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AeropexベースのTV用骨伝導ワイヤレスヘッドホン徹底レビュー

投稿日2020年4月25日

 この4月21日より発売となった、AfterShokzの最新骨伝導ヘッドホン「Aeropex」をベースとしたTV用骨伝導ワイヤレスヘッドホン。
 その実機サンプルをAfterShokz広報代理店のCyberMedia Communications Japan様より提供いただいたので、色々な使用方法と共に徹底レビューしていこうかと。

AfterShokz
Bluetooth5.0 IP67防水設計 連続再生時間:8時間 重量:26g
保証期間:2年間長期保証(※要代理店登録)
詳細情報:【Amazon】【AfterShokz

 ちなみにこの製品の正式名称は「骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付き」。骨伝導ヘッドホン本体自体はAeropexベースで、そこにTVとの接続用のトランスミッターやケーブル類が付属し、TVなどのBluetooth非搭載機器との接続を容易に行えるようにしたもの。

  • TVをはじめとする機器との接続用トランスミッター&ケーブル類付属
  • 骨伝導ヘッドホンとトランスミッターがペアリング済みで、容易に接続可能
  • 耳を塞がないため、家族との会話など周囲の音を聞き取れる

「テレビ用」と銘打つものの、実際に使用してみると 実に多彩な用途への使用が可能 で、Aeropex単体ではBluetooth搭載機器としか接続できなかったものが、USBやオーディオケーブルなどで接続できる機器となら どんな機器とでも接続可能になったAeropex と考えると話が早い。

 しかも骨伝導ヘッドホンはAeropexベースだが、地味にグレードアップしている部分があり、骨伝導ヘッドホン単品とみても文字通りAfterShokz最新と言える、実に高性能&高機能な骨伝導ヘッドホンとトランスミッターのセットとなっている。

骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付き 開封の儀

 それでは恒例の開封の儀。

 パッケージ外観。AeropexやTREKZ AIRのような攻めた感じではなく、ちょっと落ち着いてる。

「BE OPEN」は相変わらずだが、

 なんとマグネット開閉式ではなく、ごく普通の箱になってた。ここらへんちょっと経費削減?でもマグネット開閉式の箱とかすっごい(精神的に)捨てにくいので、こっちの方がいいっちゃいいかも……

 パッケージ裏側には各特徴の記載。ここで気付く人は気付くかもだが、

 対応コーデックに「aptX」が追加されている。

 ベース元のAeropexの対応コーデックは最も基本的なA2DPプロファイル標準コーデックの「SBC」のみだったので、低圧縮率・低遅延の高性能コーデックであるaptXに対応したのは大きな進化と言える。
 その関係か、骨伝導ヘッドホンの製品型番もAeropexの「AS800」に対し、このTV用骨伝導ヘッドホンは「AS801」となっている。

  • 対応コーデックが低圧縮率・低遅延の「aptX」に対応

「aptX」を簡単に説明すると、標準コーデックのSBCと比較して高音質な圧縮方式のこと で、主にAndoroidで採用されている。
 aptXよりもより高音質な圧縮方式はハイレゾ対応のapt HDやSony独自の圧縮方式であるLDACなどいくつかあるが、対応する機器の幅広さを考えた場合、最も汎用的で扱いやすい高音質コーデックがaptXと言える。

カタログスペック確認

 本製品付属の骨伝導ヘッドホンのカタログスペックは以下の通り。

品番 AS801 電池 リチウムポリマーバッテリー
Bluetooth Version Ver.5.0 バッテリー駆動時間 最大8時間
周波数特性 20Hz~20KHz バッテリー待機時間 最大10日間
周波数帯域 2402MHz~2480MHz 充電電圧 5.25V
感度 105±3dB 充電時間 約2時間
マイク特性 -38dB~±3dB バッテリー容量 145mAh
インピーダンス 8.5hm±20% 防水規格 IP67
無線通信距離 約10m(障害物無し) サイズ 135mm×94mm×169mm
 対応プロファイル  A2DP, AVRCP, HSP, HFP 重量 26g
 対応コーデック  aptX 保証期間 2年間

