Shokz 新フラッグシップ骨伝導ヘッドホン「OpenRun Pro」徹底レビュー
先日Shokz(旧AfterShokz)の新フラグシップ機「OpenRun Pro」発表&クラウドファンディング開始の記事を挙げたばかりだが、その後広報代理店のCyberMedia Communications Japan様より実機サンプルを提供いただく機会に恵まれたため、早速待望のOpenRun Proの実機レビューを行っていこうかと。
ちなみにOpenRun Proのスペックは先日紹介したばかりだが、改めて下記に紹介しておく。
品番 | S810 | 電池 | リチウムポリマーバッテリー |
Bluetooth Version | Ver.5.1 | バッテリー駆動時間 | 最大10時間 |
周波数特性 | 20Hz~20KHz | バッテリー待機時間 | 最大10日間 |
周波数帯域 | 2400MHz~2483.5MHz | 充電電圧 | 5V±5% |
スピーカー感度 | 105±3dB | 充電時間 | 約1時間(急速充電対応) |
マイク特性 | -38dB±3dB | バッテリー容量 | 140mAh |
マイクタイプ | デュアルノイズキャンセリングマイク | 防水規格 | IP55 |
無線通信距離 | 約10m(障害物無し) | スピーカーインピーダンス | 8.5Ω±20% |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP | 重量 | 29g |
充電タイプ | マグネット端末 | 保証期間 | 2年間 |
- Shokz TurboPitch™ より深みのある低音再生を実現
- オープンイヤーデザイン 快適性と安全性の確保
- セキュアフィット しっかりフィットする安定感で人気のネックバンド
- 急速充電、5分の充電で最大1.5時間利用OK。最大10時間の長持ちバッテリー
- デュアルノイズ・キャンセリングマイク搭載で通話にも対応
- Shokzアプリ初登場!イコライザや設定変更に対応
- Aeropexと比較して20%の小型化を実現
- IP55防塵防水。高い耐久性と信頼感で定番のある防水性能
先日紹介した通り、前フラッグシップ機であるAeropexと比較してもスペックは全体的にバージョンアップされており、唯一劣ると感じる防水性能についても、通常使用の範囲内においては特に問題を感じないレベルとなっている。
OpenRun Pro開封の儀。本体だけでなく、キャリングケースもスペックアップ
それでは早速提供いただいたOpenRun Proを開封していこうかと。
パッケージはAeropexのようなマグネット開閉式ではなく、普通の紙箱仕様。
パッケージ裏側もいつも通りの特徴説明。
新ブランドロゴ「SHOKZ」の下に、サラッと「Formerly AfterShokz」と……
中身はまずキャリングケース。この中に本体とケーブル類が収まっている。
キャリングケースはAeropexのようなシリコン製ではなく、触り心地の良いハードケース仕様。
本体及びケーブルはこのように収納されていた。正直運搬用としてよりも、中~長期の収納用としての方が向くかも。日常使いならAeropexやTrekz AIRのようなタイプのキャリングケースの方が便利と感じた。
まぁ、質感は個人的にはOpenRun PROのキャリングケースの方が断然良くて好きだが。
OpenRun Pro 外観チェック
次はOpenRun Pro本体の外観をチェック。
OpenRun Proの外観は基本的にAeropexを踏襲しているものの、細かい部分ではかなり大きな変更が加えられて使い勝手や性能が大きく向上している。
まずはユニット部。ロゴが「AfterShokz」から「SHOKZ」へ変更されたことに加え、LEDランプの窓が表面に出ている(Aeropexは内部に埋め込まれたLEDが表面素材を透過する感じで表示されていた)。
一見するとAeropexとほぼ同じに見えるユニット部だが、Aeropexと比較してユニット部は約20%の小型化に成功している上、ボタンサイズは約30%の大型化しているためボタンが非常に押しやすく、Aeropexよりも使い勝手が格段に向上している。
ユニットの小型化だけならば単なる軽量化にしか繋がらないが、加えてボタンの大型化を図ることでユーザビリティを改善しているのは大きな評価ポイント。
これによって、例えば今のような冬場で厚手の手袋をつけたままでの操作もAeropexよりも容易になり、ますますあらゆるシチュエーションに対し万全に対応するようになった。
充電はAeropex同様マグネット充電ポートを採用しており、ケーブルは付属するものの従来のマグネット充電ケーブルもそのまま使用可能。さらにOpenRun Proは急速充電にも対応しており、約5分の充電で最大1.5時間使用できる。
また、フル充電に必要な所要時間は以下の通り。
20分チャージ=0-60%充電
30分チャージ=0-90%充電
1時間チャージ=0-100%充電
また、バッテリー容量自体はAeropexよりもわずかに小さくなっているが、最大駆動時間は約10時間とAeropexの約8時間から2時間も増えているため、急なバッテリー切れや長時間の使用に問題無く対応できる性能を持っている。
