーごとの癖や特徴が出にくいため、サブウーファーだけ別メーカーで揃えても影響が出にくい、音質の違いが分かりにくいと言われており、実際私の所有スピーカーは全てモニターオーディオのSilverシリーズ(サラウンドバックのみRadiusシリーズ)で揃えているが、そこにNS-SW300が入っても全く違和感は感じられない。
もし「スピーカーは全て同じメーカーで揃えたい」などの拘りが無い限り、ヤマハのNS-SW300は是非選択肢に入れて欲しいコスパも満足度も非常に高いサブウーファーだと思う。
最後に、改めてヤマハNS-SW300のお薦めポイントとデメリットポイントをまとめてみる。
まずはお薦めポイントから。
- 低音域20Hz、アンプ出力250Wに対応(下位機種のNS-SW050は28Hz・50W)
- 上位機種(NS-SW1000)と同様の構造を採用
- 電源連動機能採用(下位機種のNS-SW050では未採用)
- 性能・構造・価格のバランスが良く、コストパフォーマンスが良い
- アンプ独自でハイカットやB.A.S.S.などのある程度詳細な設定が可能
この価格帯で低音域20Hz、アンプ出力250Wは中々の性能で、一般的な用途では持て余してしまうほどだが、性能は高くて損はないし、それが最安値49,000円、平均実売54,000円前後ならコスパも良いと言える。
……が、実はほんの数ヶ月前までNS-SW300は4万円台前半と超コスパが良い時期があって、私はそのほぼ底値で購入できた超ラッキーな人間であったことは内緒だ(笑)
お次はNS-SW300のデメリット部分。
- エンクロージャー(筐体)などの質感が上位機種と比較してチープ
- 大きく重量があり、重低音を鳴らすことからも設置場所に気を遣う
- カラーがブラックのみ(個人的にはウォールナットが欲しかった)
サブウーファーのデカさはNS-SW300に限らずどんなサブウーファーでもほぼ共通のデメリットだが、エンクロージャーの質感や、プラ製ダイヤルの安っぽさ、カラーバリエーションがブラックのみという点は気になる人には気になるところかも知れない。
前述の通り存在感のあるサブウーファーだからこそ、性能とは直結しないインテリアとしてのデザインや質感を求めるというのも分かる話なので、そうした部分を追求したい場合は、ヤマハのサブウーファー最上位機種であるNS-SW1000(ダイヤルやパネル部分がアルミの削り出し仕様)や、他メーカーで満足のいくサブウーファーを探すのが良いかもしれない。