 基本はベースとなるAeropex準拠だが、やはり光るのは「aptX」対応。そしてAeropex準拠ゆえに、IP67という非常に高い防水規格も魅力のひとつ。
 駆動時間もAeropex同様の8時間で、TV視聴などで常用するには十分な時間。逆に8時間以上連続での視聴は健康上の問題があるので避けた方が普通に無難……

骨伝導ワイヤレスヘッドホン 本体&内容物確認

 では次に本体(骨伝導ヘッドホン(AS801)&トランスミッター(ABT01))と内容物の確認。

骨伝導ヘッドホンはAeropexと全く同じで、外観上の違いは無し

 TV用骨伝導ヘッドホンのヘッドホン部分はベースとなるAeropexそのもので、スペックは向上していると言っても外観上の違いは全く無い。Aeropexと並べると判別不可能。

骨伝導ヘッドホン本体(Aeropexベース)

 外観上でのAeropexとの違いとしては、カラーにコズミックブラックしかないことぐらい。Aeropexと同じカラー展開を期待しているなら要注意。

  • カラー展開はコズミックブラックのみ

骨伝導ヘッドホン重量

 重量もAeropexと全く同様の26g。カタログスペックからの誤差無し。

TV接続用のトランスミッターも小型&軽量

 ある意味この製品の真・本体というか、心臓部となるトランスミッター。型番は「ABT01」。

 本体サイズは62mm×55mm×17mmと小型で、電源はMicroUSBケーブルから給電する仕様。

 重量も32gと、骨伝導ヘッドホン本体に負けず劣らずの超軽量。軽過ぎて中に何も詰まってないんじゃないかと心配するレベル。

 トランスミッター背面にはMicroUSB端子、光デジタル(S/PDIF)端子、そしてAUX端子と電源スイッチ。

Aeropexとは異なり、説明書類はかなりのボリューム

 TV用骨伝導ヘッドホンに付属の説明書や保証書類。内容はもちろん日本語表記。

 本製品は骨伝導ヘッドホンだけでなく、トランスミッターの接続方法のマニュアルも用意されているため、そのボリュームはAeropexの時よりも遙かに多くなっている。

 骨伝導ヘッドホンAS801の説明書。内容自体はAeropexのものとほぼ同様。詳細は後述するが、つまりこの骨伝導ヘッドホンはこのトランスミッターとセットでないと使用できないわけでなく、

 Aeropex同様、単体の骨伝導ヘッドホンとしても問題なく使用可能。

 Bluetooth対応機器であれば、携帯音楽プレーヤーでもスマホでも当然接続可能ということ。使い方ももちろんAeropexと全く同じ。

 トランスミッターの説明書。内容は主に骨伝導ヘッドホンとのペアリング設定方法や、TVなどの機器との接続方法。
 ちなみに付属の骨伝導ヘッドホンとは既にペアリング済みなので別途ペアリング設定を行う必要は無いが、別のBluetoothヘッドホンを追加してペアリング設定する場合、この手順が必要となる。

ケーブル類は全接続方式に対応する一式全て同梱済

 同梱ケーブルは充電用ケーブルの他に、TVなどの機器と接続するための各種ケーブルが同梱されている。

 同梱されているのは、

  • Micro USB充電用ケーブル
  • オプティカルオーディオ(光デジタル端子)ケーブル
  • Aux 3.5mm オーディオケーブル
  • Aux 3.5mm – RCA オーディオケーブル

 ケーブルは接続する機器に搭載されている端子に合わせて選択するようになっており、機器と接続する場合は、

  • 光デジタル出力端子(Optical OUT)搭載 ⇒ オプティカルオーディオ(光デジタル端子)ケーブル
  • ヘッドホン端子(Aux)⇒ Aux 3.5mm オーディオケーブル
  • RCA端子(Audio OUT用)⇒ Aux 3.5mm – RCA オーディオケーブル

 以上のいずれかと、Micro USB充電用ケーブルを組み合わせて使用する。どの端子が用意されているかは機器によるが、基本的にTVには相当昔(たとえブラウン管時代)のものでもヘッドホン端子はほぼ確実に搭載されているはず。
 音質的にはアナログ接続(Aux)よりもデジタル接続(Optical)の方が一般的には優れているが、光端子を備えているかどうかは機器によるし、聞き分けられるほどの違いを実感できることはほぼないため、迷ったら「TVのヘッドホン端子にAux 3.5mm オーディオケーブルを使って接続する」と覚えておけば問題ない。

