新たなるデスクライトとして山田照明の Z-LIGHT に注目してみる
先日新しいシャープペンを購入して浮かれて写真撮影なぞをしていたら、うっかりアームライトに強い荷重をかけてしまい、根本のクランプ部分をボキッとやってしまった……
こちらがその証拠(?)写真。厚みがあるとはいえ所詮プラ製だし、購入して10年以上使い込んでることもあって、経年劣化と思えば仕方が無いとも言える……
ちなみにこれはオーム電機のスイングアームライト AL106BL。近くのジョーシンでお値段たったの 1,000円で購入した格安品にも関わらず、照明としての性能には一切問題無いコスパ抜群の良品だった。
ただやはり安価な品のためか造り自体はそれなりで、もし今回も破損したのがクランプの付け根部分だけなら、自分で直すなり代替品を探すなりしたのだろうが、
随分と前にシェードの付け根部分もわずかに締め付けを調節する部分が破損しており、シェードの微妙な位置調節ができないまま騙し騙し使用していたので、これを機に新品を購入することに。
新デスクライトとして狙うのは山田照明の「Z-LIGHT」シリーズ
さて、新デスクライトを購入するにあたり、まずはメーカーごとのライトの種類などを調べてから……というのが常套だが、実はデスクライトについては前々から欲しいと狙っていたものがあった。
それが、山田照明の Z-LIGHT シリーズ である。
1954年に工業用作業灯として発売された「山田式Z型作業スタンド」を起源として半世紀以上の歴史を誇る、照明器具のトップブランドの一角にしてアーム式ライトの代名詞とも言える山田照明の「Z-LIGHT」。
その性能、品質は極めて高く、家庭用としてはもちろんプロ御用達としても、デスクライトの定番として非常に高い人気を誇っている。
照明機器売り場のデスクライトコーナーをちょくちょく覗き、その度に色々いじくって展示台ごと転倒させて店員さんにいらん面倒をかけたこともままある(実話)ほどに憧れだった山田照明の Z-LIGHT。
もちろん高品質で人気があり、しかもコスパも良いデスクライトは他にも多数あるのは知りつつも、今回は新デスクライト購入候補として山田照明の Z-LIGHT シリーズのみに焦点を絞っていこうかと。
新デスクライトに求める条件
高性能・高品質で名高い山田照明の Z-LIGHT と言えども、その種類は多種多様。そのほとんどのものについては求める性能基準はクリアしているが、一応自分が新たなデスクライトに求める条件を明確にし、万が一の選定ミスがないようにしておく。
設置タイプはクランプ式、光源は蛍光灯ではなく LED であること
新デスクライトに求める基本中の基本条件が「クランプ式」「LED」であること。
土台となる設置パーツにクランプ式を選ぶ理由は、単に机上スペースの問題から。PC をデュアルディスプレイスで運用している関係上、一般的なスタンド式だとどうしても設置スペースが取れないので。
しかし Z-LIGHT の場合、上図のように専用スタンドを購入すればクランプ式からスタンド式にしたり、また壁面取付用クランプなども用意されているなど、別途コストはかかるものの豊富な設置バリエーションを選択することが可能なので、設置タイプに関しては特に悩まず選ぶことができる。
光源に LED を選ぶのは、もうこれが最近の主流である以上の理由はない。流通規模、売れ筋、省エネ性のどれを取っても今更蛍光灯を選択する理由はないわけではないが、やはり LED と比較するとわざわざ選択する必要性に乏しいので。
ちなみにこれまで使用していたアームライトは元々白熱灯だったが、後に電球型蛍光灯が発売されたためそちらと交換して使用していた。
照度は「JIS 規格照度 AA クラス」を満たすこと
JIS 規格照度基準とは、JIS(日本工業規格)で定められる照度水準で、AA クラスはその最高水準。ちなみにこの JIS 規格照度はあくまでも「蛍光灯卓上スタンド」の規定であり LED に関する規定ではないため、LED タイプのデスクライトを選ぶ場合は「JIS 規格照度 AA クラス相当」という表現になる。
「JIS 規格照度 AA クラス」は「光源 30cm で 500 ルクス、50cm で 250 ルクス」を満たすことを示しており、LED タイプのデスクライトでこの性能水準を満たすものはかなり限られてくるが、その点山田照明の Z-LIGHT シリーズはその多くがこの性能を満たしているので、特に困ることはない。
