Radius90HD のカタログスペックの確認及び試聴して図るその実力

Radius90HD の簡単なスペックは以下の通り。

　ここから現在リアスピーカー候補として挙がっている SilverRX1 と比較した場合、見えてくるメリットとデメリットは以下の通りとなる。

【メリット】
• Silver シリーズに比較的近い音色のため、SilverRX8 との組み合わせでも違和感が少ない
• 小型かつ軽量で、置き場所を選ばない
• 壁掛け／天吊り金具が標準付属（軽量のため壁掛け・天吊りも当然 OK）
• SilverRX1 に比べて安価（実売 45.000 円～48,000 円程度）
• SilverRX8 と同色（ウォールナット）を選択可能

【デメリット】
• 音圧（能率）、インピーダンスがフロントの SilverRX8 とは大きく異なる
• 音色が近いとはいえ、やはり同じ Silver シリーズの RX1 よりは劣る

　それぞれ箇条書きで挙げてみると、明らかにメリットの方が大きく、しかも能率やインピーダンスの差は AV アンプ側で十分吸収・調整可能なレベルのため特に大きな問題ではない（元々それがマルチチャンネル対応の AV アンプの役割でもあるし）

　ならば残る唯一のデメリットである、近いとはいえやはり Silver シリーズではないため、同じ Silver シリーズである RX1 と比較した場合音の繋がりや音色の面で劣るのかという点。
　これについては実際に試聴するのが最も効率的なので、早速 SilverRX8 を購入した大阪のヤマダ電機へ。運良く Radius90HD も試聴可能状態で展示してあったので、聞き比べてみることに。

SilverRX8 VS Radius90HD 試聴比較対決

　SilverRX1 と Radius90HD をそれぞれ試聴・聞き比べてみた結果、

• 音質的には確かに近く、サラウンド用途ならば特に問題は感じないレベル
• 音の解像度（聞こえやすさ）や量感といった面は、サイズ差から SilverRX1 に軍配
• 低音もやはり大型の SilverRX1 の方が強い。が、Radius90HD でも特に不満は感じず
• RX1 → 90HD と切り替えたら能率の違いから音量差が大きく、AV アンプの設定が面倒？

　概ね上記のような感想を持つに至った。実際にサラウンド用途として運用した場合、音の質感や量感、繋がりを重視するならやはりフロントと同じ Silver シリーズの RX1 だろうか……というのが印象。
　決して Radius90HD も悪くはなくむしろ十分満足の行くレベルだったのだが、それゆえにあと 2 万円差で手が届く価格設定の RX1 が逆に惜しく感じるという羽目に……

　ちなみについでだったので SilverRX2 の方も同様に試聴してきたが、もうこれは色々別格という感じ。音のきめ細かさが素人耳にさえはっきりと違うと分かるレベルだった。
　よって SilverRX8 に合致するスピーカーを本気で選択するなら間違いなく RX2 なんだろうけど、正直価格はどうとでもなれ、置き場所だけはどうにもならないので除外せざるを得ないのが口惜しい……

　リアスピーカーに悩む元々の要因のひとつが設置場所から来る大きさ・重量の制約だったため、その観点からいくと Radius90HD はまさにベストではなくともベターな選択肢のはずだが、すぐには結論を出さずにもう少し考えてみたいところ。

　Radius90HD がこのサイズではかなり良質のスピーカーだったため、正直サラウンド云々は置いておくとしても欲しくなってしまった困った自分がいる(笑)
　……こうなればいっそのこと SilverRX1 と Radius90HD を同時購入して 7.0ch 化という暴挙を犯すか、別途 USB DAC も購入して PC 用スピーカーとして利用してやろうかなどともふと頭をよぎる。本気で困った(笑)