  • 最も簡単でどんな型式のTVとでも接続可能なのはヘッドホン端子(Aux)接続

 RCA オーディオケーブルはAux 3.5mm オーディオケーブルと組み合わせて使用するが、RCA端子が出力用かどうかを確認する必要がある。

 ケーブルには名称が記されたタグが付属しているので、見た目で種類が判別できなくても問題ない。

 タグには大きく番号も振ってあり、説明書はこの番号を用いて接続説明が記載されているので、迷ったらこの番号を頼りに説明書を確認すれば迷わず接続できる。

 余談だがこれらの接続用ケーブルは家電量販店などで同等あるいはよりハイクオリティな高級品に至るまでいくらでも別途入手可能なので、無くしたり断線したりしてもすぐに代替可能。

実際にTV用骨伝導ワイヤレスヘッドホンとトランスミッターを接続・使用してみる

 それではいよいよ実機の使用レビューを。今回は自室のTV「東芝 REGZA 55ZG1」及び自室に導入しているホームシアターの中核を成すAVアンプ「パイオニア SC-LX56」に接続して、主な視聴対象であるアニメやゲームでの使用レビューを行っていこうかと。

機器との接続は「USB接続」「光デジタル端子接続」「オーディオ端子接続」の3種類

 トランスミッターとTVなどの機器との接続は、

  • USB接続
  • 光デジタル(Optical OUT)端子接続
  • ヘッドホン端子接続(Aux)
  • RCA端子接続(Audio OUT)

 上記のいずれかのうちからひとつのみを選択する(複数の端子に同時差しはNG)。

 今回は最も簡単かつ確実な、TVのヘッドホン端子との接続を試してみる。

 準備は非常に簡単。骨伝導ヘッドホンとトランスミッターは購入時には既にペアリング済みなので、トランスミッターに給電用のMicro USBケーブルと、TVと接続するためのAux 3.5mm オーディオケーブルを差す。

 REGZA 55ZG1にはUSB端子もあるが、これはUSB録画専用で接続してもトランスミッターへの給電がうまくされなかったため、別途所有していた携帯電話用のUSB充電アダプターを使用。
 USB充電アダプターは本製品には付属していないため、所有していない人は別途購入するか、それともUSB端子のある電源タップを別途用意する必要がある。

  • USBによる給電手段は要確認。場合によっては別途USB充電アダプターなどを用意する必要がある

 TVとのケーブル接続が終われば、トランスミッターの電源スイッチをONに。無事起動すればランプが各種LEDが点灯する(今回はヘッドホン端子接続のため、「AUX」が点灯)。

 その状態で骨伝導ヘッドホンを起動すれば、トランスミッターのBluetooth接続LEDランプが青色に点灯し、骨伝導ヘッドホンからも接続完了の音声案内がある。これで視聴準備は無事完了。

 機種によってはTV側の機能操作で音声出力を「外部スピーカー」や「ヘッドセット」(名称は機種による)に手動で切り替える必要がある場合があるので、もしトランスミッターと接続してうまく音声出力されない場合、TV側の機能も確認してみる。

  • うまく音声が出力されない場合は、TVなどの機器側の出力設定を確認すること

 幸いREGZA 55ZG1 はヘッドホン端子にケーブルを差し込めば自動的にヘッドホン出力に切り替わるタイプだったので、特にTV側での操作は不要だった。

 また骨伝導ヘッドホンで操作可能な音量はトランスミッターから出力される音量の調整のため、大元となるTV側の元々の音量が小さいとトランスミッター側の音量を最大にしても聞き取りにくいことがある。
 骨伝導ヘッドホン(=トランスミッター)側で調整可能な音量は15段階なので、TV側の音量はその範囲内でちょうど良くなるように事前に合わせておく。

 なおトランスミッターを取り外す際は、同様にTV側の音量も適正に戻しておくこと。さもないとトランスミッターを取り外した瞬間にえらいことになる(実際なった)。

TVからの音声出力は特に問題無し。音声には遅延も途切れもなく、環境音の聞き取りも上々

 それでは早速本製品での視聴を試してみる。視聴するのは一般的なTV番組に加え、主にアニメ関連(リアルタイム視聴ではなくスカパー!などでの録画視聴が主)。

 まずは良作「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」。音質の劣化や遅延など気になる点は全くなし。ベースとなっているAeropexの実力は既に知っていたので一切心配はしていなかったが、いつ聞いても何でAeropexのあの形状でこんなにクリアな音声が聞こえるのか不思議でならない……

