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エイリアン:アイソレーションが想像以上に楽し過ぎ&ハイレベルだったので超お薦めしたい件について

投稿日2020年10月9日

 春先に発売された数々の名作ゲーム勢をクリア後、昨年のセール時に購入済みだったもののついつい後回しになってしまっていた「エイリアン:アイソレーション」にふと手を出してみたら、何か想像を絶するレベルで面白過ぎてハマりにハマってしまっていた……

「エイリアン:アイソレーション」自体は2015年に発売済みの結構古いゲームで、タイトル通りかのSF映画の名作「エイリアン」シリーズを題材としているゲームとなる。
 エイリアンを題材にしたゲームはこれまでに結構な数出ているが、生粋のエイリアンファンにとっては内容が微妙なものが多く、正直これにも購入当初はあまり期待はしていなかった。

……が、ちょっとプレイしてみて評価は大反転。ヤバいこれ最高ですやん。

 はっきり言ってこれまでに出ている有象無象のエイリアンを名乗っているだけのFPSやTPSもどきとは次元が違う。これほどまでにエイリアンをエイリアンとして表現することに成功しているゲームは多分他にはない。
 主人公はエイリアン2完全版の冒頭にちょこっとだけ登場した、エレン・リプリーの実の娘であるアマンダ・リプリーだが、それはあくまでもプレイヤーの操作キャラとしての表向きの主人公。

 真の主人公は言わずもがなゼノモーフ(エイリアン)である。

 そんな完全なる有機体の存在を、そしてその世界観をほぼ完璧に破綻無く再現したゲーム、エイリアン:アイソレーション。
 このたびキャンペーンモード全難易度制覇&映画版モード、発売当初はDLCとして配信されていたサバイバルモードも含めて完全制覇したため、この面白さを少しでも知ってもらいたくレビューを書くことに。

絶対に殺せない完全なる有機体・ゼノモーフとの文字通り生死を掛けた隠れんぼ

 エイリアン:アイソレーションをひと言で言うと「エイリアンとの隠れんぼ」。そういう意味ではある意味メタルギアシリーズと似てるとも言えなくも無い。

 だが、エイリアン:アイソレーションとメタルギアとの最大にして致命的な相違点。それは、

 圧倒的なまでの緊張感の差。

 何をどうやっても絶対に殺せない、発見=即死な絶望の権化が、広大な宇宙ステーション内にただ一匹だけ存在する。たったそれだけの事実がもたらすどうしようもない絶望感と緊張感。

 宇宙ステーション「セヴァストポリ」内を徘徊するエイリアンは、ただ一匹のみ。しかしその動きは極めて俊敏かつ神出鬼没で、ステーション内に張り巡らされているダクト内を自由自在に移動し、どこからでも侵入し、どこにでも現れる。
 エイリアンの索敵能力とその範囲は常軌を逸するレベルで、ほんのわずかな物音、動作音などからこちらの位置を感知し、ひとたびダクト内から降り立てば執拗に追跡を繰り返す。

 その動作パターンはごく限定されたステージを除き完全にランダムで、安全地帯と呼べる場所はほぼ皆無。見つかれば最後、どこに隠れていても引きずり出され、その場で凄惨な最期を遂げる羽目になる。
 何が最悪かと言えば、例えばセーブ中だとしてもその途中で容赦なく襲いかかってくるため、セーブ完了直前に殺されてしまえば、セーブデータ自体が使用不能になる。徹底的に人類(プレイヤー)に仇なすスタイルがどこまでも最悪で凶悪。

 そしてエイリアンは絶対に殺せない。ゲーム内には様々な道具や武器があるが、そのどれを持ってしてもせいぜい一時的な撃退が関の山で、それでもすぐに舞い戻ってくるため、撃退後すぐにその場を離れ身を隠さないとあっという間に返り討ちにされる。
 リボルバーなどの小型火器ではひるみすらしないどころか表皮で銃弾を弾き返すため、何の牽制にもならない。ただ全く効果が無いわけでも無く一応出血はするため、至近距離で銃撃しようものなら強酸性の返り血で逆にダメージを受けてしまうという、どこまで行っても人類に対し容赦の無い絶望仕様。