こめかみ部分に当てて骨に振動を送るためのアクチュエーター部は、真横から見る限りAeropexと大差なく感じるが、
実際には「Shokz TurboPitch™」と名付けられた深みのある重低音再生を実現するShokz 第9世代テクノロジーや、デュアルノイズキャンセリング機能の搭載など、Aeropexと比較して最も大きな変更及び改善が加えられている部分となる。
また、これらの機能を実現するための複数のスピーカー・マイク(アクチュエーター周囲のメッシュ部分)の搭載が、同時にAeropexではIP67だった防水性能をIP55に落とさねばならなかった理由にもなっている。
ここら辺はどうしても両立が難しく、取捨選択しなければならなかった部分だと判断できるが、IP55の防水性能でも日常使いには十分過ぎるレベルなので、これがネックになる人は極めて少数だと思う。
OpenRun Pro付属物をチェック。大注目の「Shokzアプリ」は現時点では残念ながらDLできず
お次はOpenRun Proの付属物を確認。
付属物は充電ケーブルと説明書・保証書類とシンプル。充電ポートはOpenComm同様ユニット部後方に斜めに搭載されているが、充電ケーブルのマグネット部形状はOpenCommのような斜めになったタイプではなく、Aeropex付属のものと同様真っ直ぐになったタイプ。
……で、OpenRun Pro最大の注目ポイントでもある、スマホ上から各種設定を行うためのアプリ「Shokz app」だが……
まだクラウドファンディング中で正式な発売がまだのためか、それとも地域的な問題のためかは不明だが、現時点では(少なくともGoogle Playからは)日本国内ではダウンロードできず……これは非常に残念だった。
これに関しては、正式発売後にダウンロードできるよう祈るしかない……しかしながらアプリ上での設定操作ができないだけで、従来の機種と同様マルチファンクションボタンや音量ボタンを使用してのペアリングや音声言語の変更、マルチポイント接続などの各種設定は可能なので、使用上に特に大きな問題は無い。
ただ、是非アプリを試してみたかった……骨伝導ヘッドホン本体での設定操作は操作も煩雑だし視覚的にも分かりにくいので、もの凄く期待していたんだけどね……そのうちダウンロードが開始されることを祈ろう……
前フラッグシップ機のAeropexと新フラッグシップ機OpenRun Proの頂上比較
最後に、前フラッグシップ機であるAeropexと新フラッグシップ機であるOpenRun Proを比較を行ってみた。
手前がOpenRun Proで、奥がAeropex。細部が異なるとはいえ、一見しただけだと単なる色違いの同機種と錯覚するぐらいに外観には共通点及び統一感がある。
ユニット部比較。並べて見比べると、初めて微妙な、しかし確かなサイズの違いが分かる。
音量ボタン部分を比較すると、サイズの違いが大きく際立つ。Aeropexの方が経年劣化で大分汚れが目立っているのが分かる……ちなみにこれでも毎日使用後には除菌ウェットティッシュ(ノンアルコール)でキチンと拭き掃除していたのだが……
やはりサイクリングのように大量に汗をかくスポーツなどに長年使用していると、どうしてもこうした劣化は免れない。むしろあんなラフな使い方しまくっていて、よくこの程度で済んでいるとも思う。
アクチュエーター部に関してはAeropexよりも若干大きくなっており、これがより優れた重低音の再生にも寄与している。また、素材にも相違があり、Aeropexはアクチュエーター部もネックバンド部と同様にシリコン皮膜のような感じだが、OpenRun Proはネックバンド部はシリコン皮膜のままだが、アクチュエーター部はプラスチック素材のようなツルッとした感触の素材に変更されている。
どのような判断で直接肌に触れる部位の素材の変更があったのかは不明だが、少なくとも使用している範囲においてはAeropexとの比較でも明確な違和感や機能的な差違を感じることはなかった。
ただ、Aeropexの各部位で見られるこうした汚れや色褪せなどの経年劣化の数々が表面素材から来るものなのであれば、今回の素材変更はそれらに対する対策……なのかもしれない。
総評:明確に分かるレベルでの使用感・音質の向上を果たした新フラッグシップ機「OpenRun Pro」。実際の各シチュエーションでの使用レビューに関してはまた後日
サンプル提供いただいた実機を弄ってみて、一見Aeropexとほぼ同じと思いきや、明確に体感で判別可能なレベルで各部位の使用感や音質が進化・向上していたOpenRun Pro。
幸いにも私はインドア及びアウトドアでOpenRun Proを活かす趣味をいくつか持ち合わせているため、これまでの骨伝導ヘッドホンレビュー同様これらの趣味で実際に使用してみてからのレビューを挙げようと思っていたが、諸事情で今回は実機の開封及び外観に関するレビューに留め、実際に各シチュエーションでの使用レビューに関してはまた後日にしっかりと使い込んでから紹介しようかと。
待望のShokz新フラッグシップ機、可能な限り使い込んでから評価したいしね……