現行カートリッジでセーラーミニ万年筆の復活に挑戦
先日思いもよらず掘り出してしまった発掘文具・セーラー万年筆の「セーラーミニ」。お宝かどうかはさておいて 1970 年代製造の嘘偽りない年代物だが、これを発掘したことを受けて持ち主である母親より「これ用のカートリッジ探しておいて」という特命を承ることになった。無茶言うな。
セーラーミニを購入したのは 30 年以上も前で、調べてみたところ製造終了したのが 1986 年。職場近くの文具店数軒で訪ねても、返ってきた回答は案の定「現行品のカートリッジが適合するかどうか分からない」とのこと。
しかし情弱のオーバースペックな味方・インターネットで検索したところ、恐るべきことに未だにセーラーミニの使用者がいて、現行のカートリッジでも問題なく使用可能という情報をゲット。
ホント便利だなインターネット!
セーラー万年筆 カートリッジインク カラーはブルーブラックを選択
セーラー万年筆のカートリッジインクは、現行品なら万年筆を取り扱っている文具店なら大抵どこでも入手できる。セーラーに限らずパイロットやプラチナもそうだけど。
あれだけセーラーミニに適合するカートリッジインクはどれか、現行品でも大丈夫かと悩んだのに、いざ見つければびっくりするぐらいあっさり購入できた。
セーラー万年筆のカートリッジインクには「ブラック」「レッド」「ブルー」「ブルーブラック」の 4 色があるが、今回はブルーブラックを選択してみた。
理由は特になく、カートリッジインクについて調べていくと「ブルーブラックは万年筆の王道カラー」という記述を多く見かけたので、では無難な線でいこうかと。
しかしブルーブラックのインクの付いて調べてみると、いわゆる古くから使用されてきた伝統の「ブルーブラック」は近年では減少傾向にあり、最近は染料で濃紺色を出したものが「ブルーブラック」として主流となっているとか。
今回購入したセーラー万年筆のブルーブラックのカートリッジインクもパッケージにはバッチリ「水性染料」と書かれているが、別にそこら辺は特に気にしないこととする。
今回帯びた特命は「セーラーミニを再び使用できる状態にすること」で、インクに拘ることではないからだ。実際インク購入の際にカラーの指定なんてなかったしね……
12ピースのカートリッジインク入りで 400円。ネット通販だと下手すれば半額程度で購入可能な場合も。万年筆のインクってこんなに安かったのか……てっきり インクおひとつ数千円のブルジョワ世界 だと思っていただけに軽くショックだwww
パッケージ裏面にはカートリッジの取り付け方法が記載の親切設計。どうやらカートリッジは回しながらねじ込むのはタブーらしい。ふむ……
セーラーミニ万年筆本体にカートリッジインクを取り付けてみる
取り付け方法も把握したところで、早速カートリッジをセーラーミニ万年筆本体にブチ込んでみることに。
カートリッジ本体には取り付け方向が記載されていて、これに沿って取り付けを行う。
取り付け作業完了。至って楽。
難しく思える箇所は一切無し。敢えて言うなら奥までキッチリと差し込むことぐらいか。
後はこのまましばらく待つだけでインクが自然に充填されて筆記可能な状態になるらしいが、時間が掛かる場合はカートリッジの端を指で軽く押してインクを押し出し、紙の上に一滴垂らしてやればそれで OK とのこと。
セーラーミニ万年筆、21 金ペン先の書き心地を試してみる
ではインクの充填が完了したセーラーミニの書き心地を早速試してみることに。ちなみにインクは 指で押し出して強制充填 した。インクの自然充填なんてそんなのんびり待ってられん(笑)
人生初(ではないと思うが)の万年筆での筆記。用紙は至って普通のコピー用紙だが、滲みは少なく、書き心地は思ったより引っかかりもなくスラッと書けた。
この書き心地が 21 金ペン先の実力かどうかは他のペン先を知らぬ身では分からないことだが、少なくと G ペンなどを使用した経験はあったため、その経験から考えると思った以上に滑らかな書き心地とは感じた。
ブル-ブラックインクは、どちらかというと藍色っぽい感じ。伝統のブルーブラックは時間経過で色が青から黒に変化するらしく、その現象がそのまま色の名称になったものらしいが、現在主流の染料で作られたブルーブラックは単に「黒っぽい青」であるだけらしい。
しかしこの色合いは確かに普段使用しているボールペンなどではお目にかかれないもので、好みは分かれるだろうが如何にも「万年筆」といった感じの色合いではあるので、個人的には好みではある。
総評:ブル-ブラックインクで無事復活のセーラーミニ万年筆をこれからどうするか
現行のカートリッジインクが見事に適合して、無事復活を果たしたセーラーミニ万年筆。インク詰まりもなく、書き心地も十分良いと感じれたことから、まだまだ現役で使用していけることは間違いない。
ただこのセーラミニ万年筆は母親のものなので、取りあえずは一旦母親に返す形となったため、今後使用する機会は自分の文具の好みなどを考えてもほぼないかと。
自分の中での万年筆は実用性よりも飾り置いて所有欲を満たすための「展示用高級文具」としてのイメージが強く、どうしても万年筆を実生活内で活用するイメージと結びつかない。
その上インク代などのランニングコストもかかるし、インク詰まり解消のため手入れにも結構気を遣うなど、とにかく手間とコストがかかるマイナスイメージの方が強くあるぐらいだ。
ただ実用ではなく「飾って楽しむ」ことを前提とした万年筆には興味があるので、もし資金に余裕があるなら何かしら購入するかもだが、実用用途でとなるとどうなるかは現時点では全く不明。筆記具としては完璧にシャープペンやボールペン世代なので……
誰かシャープペンやボールペンといった主流筆記具と比較しての万年筆の良さを教えて……