多重影対策は必須
LED 照明は光源に複数のユニットを使用して照明範囲を確保する関係上、どうしても影が多重化する現象が発生するという欠点を抱えていた。
多重影が発生する LED ライトではどうしても作業性が悪くなるばかりか、使用頻度などによっては視力にも悪影響を及ぼしかねないので、光源に LED を選択する場合、多重影に対する対策がされているものを選択するのは必須条件となる。
しかし最近の LED 照明はユニットの配置や光の反射方法などを見直して対策することで、多重影問題を軽減あるいは解消したものも多数発売されている。もちろん Z-LIGHT シリーズもその多くが対策済みとなっている。
調光・調色機能の必要性
調光機能は文字通り「光の強さを調節する機能」のことで、調光機能があるデスクライトなら使用環境に応じて、眩し過ぎない明るさにその都度調節できる。
蛍光灯では1灯点灯・2灯点灯というように物理的な点灯数による段階式調節が主だったが、LED では無段階調光のものも多く、多くの LED ライトで採用されてる機能。
調光できる範囲については機種により様々で、100% から最低数 % まで調光できるものもあれば、30% 程度までしか光量を落とせないものもある。
調色機能とは「色温度を調節する機能」のこと。
色温度を変化させることで、例えば室内のシーリングライトなどの別光源と同じ色合いに揃えて違和感をなくす、または読書や勉強時は文字の見やすい昼白色にというように、環境やシチュエーションに応じた使い分けも可能となる。
調色機能は蛍光灯には存在しない、LED 特有の機能となり、LED の利点のひとつでもある。しかし調色機能は調光機能とは異なり、Z-LIGHT でも中級~高級モデルにしか採用されていない機能となる。
調色機能については「あれば便利」程度だが、眩し過ぎるデスクライトは使用に難があるため、調光機能は必須となる。
演色値の高いデスクライトは必要か否か
光源が物体を照らした時、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のことを「演色性」といい、演色値とはとはその客観的判断基準として数値化されたもの。
演色値は平均演色評価数(Ra)で表され、完全放射体の光または CIE 昼光を基準光(Ra100)として、Ra100 に近い程「自然光に近い」とされる。
演色性(えんしょくせい)とは、ランプなど発光する道具・装置が、ある物体を照らしたときに、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のこと。
一般的に自然光を基準として、近いものほど「良い」「優れる」、かけ離れたものほど「悪い」「劣る」と判断されるが、演色性に正確性を要求されるような専門的分野においては、数値化された客観的判断基準が設定されていることが多く、演色評価数(えんしょくひょうかすう、英:Color Rendering Index、略称:CRI)がこれにあたる。
引用 – 演色性 – Wikipedia
簡単に言うと演色値 Ra100 を自然光(太陽光)として、この値が高いほど太陽光に近い光源とされ、物体の色は太陽の下で見た色に近く見えるということ。
写真家やグラフィックデザイナーなど、色彩に正確性を求められる職業に就くプロフェッショナル向けの機能とされるが、太陽光に近い=目に優しいとも捉えることができるため、視力に配慮するという観点ではプロでなくとも選択する意味は大きいと言える。
ただ、当然ながら演色性が高い光源を採用したライトの価格は、一般的なライトよりも比較的高価となることが多く、その種類も少ない。Z-LIGHT シリーズでも高演色性を謳う製品は Z-80PROⅡ のみとなる。
アームの長さ、可動領域に十分な余裕があること
最後はアームの長さと可動範囲が十分にあること。これが割と今回の選択条件の中では最重要と言える項目。
これまで使用していたアームライトはそこそこの良品だったが、何分購入したのが現在のデュアルディスプレイ環境にする前だったため、どうしてもアームの長さと可動領域の問題からディスプレイと干渉したり、あるいはその半球形のデカいシェードが後方のディスプレイアームの軸ポールとぶつかったりと、一応使用には問題ないものの何かと精神衛生状よろしくないことが多かった。
