ホームシアターに採用したのはスピーカーケーブル CANARE 4S8
時系列的に多少話が前後するが、先日購入した AV アンプ「Pioneer SC-LX56」とトールボーイスピーカー「Monitoraudio Silver RX8」の接続に使用したスピーカーケーブルについて紹介。
今回購入・使用したのはカナレというメーカーのスピーカーケーブル「4S8」というもの。選んだ理由としては以下の通り。
- フラットな音質で音に癖を与えない「基準」的スピーカーケーブルとの評判
- プロ用途に耐えうる耐久性
- ただひたすら安価(平均 150 ~ 200 円/m)のため、コストパフォーマンス良好
スピーカー購入時に「モニターオーディオはイギリスのメーカーのため低音よりも高音が得意な特徴があるので、ケーブルはモンスターケーブルなどの低音よりのものよりもオルトファンなどの方が良いかもしれない」とアドバイスを受けた。
しかし色々あってまずは下手に音質を変えるモノよりもフラットで妙な味付けをしないケーブルから試してみようかと思い、同じくフラットな「基準」ケーブルとして評判のベルデンのものと比較した結果、最終的にカナレを選択。
購入は「サウンドハウス」というショップにて。ここは 120 円/mという調査範囲では間違いなく最安値だったので、たとえ万が一気に入らなくても特に痛手はないと判断し、将来的にバイアンプ接続(SC-LX56 は設定次第でバイアンプ接続が可能)することを考慮に入れて 1.5m ×4 本=計 6m 分を購入。
スピーカーケーブル 4S8 各箇所チェック
まずは内容物を確認。
入っていたのは注文のスピーカーケーブル「CANARE 4S8」が 6m 分と、広告とシンプル。
本当に種類に間違いはないかケーブル皮膜の表記などでも確認したら、6m 一巻きとなっているケーブルをまずは 1.5m ずつの 4 等分に切断する。
切断はカッターでもニッパーでも普通の鋏でも何でもいいが、結構ケーブル径があるので怪我をしないように注意すること。
切り口の状態や切断に用いた道具で音が変わるなんていう話も聞くが、その真偽は置いておくとしても血液が付着した場合はまず間違いなく音は変わるし機材にも優しくないだろうし(笑)
広告にもザッと目を通してみる。すでに廃盤となった AKG の澪ホンこと K701 の姿が……
切断面。4S8 は 4 芯スターガット構造で、同色の芯線を撚り合わせて 2 本のケーブルとして使用することで、ノイズ等を抑える働きがあるとか。
それにしても頑丈な皮膜と糸状の絶縁体、そして 4 芯構造と、とてもメートル単価 100 ~ 200 円のケーブルとは思えないほど凝った造りにはちょっとびっくり。
ケーブルを撚り合わせ、AV アンプとの接続準備をする
それではいよいよ AV アンプとの接続のため、ケーブルの端末加工に入っていく。
まずは最外周の黒い皮膜から。中身の芯線と恐らく絶縁体代わりの糸が綺麗に撚られている。
最初どれくらいまで皮膜を剥ぐべきか迷ったが、最終的に最外周の黒い皮膜を 10cm、芯線の各色の皮膜をそれぞれ 1.5cm ほど剥ぐことに決定。これはターミナルへの接続時の取り回しと、2 本の芯線を撚り合わせる際の余裕を見越した上で長さを決定した。
糸を除き、芯線を露出させた状態。色は赤・半透明の赤・白・半透明の白の計 4 種と分かりやすくなっている。撮影の都合上すでに芯線も剥いて中の銅線が露出しているが、皮膜除去作業はこれから。
皮膜の剥き方はカッターなどで「切る」のではなく、軽く切れ目を入れるだけに留めてその部分を折り曲げるようにして切り口を広げると、中の銅線を切ることなく皮膜のみ切ることが可能。
これはただひたすら練習あるのみなので、安価なケーブルを購入し、ひたすらに切り刻んで練習するとすぐにコツは掴めるはずだし、そんなことしなくてもケーブル2本分も処理していれば自然に身につくはず。
注意点としては変に力が入らないように切れ味の良いものを使うことと、怪我をして血液を付着させないようにすることのみ。
4S8の皮膜はかなり頑丈で銅線から外しにくいため、場合によってはこうして 2 カ所に切れ目を入れて順に抜き外すようにすると、手間はかかるが多少やりやすくなる。ちなみに皮膜を銅線から抜く時は、銅線の撚りと同じ方向(この場合は右)に回しながら行う。