 そして一度捕まれば最期、忠実に再現されたインナーマウスの熱烈キッスな一撃で頭蓋を粉砕されてご臨終。忍び寄る瞬間の緊張感、見つかった瞬間の絶望感は100回以上経験しても全く慣れない(実際に100回やられることで解除される実績あり)。そこにあるのはただひたすらなる恐怖と無力感のみ。

 そんなエイリアンを一時的に撃退することが可能な数少ない武器のひとつが、映画でもお馴染みの火炎放射器。これさえ使えばわずかな間のみだが撃退できるものの、所詮これも一時しのぎ。
 エイリアンは高度なAIで常にこちらの行動パターンを分析・予測しており、火炎放射器を含む有効な武器類も「自分に対して致命的な効果無し」と判断すれば、もはや撃退は叶わず一時的にひるむのみとなり、最終的にはひるむことさえしなくなる。

 こんな絶望ってあるかよ。

 ちなみにまだ火炎放射器が有効な場合でも、放射がわずかに遅れたりするだけで簡単にジ・エンドとなる。入手可能な燃料にも当然限界があり、結局は「持っていないよりかはマシ」程度でしかない。

 つまり「エイリアンに絶対発見されない」ことが大前提の命掛けの隠れんぼ、それこそがエイリアン:アイソレーションというゲームの本質であり、武器が入手可能=エイリアンと戦うゲームとは断じて異なる。それを忘れた場合、100回DEADの実績解除なんてあっという間にやって来る。

 ただひたすらに人間という存在の無力さを痛感し、エイリアンという完全生物の恐怖を思い知る。それがこのゲームの楽しさの真骨頂と言っても良い。

エイリアン以外にも存在するセヴァストポリ内を徘徊する脅威

 エイリアン:アイソレーション最大の脅威は言わずもがなエイリアンだが、セヴァストポリ脱出を試みるリプリーに対する脅威は厄介なことにエイリアン以外にも存在する。

 エイリアン以外の脅威その1:略奪者。要は武器持ってステーション内を徘徊し、強奪を繰り返す無法者達。エイリアンとは異なり撃破可能で、基本的にリボルバーなどの小火器類はこいつら用。
 エイリアンと比べて大した脅威ではないが、どこに出現するかはランダムかつ銃器を持って徒党を組んでいるため油断していると思いがけぬ方角・距離から射殺される羽目に。

 銃で撃ったり火で燃やしたりして倒せるが、大抵の場合は銃声や怒声を聞いて駆けつけたエイリアンにリプリーごと葬られる。上手く使えばエイリアンに対する非常に有効な囮になるので、そう考えると脅威と言うより持ちつ持たれつな関係と言えなくもない。

 脅威その2:アンドロイド。宇宙ステーションセヴァストポリの運営企業、シーグソン社が開発した新進気鋭の超ポンコツ野郎。名称は「ワーキング・ジョー」。
 そうでなくともポンコツな性能なのに、とある理由から平然と人間狩りを行うようになり、人間よりも頑丈なため銃火器でも倒しにくく、また無機物であるがゆえにエイリアンもガン無視するため、一度発見されると非常に扱いに困る障害物と化す。

 動きは人間より緩慢なため後半に入手できるボルトガンなどを用いれば一撃で倒せるが、その音を聞きつけたエイリアンにグシャっといかれる可能性大なので、基本的にはこいつにも発見されぬよう気を配る必要がある。

映画「エイリアン」の世界を忠実に再現した、極めて完成度の高い世界観

 エイリアン:アイソレーションは「エイリアン」でリプリーがノストロモ号から脱出した15年後の物語となり、時系列的には初代エイリアンとエイリアン2の間に位置している。よってその世界観もその当時のものを踏襲しているが、

 最新のCG技術で、当時の世界観を破綻させること無く再現しているのは見事のひと言。

 エイリアン~エイリアン2は実年代でいうと1970年代後半~1980年代の技術・発想のものなので、当然ディスプレイは液晶では無くブラウン管。照明はLEDではなく蛍光灯。エイリアンの前日譚であるプロメテウスなどのように、妙な矛盾は一切発生していない。素晴らしい。