よって新デスクライトは、購入前にまずしっかりと製品及び設置場所の寸法を計測し、その上で十分な可動ができると判断されるものを選ぶようにする。
幸いこの点でも Z-LIGHT シリーズの多くが寸法的に十分な余裕があり、しかも広い可動領域や動きのスムーズさ、どれだけアームを動かしても平行移動するシェード、しかも止めたい場所でピタッと停止するその極めて高い精度は見事と言うより他はない。
Z 型アームから始まり、その名を冠して「Z-LIGHT」と名称を改め現在に至るだけはあり、アームの品質と性能については一切の心配がないのが嬉しいところ。
数ある Z-LIGHT シリーズから、ベストバイとなる購入候補を絞り込む
上記で挙げた条件を元に、自分の求めるデスクライトに最も近いと思われるものを Z-LIGHT シリーズから絞り込んでいく。
……と思ったらさすがはトップブランド、実のところ上記条件を満たすものの方が Z-LIGHT シリーズには多く、逆に条件に満たないものを探す方が面倒ということに。
目に入るものほぼ全てが条件を満たすというなら、後はデザインや価格で選ぶぐらいしか選択の方法がない……山田照明、恐るべし(笑)
Z-LIGHT シリーズ定番中の定番「Z-10N」
まずは数ある Z-LIGHT シリーズの中でも最も人気が高い、ベストセラー製品「Z-10N」。
- 光源:LED 11.9W(白熱灯 150W 相当)
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:2,430Lx(測定高 40cm)
- 色温度:固定型/5000K 昼白色
- 平均演色評価数:Ra80
- 定格光束:1055lm
- 消費電力:11.9W
- 固有エネルギー消費効率:88.7lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.4kg
- 無段階調光:5% ~ 100%
- 付属クランプ:Z-A17(本体同色仕様)
旧「Z-10」をリファインして光量を大幅にアップしたタイプがこの Z-10N となり、細身のアームに薄型でシンプルなシェードが合わさったフォルムはどのような環境にも違和感なく溶け込み、カラーバリエーションもホワイト、ブラック、シルバーの 3 色から選択可能。
とてもスタイリッシュな外観なので、家庭での個人用途にはもちろん、オフィスでの使用にも十分耐えるデザイン性だけでもかなり魅力的だが、旧 Ver からリファインされ性能的も飛躍的に向上しており、
LED 照度は JIS 規格照度 AA クラス相当の Z-LIGHT シリーズ内でも極めて高く、測定光 40cm での直下照度が 2,430Lx と白熱灯 150W 相当と十分な光量を持つ。
ただ明るいだけでなく、無段階調光機能で 最大光量 100% から最低光量 5% までコントロールすることができるため、使用環境に応じた光量に微調整できるのも大きなポイント。
一方で調色機能は備えていないが、色温度は一般的な天井照明にも採用される昼白色の 5000K 固定のため、普通の用途で困ることはないはず。
これだけの性能を有しながら実売価格 1 万円未満と非常に優れたコストパフォーマンスが魅力で、Z-LIGHT シリーズに興味があるならまず最初に考えて間違いは無い選択候補と言える。
実際店頭で触れた感じ、薄型のスリムな形状ではあるが決してヤワではなく、アルミ製のアームは十分な剛性と Z-LIGHT の名に恥じぬ精度を兼ね備えており、何よりその光量はそうでなくても眩しい照明器具売り場の中で使用してもひときわ明るいと感じる程の光量があり、家庭で使用するなら調光機能で減光するのが基本となるほどだった。
色温度を 4000K に固定した白色光のスタンダード・モデル「Z-11N」
Z-LIGHT の定番 Z-10N の色温度 5000K(昼白色)をオフィス用天井照明でよく用いられる3800K ~ 4500K の白色光に合わせたバリエーションモデルがこの Z-11N となる。
- 光源:LED 11.9W(白熱灯 150W 相当)
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:2,187Lx(測定高 40cm)
- 色温度:固定型/4000K 白色
- 平均演色評価数:Ra80
- 定格光束:974lm
- 消費電力:11.9W