4 本分全ての銅線の露出が完了したら、同色同士を撚り合わせて 1 本にする。この際銅線は直接手では触れず、手袋をしたりすると怪我の防止及び汚れの付着を防げるのでお薦め。
ちなみにケーブル自体も撚り合わせておくと取り回しが若干良くなるし音質的にも良いという話もあるので、大した手間ではないのでケーブルも撚り合わせておく。
ちなみに芯線は同色同士を撚り合わせず、4 本それぞれを独立してバイワイヤリング用やバイアンプ用として利用することも可能。
撚り合わせて使用する場合は組み合わせる色を間違えないこと。また銅線は 2 本をひとつにする前に一度それぞれの銅線の撚りを戻しておいて、バラしてから 2 本 1 組にするとまとまりやすくなる。
各種作業が完了したら、最後に絶縁体代わりの糸をニッパー等で切除。邪魔なら最初に切ってしまってもいいかも(写真は芯線を撚り合わせる前に切除したもの)。
この作業を 1 本のケーブルにつき両端 2 ヶ所、2 本分の計 4 ヶ所分を行う。4S8 はしっかりとした安心の構造の反面加工作業がしにくいので、慣れていないと結構な重労働かも……
ちなみにスピーカーケーブルの加工作業は AV アンプとスピーカーが届く前日に全て終えておいて、それが正解だったと後で実感(笑)
取り除いた皮膜等。かくいう自分自身もスピーカーケーブルの加工作業に慣れていないため、肝心要の銅線部分を何本かカットしてしまっている。
オーディオにこだわる人曰くこれは音質に致命的な影響を与えるとのことだが、現時点での個人的見解からすると、芯線1本に付き数十本ある銅線の内1~2本(数%程度)が切れたところで、一体何の影響が音質にあるのか分からないし、仮に何らかの影響があったとして(厳密に検証するならロストした分のデータ的差違は出るとは思うが)、果たしてそれを聞き分けることができるのかも不明。
オーディオへの信仰度が上がれば分かるようになるらしいが……そこんとこどうなんだろうか。まぁまだこうした世界への入口に立ったばかりの現在の自分では、まだまだ理解できない世界ではある。
……とは言えやはりある程度はそうした先人達の言動には影響されてしまうわけで、以前モンスターケーブルを購入した時も色々と調べたのを思い出した(笑)
あれからも色々調べてスピーカーケーブルは単に太い=音質が良いわけではないことなども知ったわけだが、やはり周囲がみんなして言っているとある程度はそれに引っ張られるのもやむなしといったところ。
よって今回も色々と言われているスピーカーケーブルの特性のひとつである「電流の方向性」については採用し、従うことに。
要はケーブルに矢印が付いていたらそれに従い、そうした目印がない場合はケーブル皮膜の印字に従って接続するというもの。
CANARE 4S8 の場合矢印等の目印はないため、印字されている「Speaker Cable 4S8」が矢印であると見立て、頭文字の「S」をアンプ側、最後の「8」をスピーカー側に接続。
この電流の方向性については物理的に無意味というかありえないという結果がありますが、どのみち影響がないのならまぁ従っておいても特に問題ないかと思って(笑)
ただこうしたスピーカーケーブルの音質向上を試みたところで、自分にはまだ基準となる「音」が何もないため、はっきり言って無意味だとは思うけど、そこは気分の問題もあったり。
もし色々試して「音質の違いが~」なんてことを言い出せるとすれば、それはまだまだ先の話になるんだろうなぁ……と思う。
AV アンプ用の雑貨類や HDMI ケーブルも色々購入
最後にちょっと蛇足。
スピーカーケーブルはネット通販で購入したが、ケーブルが届いた日と同日にヨドバシカメラで足りていない HDMI ケーブルやコネクタカバーなどを購入してきた。
コネクタカバーについてはどんな製品だろうと違いはないんだろうが、HDMIケーブルについてはヨドバシのような家電量販店においても、多種多様な種類・価格帯のものがあった。
取りあえず今回はメジャーメーカーの SONY のそこそこのものを選んだが、もしこれが 1m 5,000 円とかの高級品だと、やはり画質や音質に大きな影響があったりするのだろうか……
ホームシアターやオーディオの世界は奥が深い……そしてそれ以上に業が深い(笑)