 みんな大好き……かどうかは知らないけど、巷で人気なのは間違いない「Fate Grand Order-絶対魔獣戦線バビロニア-」。あれだけ低音・高音差が入り交じる激しい戦闘シーンであっても一切の遅延なく音声が届く。

 シーンごとの音声バランスや音量差が非常に激しいアニメでの視聴でも特に問題は感じられず、当然ながらニュースやドキュメンタリーなどの一般的なTV番組でも一切問題無し。
 唯一の懸念点として、無線LANなどの電波が入り交じる自宅という環境内では、トランスミッターとの接続遅延や遮断などが起き得るかもと考えていたが、そうした考えは杞憂に終わっている。

AVアンプと接続し、6.0chサラウンドでの視聴をトランスミッター経由で試してみる

 お次は少しばかり特殊な環境での使用を試してみる。

AVアンプ SC-LX56

 自室には6.0chのホームシアター環境を構築しているが、これをトランスミッター経由で視聴するとどうなるか、というもの。ちなみに接続はAVアンプ前面に端子があってアクセスが容易なヘッドホン端子接続で行う。

 使用しているAVアンプは「パイオニア SC-LX56」とこれまた少々古い機種だが、特に不満無く稼働している機能面でも中々優秀な、購入当時ではミドルグレードに位置していた名機。
 ちなみにこいつの前面端子群の中にはUSB端子が用意されているが、こいつはiphoneやipad、あるいはUSBメモリなどを接続するための読み取り専用の端子のため、

 このようにトランスミッターへの給電は問題なく可能だが、音声の出力には対応していない。そのためヘッドホン端子を利用することに。

 ただ、ここでもひとつ問題が発生。本製品に付属しているAuxケーブルは3.5mmプラグ(いわゆるミニプラグ)。対してAVアンプ側の端子は6.3mmの標準プラグ。つまりプラグ径が合わない。

 ……が、幸い変換プラグを所有していたので無事対応完了。少々古めで表面が劣化しているが問題無し(大学時代に購入したもの)。

 ケーブルを接続すると、AVアンプ側の表示が「PHONES SURR」に。AVアンプ視聴で試すのはサラウンドに対応したゲームなので、果たして普段は6本のスピーカーで視聴しているサラウンドが骨伝導ヘッドホンからどのように聞こえるのか……

バイオハザードRE:3

 まずはこれ。「バイオハザードRE:3」。かいつまんで結論から言うと

 何これ凄いめっちゃサラウンドとしてはっきり聞こえる

 ゲームのサラウンド出力の特徴は、キャラクターが向いている方向に合わせてリアルタイムで聞こえる音声方向が変わること。
 つまりキャラクターの前方の音声は前方のスピーカーから聞こえるが、キャラが右回りにその場で回転した場合、まず音声は前方のスピーカーからスムーズに左側スピーカー(つまり左耳)へと移動していき、キャラが後ろを向くと同時に後方スピーカーから音声が聞こえるようになる。

 この音声が前方⇒左側⇒後方となる流れが、一切の遅延を起こすことなく骨伝導ヘッドホンから音場が滑らかに回るように再現される。
 もちろんこのサラウンド処理を行っているのはあくまでもAVアンプ側だが、そうして処理されて出力された音声を一切遅延を起こすことなく見事に再現したのにはちょっと驚いた。

FFⅦリメイク

 先日オールクリア&トロフィーフルコンプで幸せになったファイナルファンタジーⅦリメイク。バイオRE:3以上に目まぐるしい戦闘シーンの超複雑なサラウンド音声も見事に遅延無く再現してくれた。

 敢えて臨場感の面から言えば、さすがに骨伝導ヘッドホンではトールボーイスピーカー×2本、ブックシェルフスピーカー×4本で再現する音響効果には及ばない。と言うかこのホームシアター構築には結構金かかっているのでそう簡単に及んでもらっちゃ困る(笑)