- 固有エネルギー消費効率:81.8lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.4kg
- 無段階調光:5% ~ 100%
- 付属クランプ:Z-A17(本体同色仕様)
Z-10N との違いは色温度が 4000K(白色)固定であること、中心直下照度がわずかに低いこと(2,187Lx)、そしてカラーバリエーションがシルバーのみであること程度。
性能上の違いは色温度と照度のみだが、照度に関しては多少低いとは言え JIS 規格照度 AA クラス相当(白熱灯 150W 相当)と 光量 100% での使用は眩し過ぎるぐらいの十分な明るさを持つので、問題になることは特にないと思われる。
色温度についてはオフィス用天井照明基準に合わせているため、家庭用天井照明の一般的な色温度と若干の差があることが気になる点。
特に気にしなければ問題にならないが、色温度が問題にならないのなら、わざわざ「オフィス用」を謳う Z-11N ではなく普通に Z-10N を選択すれば良いかと……
調光・調色機能を兼ね備えた高機能モデル「Z-80N」
Z-10N にはない調色機能を備えた上位モデルが Z-80 のリファイン Ver となる「Z-80N」。Z-LIGHT シリーズでは Z-10N に次いで売れ筋の人気製品となる。
- 光源:LED 10.0W(白熱灯 100W 相当)
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:1,880Lx(測定高 40cm)
- 色温度:連動型/2700K 電球色~ 4200K 白色
- 平均演色評価数:Ra80
- 定格光束:814lm
- 消費電力:10W
- 固有エネルギー消費効率:81.4lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.6kg
- 無段階調光:25% ~ 100%(色温度連動型)
- 付属クランプ:Z-A17(本体同色仕様)
Z-80N 最大の魅力は Z-10N にはない2700K(電球色)から4200K(白色)まで無段階で調整可能な調色機能で、これは調光機能と連動して行われる。個人的には調光機能と調色機能は連動ではなく個別に調整できる方が良いと思うがどうなんだろうか……
JIS 規格照度:AA クラス相当ながら白熱灯 100W 相当、中心直下照度は 1,880Lx と光量としては下位モデルの Z-10N に劣っているように感じるが、実際に使用してみると一般的な家庭での用途には問題の無い十分な明るさが確保されている。と言うか Z-10N の照度が極端に高過ぎるだけのような気もする(笑)
しかしながら調光機能に関しては、調節範囲が最大 100% から最低 25% までと、この点では最低 5% まで光量を調節可能な Z-10N の方が優れている。
ただ実際の使用で光量を 5% まで絞るような用途があるかどうかは人にも依るがあまり思いつかないので、これが性能の優劣を分けるかどうかは微妙なところではある。
アームに関しても当然 Z-LIGHT 独自のアームシステムなので精度・品質共に問題無し……と言いたいところだが、実は実店舗で試用した Z-80N は、ネジの締め込み調整がかなり適当だったのか、可動部がどこもかしこもかなりユルユルで、Z-LIGHT の名の由来ともなった高精度のアームの具合を確かめることが一切できなかった。
ちなみに前述した店舗での棚店頭事故はこのユルユルアーム試用時に起きた出来事で、アーム精度に疑問を抱いて色々いじくっていたら棚へのクランプ止め部分もガタついていて、Z-80N が外れて倒れた拍子にその棚も一緒に倒れてしまい、テンポ及び店員さんにえらい迷惑をかけてしまった……
多分このアーム精度の低さは店頭展示品がきちんとメンテされていなかったことが原因だろうから、実際の Z-80N だと別店舗で確かめた Z-10N のように感動的な精度だと思われる。いや、展示品を棚ごとぶっ倒した言い訳でなく(笑)
シェードは Z-10N のスタイリッシュなスリムデザインとはまた趣が異なる、可動しやすいようにハンドルが付いたアルミ製で質感の高い厚みがあるデザインとなっている。
Z-10N の洗練されたデザインも良かったが、個人的には Z-80N ぐらいしっかりしたデザインの方が、安定感があって持ちやすく安心して触れることができるように感じた。