 まぁそういうのはやむを得ない部分があるのは分かるし、賛否両論あるのも理解してるが。

 ステーション内のビジュアルも非常に高品質かつ世界観を損なわぬデザインに。特に追加シナリオのノストロモ号内部の再現なんかファン感涙モノの出来である。

 みんな大好きエイリアンの巣もご覧の通りの超再現度。ここ割とマジで何度来ても心臓に悪い……

 ここはエイリアン2の大気処理工場のように、エイリアンの数が多すぎてモーショントラッカーが全く役に立たないという絶望仕様(実際にはとある理由で作中屈指の安全地帯でもあるが)。

 エイリアンエッグもこの再現度。

 原子炉パージして巣とおさらばと思いきや、今度はステーション内に複数のエイリアン&フェイスハガーが徘徊するという文字通りこの世の地獄に……

 全体的な世界観からちょっとした小物に至るまで、原作のイメージを損なわぬように徹底的に造り込まれているエイリアン:アイソレーションの世界は、良い意味でも悪い意味でも没入感抜群で堪らない。

ゲーム的なやり込み要素も充実の「オリジンミッション」と「サバイバルモード」

 エイリアン:アイソレーションは基本的に映画の再現を忠実に行うことに比重を置いているため、操作的な面やストーリー展開の起伏の面では若干の不満や物足りなさも確かにある。

 しかしながらそれらをある程度カバーするための要素も盛り込まれており、それが原作となる初代エイリアンの中盤~後半シーンを再現したオリジンミッション「搭乗員は放棄してよし」「最後の生存者」にふたつと、タイムアタック的要素を兼ね備えた「サバイバルモード」である。

 特にオリジンミッションは映画の登場人物をキャラとして操作可能かつ、ボイスは当時のキャスト本人から収録しているという気合いの入りよう。前述の通り、ノストロモ号の再現度も抜群となっており、ファンとしても文句無しの出来に仕上がっている。

 サバイバルモードは各シナリオを規定時間内に用意されている目標をこなしつつクリアしていくというものだが、基本的な難易度が相当高いため、短時間クリア&ハイスコアを狙うには相当なやり込みと運が要求される鬼畜仕様に仕上がっている。

 こちらもエイリアンの配置や行動パターンは完全ランダムなため、開始10秒で即アウトなんて事も珍しくない。しかも本編最高難易度のNightmare同様マップ機能が使用できないため、何度もやってルートを覚えねばならない。その上アイテム配置も完全ランダムという血も涙もない仕様に。

総評:高難易度だがハイレベルでファンならプレイの価値あり。ただ心臓に自信が無いなら……

 原作の雰囲気に忠実な世界観に高品質な再現度。非常に高度なAIで行動するエイリアンにプレイ毎にランダム配置なアイテム類。おぞましいと感じるほどの難易度だが数々のランダム要素が相まって何度やっても飽きさせないその完成度。エイリアンファンなら当然のこと、

「配慮」の意味を吐き違えた近年のヌルゲーに不満な貴方にこそやって欲しいこのゲーム。

 もし見つかっても力ずくで何とかなる?銃火器があれば大丈夫?多人数でかかれば楽勝?

 完全なる有機体にそんな惨めな妄想は通じない。

 ただこのゲーム、割とマジでプレイヤーへのヌルい配慮を放棄してるので、心臓に疾患を抱えてる人やそもそもホラー系が苦手な人には真剣にお薦めしない。ホントに。

 冗談抜きで心臓が一瞬止まるようなことが割と頻繁に起きまくるので……何度プレイしても……マジで……

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 リンクしといて何だが、エイリアン:アイソレーションはたまにあるPSストアのセール&キャンペーンで購入するのが(多分)一番お得。
 毎回出てくるわけではないが、上手くすれば2,000円台で購入できるので、興味があり、かつ待てる人はセールに出るまで待つのが最もお買い得かと。

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