 しかしながら一般的には音質面では劣るとされ、また遅延が発生しやすいとされる無線接続の骨伝導ヘッドホンにおいて、普通のアニメはもちろん、サラウンド出力を前提とした映画やゲームですらもここまでのクオリティで再現してくれるとなれば、実用には十分耐えるどころか、あまり大きな音声を出せない深夜の時間帯においては主力と言っても良いレベル。

  • 通常音声出力はもちろん、サラウンド音声であっても問題無く性能を発揮する

PCとの接続は基本的にMicro USB充電用ケーブルのみでOK

 本製品は当然PCとの接続も可能。PCと接続すれば単に音声を聞くだけでなく、骨伝導ヘッドホンのマイク機能を活かしてSkypeなどでのネット通話も可能になるので、より多彩な利用方法が可能となる。

 PCの場合はMicro USB充電ケーブル一本でトランスミッターへの充電及び音声データのやり取りができるため、数ある機器の中で最も簡単な接続が容易に可能となる。

 今回は使用しているPCケース背部のUSB端子へのアクセスが面倒だったのでUSBハブ経由での接続を試みたが、トランスミッターへの給電及び音声データのやり取りとも上手くいった。
 しかし使用しているUSBハブの種類によっては給電やデータのやり取りが上手くいかないこともあるため、そうした場合はハブ経由ではなくPCケースのUSB端子に直接トランスミッターを接続して試してみるといい。

 PCで利用する場合、接続自体はMicro USBケーブル一本で済むため大変簡単だが、その後設定画面にてサウンド出力の設定画別途必要になる。
 設定は[Windowsの設定]⇒[システム]⇒[サウンド]と進み、出力デバイス(スピーカー)及び入力デバイス(マイク)に「ABT01 AfterShokz」を選択する。

 正しく設定できていれば、「マイクのテスト」で正しくマイクが機能しているかどうかを確認する。また骨伝導ヘッドホンから音声が聞こえるかどうかもチェック。

 Windows側で正しく設定できていれば、Skypeなどの通話ソフトでも使用可能。上記画像はSkypeの設定画面で、利用マイクがきちんと「ABT01 AfterShokz」となっているのが確認できる。

 またOSがWindows10の場合はaptXに標準で対応しているので、音楽や動画視聴、PCゲームにもその威力と利便性を発揮する。

単体の骨伝導ヘッドホンとして携帯音楽プレーヤーやスマホとも連携可能

 先にもちらっと触れたが、本製品の骨伝導ヘッドホンはAeropexベースのため、当然ながらトランスミッターと連携するだけでなく、単品の骨伝導ヘッドホンとして携帯音楽プレーヤーやスマホと連携して使用することも可能となっている。

骨伝導ヘッドホンと携帯音楽プレーヤー

 そして前述の通り、本製品の骨伝導ヘッドホン(AS801)は対応コーデックにaptXが追加されたAeropexのグレードアップ品でもあるため、骨伝導ヘッドホン単品としてもAeropexより上位グレードとなっている。

 何が言いたいかというと、

 携帯音楽プレーヤーとの連携が滅茶苦茶捗る。

 単にTVなどの機器としか接続できない(=トランスミッターとしか接続できない)用途限定の骨伝導ヘッドホンなら、正直あまり魅力は無かったかもしれない。
 しかしこのように骨伝導ヘッドホン単体でも様々なBluetooth機器とペアリングして普通に利用できるというなら、その汎用性は計り知れない。

 もちろんスマホと連携しての音楽視聴及びハンドフリー通話も可能。残念ながら周囲の雑音が激しい環境でのクリアな通話は少々難しいが、それでも実用には十分に足る性能を持っている。

  • 骨伝導ヘッドホン単品としても、Aeropexのグレードアップ版(aptX対応)として使用可能

 例えば通勤時や外出先では携帯音楽プレーヤーやスマホと接続して使用し、帰宅後は室内でTVなどの機器と接続して利用するという使い方が、余計なオプション品などを買い足さずともこれひとつで可能となる。

トランスミッターには別のBluetoothヘッドホンを新規登録/追加可能

 トランスミッターABT01は付属の骨伝導ヘッドホンAS801とペアリング済みだが、ここに別のBluetoothヘッドホンを追加で登録したり、または付属の骨伝導ヘッドホンが紛失・故障などした場合、新たな骨伝導ヘッドホンを新規登録し直すことが可能となっている。

