初の万年筆の洗浄メンテナンスを行ってみた
ここ最近……とは言ってもお盆休みを挟んで 2 週間程だが万年筆を使う機会がなかったため、久々に使ってみたら案の定インクが出ない……
本来なら 2 週間程度なら未使用のまま置いておいても全く書けなくなる程インクが固まってしまうことはないはずだが、ここ最近の酷暑を考えるとその可能性もあるかもしれない。
……などと考えつつ万年筆を分解してみたら、空けてびっくり。
単にインクを使い切ってしまっているだけでした。
最後に使った時にぴったりとインクを使い切っていたのか……紛らわしい……
とは言えこれも良い機会と思い、新たにインクを補充する前に一度万年筆のメンテナンス、その基本である「ペン先の洗浄」を行ってみようかと。
ちなみに今回メンテするのはコクーンの方。カスタム74 はまだまだしっかりとインク残量もあって書き心地にも問題が無いので。
万年筆の洗浄は基本的に水あるいはぬるま湯のみの簡単仕様
万年筆のペン先の洗浄に必要なものは、
洗浄対象の万年筆と、水あるいはぬるま湯のみで OK。今回はぬるま湯で試すことに。ちなみにいくら温度があった方が水性のインクが溶けやすいとは言え、熱湯は NG とのこと。まぁ当然か……
今回の騒動の原因となったコクーン君。そんなに書きまくった記憶はないんだが、見事にインク残量がゼロになってた……同時期におインクを補充して使用頻度もほぼ同等のカスタム74 がまだ使えるところを見ると、これはやはり使用しているカートリッジのインク容量の差かと。
コクーンに使用しているカートリッジ CON-40(0.4ml)は、カスタム74 に使用しているカートリッジ CON-70(1.1ml)の半分以下の容量しかないので、同頻度で使用しているとまぁこうなるか……
ぬるま湯を用意。容器は別に何でもいいが、溶け出すインクを楽しみたかったので今回はガラスのコップを使うことに。
ペン先をぬるま湯に浸すと、ふわっとインクが滲み出てくる。もう使い切ったと思っていたが、まだまだインクはペン先に残っていたのが分かる。
インクが溶け出す様子はかなり綺麗で魅入ってしまう……が、このままにしていても仕方が無いので一度捨てて綺麗な水(あるいはぬるま湯)と入れ替えて、インクが溶け出さなくなるまで繰り返す。
カートリッジの方もインクの代わりに水を出し入れして内部を洗浄する。
かなりインク色が薄くなってきた。本格的な洗浄、あるいは別のインクと入れ替える場合はインクの色が完全に出なくなるまで洗浄を繰り返すが、今回は前回同様「色彩雫【紅葉】」を飲ませるためにこの辺で洗浄を終えることに。
万年筆のメンテナンスの基本は「日々使うこと」と「水洗い」の 2 点
綺麗に洗浄した万年筆のペン先は、しっかりと水分を取ってからインクを充填する。そのため完全に乾燥させるためには 1 日以上乾燥時間を置いた方が良いらしいが、今回は使用予定があったためティッシュや綿棒で念入りに水拭きをしてからすぐにインクを飲ませた。
よく言われる万年筆のメンテナンスの基本には、今回やった「水あるいはぬるま湯での洗浄」の前に「日々使うこと」というのがよく言われる。
つまり毎日使ってやっていればペン先へインクの流れが生じてインクが固まり目詰まりを起こすこともなく、また何かトラブルがあってもいち早く気付くことができるということだ。
実際今回の件だって毎日キチンと使っていれば、インクの目詰まりではなく単にインク切れだったことはあっさりと分かったはず……これからはもっと万年筆を使う頻度を上げるために何か考えなければ……