真夏の通勤のお供にサンコー ネッククーラースリムを導入してみた
ここ近年は毎年のことではあったが、今年の夏の暑さは輪をかけて異常……ということで、少しでも快適な真夏の通勤ライフを送るべく、最近話題のネッククーラーなるものを導入してみた。
購入したのは「レアモノ」の謳い文句で同じのサンコー製ネッククーラーの2022年度最新版、「サンコー ネッククーラースリム」。型番は「TKNNC22WH(ホワイト)」。
累計80万台以上の販売実績があるというサンコーの人気商品で、実売価格もちょうど楽天スーパーセール中で安価だったため、試しに購入してみることに。
開封の儀&内容物チェック
まずは恒例の開封の儀から。
正直サンコー製品を購入するのは学生時代以来。確か当時はPC周りのちょこちょこした小物やキワモノばかりなイメージだったサンコーだが、いつの間にやらかなり立派なものを作るようになっててちょっとビックリ。
パッケージには「80万台突破!!」と「外気温から-17℃」の文字があり、かなりの効果が期待できそうなイメージ。
内容物はネッククーラー本体、バッテリーと充電ケーブル、そして説明書類。保証期間は標準の1年間。
ネッククーラースリム 実物チェック
サンコーのネッククーラーには様々な種類があるが、ネッククーラースリムは「スリム」の文言通り本体が従来の機種よりもスリムなこと、そして外気温-17℃という体感温度をウリとしている。
ただ、スリムとは言っても「あくまでも従来機種と比較して」であり、本体はそれなりに大きい。重量は本体約140g、バッテリー重量約80gの計約220g。
ネッククーラーには送風して汗を蒸発させることで冷却を促す気化冷却タイプのものもあるが、サンコーのものは首元にペルチェ素子を当てて冷却する、「ペルチェ式」と呼ばれるタイプ。
搭載されているペルチェ素子は首側面、頸動脈を冷やすようになっており、公式サイトには「体温調整のためあえて汗をかけるように首の後ろには冷却プレートを付けていない」とのこと。
バッテリー接続部。接続はスライド式で接続後ロックできるようになっているが、バッテリーの個体差でロックがかなり硬いものがあるので要注意。
冷却プレートのアームはうまく首元に当たるように調整可能。基本的にはペルチェ素子が全面首元に当たるように調節し、吸気口を塞がないように調節する。
長時間使用を考慮して専用バッテリーを別途購入
専用バッテリーの持続時間は強で約1時間、弱で約2時間と、通勤で使用する場合ギリギリっぽいので、途中でバッテリー切れを起こした場合に備えて予備バッテリーをひとつ購入。
また、別途モバイルバッテリーを接続してより長時間使用することも可能で、容量10,000mAhのモバイルバッテリーなら強モード約5時間15分、弱モード約10時間30分使用可能。
冷却性能が落ちたら分解メンテナンス
内蔵されているペルチェ素子はファンで冷やす構造のため、長く使用していると吸気口からゴミや埃も一緒に吸い込んでしまい、冷却性能が落ちてしまうとのこと。
冷却性能が落ちてきたと感じた場合は、カバーを外して清掃できる構造になっている。
メンテナンスとは言え、やることはペルチェ素子の隙間に挟まったゴミや埃をエアダスターなどで吹き飛ばすだけ。
用途は通勤メイン、たまに庭仕事やDIY。肝心の冷却性能は…
ネッククーラーを購入した最大の目的は、この猛暑を越えた酷暑の中少しでも通勤を快適にするためだが、サブ目的として夏場の庭仕事や庭でのDIYなどを少しでも快適にしようとの目論みも。
首元に装着した感じはやはりそれなりに存在感を感じるが、通勤や庭仕事などに使用していても「重い」や「邪魔」と感じることは特に無かった。
首の後ろ側はメーカーの公言通り結構汗ばむので、タオル地の受けでも欲しいところ。
また、ペルチェ素子の冷却のためのファンの音が結構するので、人によってはかなり気になるかも知れない。ちなみに私は音楽を聴いていることもあってか、ほぼ気にならない派。
ペルチェ素子をしっかりと頸動脈に合わせて強モードで使い始めると、使い始めは確かに一気に冷却されていくのが分かる。が……
全身、あるいは頭部全体で感じれるだけの冷却性能はさすがに無かった。
冷たさを感じるのはあくまでもペルチェ素子が当たっている部分のみで、しかもその部分もそのうち冷たさに慣れてしまい、継続使用しているとすぐに冷たさを感じなくなってしまう。
……まあ予想していたことだが、ネッククーラーはあくまでも「身体で冷却性能を実感するもの」ではなく、頸動脈を介して血液を効率的に冷やすことで「熱中症を予防するためのもの」という方が正解かもしれない。
実際に皮膚で冷却効果を感じなくなるとはいえ冷えていることには変わりないので、体内温度の上昇さえ抑止できるなら熱中症にはそれなりの効果が期待できる。
もし肌で継続的に感じる冷却効果を感じたいのなら、携帯扇風機や空調服のような空冷式の方が効果があるかもしれない。
実際ネッククーラーだけだと通勤時の汗は止まらないが、携帯扇風機や扇子などを併用するとかなり冷却効果が高まるのが実感できた。
総評:ネッククーラーのメイン用途は熱中症予防として。冷却機器としては他の空冷機器と併用することでより効果的に
前述の通り、ネッククーラーは確かに外気温-17℃という冷却性能を持つが、これだけではどうしても空冷機器ほどの冷却性能は実感しにくい。
携帯扇風機や扇子などと併用すればそれなりに効果的な実感もあるが、やはりメインの用途は頸動脈を冷やすことによる熱中症予防にあると強く感じた。
このように用途を正しく認識して運用すればそれなりに使える真夏の便利アイテムだが、それなりに大きく重い、運用時間に制限がある、冷却ファンの騒音が結構する……など、いくつかの気になる点もあるので、万人に手放しでお薦めするにはもう一歩といったところ。
このネッククーラースリムや、それに類する製品をお薦めできるのは、
- 実感できる冷却機器ではなく、的確に熱中症を予防できるアイテムが欲しい
- 目新しいモノ好き、ガジェット好き
- 他の冷却機器と併用することが前提で運用する予定
上記のことを知った上で適切に運用できる人にはお薦めできるかと。特に「ペルチェ素子で冷やす」なんていうワードがぶっ刺さる人なら、多少の不便も何のその、非常に楽しく扱えるかと(笑)
対してお薦めにしにくいのは、
- 肌で継続的に実感できる効果的な冷却機器を求めている
- 公共交通期間内での騒音が気になる
- 定期的なメンテナンスなどが面倒に感じる
……などという人には、少々お薦めしづらい製品となっている。
登場してからまだ10年にも満たない、まだまだ発展途上の可能性のある製品なので、個人的にはこれからの進化には非常に期待したい。敢えて欲を言えば、
- 本体サイズ及び重量が今の半分以下になる
- 専用バッテリーのみでの駆動時間が約半日レベルになる
- 冷却プレートのみならず、空冷とのハイブリッド式で継続的に実感できる冷却性能を搭載
というレベルになれば、もう本体価格2万円超えでも即買い決定ですよサンコーさん……っ!