 接続方法は非常に簡単。AfterShokzの骨伝導ヘッドホンでなくとも、Bluetoothペアリングが可能なヘッドホンならどのメーカーのものでも基本的には接続可能。

 もちろんAfterShokzの骨伝導ヘッドホンをふたつ同時接続も可能。

 ふたつのBluetoothヘッドホンをペアリングする最大のメリットは、ふたつのヘッドホンで音声を同時に視聴できること。

 通常ヘッドホンでの視聴は別途分配器などを用いない限り、TVなどの機器に接続しているそのひとつのヘッドホンでしか視聴できないが、トランスミッターにふたつのヘッドホンをペアリングしておけば、ふたつのヘッドホンでふたりまで同時視聴が可能になる。

 付属の骨伝導ヘッドホンAS801と、手持ちのAeropexのふたつを接続して視聴を試してみたが、分配した分音声が乱れたり音量が小さくなるなどの不具合は一切無く、ふたり同時の非常に快適な視聴が可能だと判断した。

  • ふたつのBluetoothヘッドホンをペアリングして、ふたりまで同時に視聴可能

 またAeropexはaptXには対応しておらず標準コーデックのSBCのみ対応だが、実際にバイオRE:3などの場面ごとの音場の動きが激しいソースを視聴して聴き比べてみても、遅延や音質劣化などはほとんど気にならなかった。

総評:Bluetooth機能のない機器とも接続可能な、高コスパな新型骨伝導ヘッドホン

 本製品「骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付き」は、TV用と捉えるより、「TVをはじめとするBluetooth非搭載の機器とも容易に接続可能なトランスミッターが付属した、aptXコーデック対応の新型骨伝導ヘッドホン」と捉えた方が実にしっくりとくる。

 本製品の特徴を改めてまとめてみると、

  • Bluetooth非搭載機器との接続用トランスミッター&ケーブル類付属
  • トランスミッターと付属の骨伝導ヘッドホンは出荷時に既にペアリング済みで、容易に接続可能
  • ふたつのBluetoothヘッドホンをペアリングして、ふたりまで同時に視聴可能
  • 骨伝導ヘッドホンはAeropexベースで、さらに低圧縮率・低遅延のaptXコーデックに対応
  • Bluetooth搭載機器となら、骨伝導ヘッドホン単品でペアリング・使用可能
  • 2年間長期保証付き

 上記のように非常に充実した内容となっている。もちろんAfterShokz製品お馴染みの2年間という長期保証も付いているので、アフターサービス面でも不満無し。

 ちなみに骨伝導ヘッドホンのベースとなったAeropexについてはこちらで詳しく紹介しているが、その特徴をまとめると以下のようになる。

  • PREMIMPITCH2.0+により、低音域の向上と振動の抑制を達成
  • 駆動時間最大8時間、待機時間最大10日のバッテリー性能
  • 30分の水没にも耐える、IP67の防塵・防水性能
  • 前機種TREKZ AIRとの比較で、30%の小型化と13%の軽量化、50%の音漏れ減少に成功

 これらに加えて、本製品付属の骨伝導ヘッドホンはさらに前述の通りaptXコーデックにも対応しているので、Aeropexのグレードアップ機種と言っても過言ではない。

骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付きをお薦めできる人

  • TVなどのBluetooth非搭載機器で、Bluetoothヘッドホンを使用したい人
  • 初めての骨伝導ヘッドホンの購入で、性能面だけでなくアフターケアも完備した製品を求めている人

 トランスミッター付属の本製品の特徴はTVなどの「Bluetooth非搭載機器でBluetoothヘッドホンを使用できる」点にあるが、用途は単にTVだけでなく、PCやAVアンプなど、ヘッドホン端子やUSB端子があるほぼ全ての機器と接続が容易に可能で、しかも骨伝導ヘッドホン自体もBluetooth搭載機器とならトランスミッターなしで単品で使用可能なため、室内でも外出先でも幅広く利用可能なのが最大のメリットとなる。

 それ故に初めて骨伝導ヘッドホンの購入を考えているならば、本製品はこれひとつで室内でも室外でも場所、機器を選ばずに様々な用途に活用できるので、「あれができない」「これがしたかった」などの購入後の不満は少なくなるはず。

骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付きをお薦めできない人

  • 既にAfterShokz製の骨伝導ヘッドホンを所有して、その性能に満足している人
  • TVなどのBluetooth非搭載機器との接続に魅力や必要性を感じない人

 本製品の特徴は「Bluetooth非搭載機器でBluetoothヘッドホンを使用できる」ことだが、それに魅力や必要性を感じない人には当然ながら価格的にもお薦めはしにくい。
 単にBluetooth接続の骨伝導ヘッドホンが欲しいだけなら、トランスミッターが付属していない分本製品よりも若干安価なAeropexの方が用途に合うかと思われる。

 Aeropexと比較した本製品付属の骨伝導ヘッドホンの魅力は「aptX対応」だが、音質が劇的に向上するわけではないし、低遅延と言っても常用範囲内でそれが気になる、または気付くことはほぼないはず。

 また既にAfterShokz製の骨伝導ヘッドホンを愛用している人でその性能に満足しているのなら、トランスミッターのためだけに本製品を購入するのはコスパが良いとは決して言えない。
 何故ならきちんと接続・動作可能かどうかはさておいて、同様の機能を有するトランスミッターなら単体で他メーカーより各種販売されているので、それらを単体購入した方が価格的には安価で済む。

 機能・性能に優れているだけに価格面では高価な部類に入る本製品なので、「aptXに対応しているから」「トランスミッターだけ欲しいから」と理由だけでは、どうしてもお薦めはしにくい。

 逆に初めてAfterShokz製骨伝導ヘッドホンの購入を考えている人ならば、「2020年4月現時点で最新性能の骨伝導ヘッドホン」と「Bluetooth非搭載機器と接続可能なトランスミッター」がセットになっている本製品は非常にコスパが良くお薦めできる。

趣味だけでなく、最近必要に迫られている在宅勤務などにも活用可能

 TV視聴にゲームプレイ、携帯音楽プレーヤーやスマホとの連携など便利に使える骨伝導ワイヤレスヘッドホン+トランスミッターセットだが、これらは最近のご時世事情から必要に迫られている在宅勤務にも有効に利用することができる。

 在宅勤務でも各部署とのやり取りは必要だが、ひとり暮らしならともかく家族のいる自宅ではどうしても雑音が多く、または会議内容がスピーカーから漏れて家族に聞こえてしまう懸念もある。

 骨伝導ヘッドホンなら自分の話している内容はともかく、スピーカーから会議内容がダダ漏れという事態は防げるし、また会議をしながら家庭内の音を拾うことも容易なため、特に子どもを気に掛ける必要がある人にとっては普通のヘッドホンよりも遙かに便利かつ安全に使用できる。

 本製品はPCとならMicro USB一本で接続することが可能だし、在宅勤務が終わっても様々な用途に利用できるためその後も決して無駄にならない。家族にも「在宅勤務のため」という理由で購入しやすいメリットも(笑)

自宅待機が非常に多いからと今だけを考えるのではなく、今後も活用できる製品の購入を

 本製品「骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付き」は室内・室外問わず様々な用途に利用できるため、仕事のため趣味のためと用途を限定せずとも、幅広い用途で末永く使っていける。
 総合的に見てコストパフォーマンスは高く、性能面でもAfterShokz製品では現時点で最高性能を持っているので性能・機能面でも不満は無し。

AfterShokz
Bluetooth5.0 IP67防水設計 連続再生時間:8時間 重量:26g
保証期間:2年間長期保証(※要代理店登録)
詳細情報:【Amazon】【AfterShokz

 現在手持ちの愛用製品があるのならそれを活用する方向で考えるのがベターな選択だが、これからのことを考えて骨伝導ヘッドホンの購入を考えているのなら、室内・室外、趣味・仕事と場所も用途も問わずに長く使い続けられる本製品は、是非一度選択肢に入れてみて欲しい。

 ちなみにこの「骨伝導ワイヤレスヘッドホン テレビ用トランスミッター付き」はAmazon及びヤマダ電機、あるいはAfterShokz公式サイト直販専売モデルとして、価格23,880円(税別)として販売中。メジャーどころは押さえてあるとはいえ入手経路が若干限られてしまっているのは少しデメリットかな……

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