Z-80N の実売価格は大体 18,000 円前後と Z-10N の約 2 倍程度。主な機能的違いは中心直下照度と調光機能の有無の 2 点だが、どちらも実用上十分な光量は確保されているので、調光機能か必要かどうかが選択の分かれ目となる。
また Z-80N にはバリエーションとして人感センサー搭載の「Z-81N」という製品がある。
こちらに関しては退席後約5分で自動的に消灯するという人感センサーの有無以外、基本性能は Z-80N と全く同様なので、人感センサーが必要かどうかで選べば良いかと。
個人的には人感センサーの必要性を感じないため、今回の購入候補からは除外。デスクライトの電源のオンオフぐらい忘れずしっかりやりなさいな……
平均演色評価数 Ra97 という高演色性を備えた最上位モデル「Z-80PROⅡ」
山田照明の Z-LIGHT シリーズで唯一高演色性を謳うモデルとなる「Z-80PROⅡ」。型番上では Z-80N 及び Z-81N の上位となり、機能面では Z-LIGHT シリーズ最上位に位置するモデルとなる。
- 光源:LED 12W(白熱灯 100W 相当)
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:1,906Lx(測定高 40cm)
- 色温度:固定型/5000K 昼白色
- 平均演色評価数:Ra97
- 定格光束:815lm
- 消費電力:12W
- 固有エネルギー消費効率:68lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.6kg
- 無段階調光:10% ~ 100%
- 付属クランプ:Z-A17(本体同色仕様)
Z-80PROⅡ最大の特徴は Ra97 という高演色性能。一般的な「平均演色評価」だけでなく「特殊演色評価」にも優れており、従来の LED では難しいとされた「R9(赤)」も正確に発色するという。
下位モデルの Z-10N や Z-80N の演色値は Ra80 のため、いかに Z-80PROⅡの演色値が優れているかが分かる(ちなみに一般的な蛍光灯の演色値は Ra60 ~ Ra70 前後)。
Z-80PROⅡの照明下での作業では正確に色合わせがしやすく、また目にも優しいという大きなメリットがあるため、写真家やグラフィックデザイナーなどのプロの使用に耐える性能と、長時間でも目に負担をかけにくいという万人に対する利便性を備え持つ、最上位モデルに相応しい性能を有している。
シェードのデザイン、アームの使い勝手、その他の基本的な仕様については下位モデルの Z-80N に準ずるが、中心直下照度は Z-80N より高い 1,906Lx となり、調光機能は最低 10% まで減光可能(Z-80N は 最低 25%)などわずかに異なる部分もあるが、実用としては誤差範囲かと。
下位モデルとの一番の違いはやはり調色機能の有無で、Z-80PROⅡは高演色性の再現という特性上最適な色温度に固定されているため調色機能を持たないが、ここら辺は機能的にトレードオフの関係なので仕方が無い部分かと。
……ちなみにモデルとしては Z-80PROⅡが最上位だが、2018 年 5 月時点ではなぜか価格は Z-80PROⅡの方が若干お安くなっている というよく分からない現象が起きている。
実売価格は Z-80N が 18,000 円前後に対し Z-80PROⅡが 17,000 円前後と、約 1,000 円差ではあるが、最低売価での比較では確かに最上位モデルの Z-80PROⅡの方が安価となっている。
元々 Z-80PROⅡ(定価 28,000 円)はリファインに合わせて前モデル Z-80PRO(定価 38,000 円) よりも値下げされているので、その影響もあるのか猛烈な価格破壊状態となっている。
そのためこれまでは最上位モデルに見合った高価格もあってかプロ御用達のイメージが強く候補に挙がり辛かった高演色モデルだが、下位モデルとほぼ同価格帯になったおかげでこれからは調色機能か高演色性か、単にどちらの機能を必要とするかで Z-80N か Z-80PROⅡいずれかの選択ができるようになったのは大きいかと。
広範囲を照らし出す大型・大光量のタスクライト「Z-208LED」
大型の蛍光灯 Z-LIGHT の定番「Z-208」の LED Ver。デスク上を広範囲に照らす幅広の 600mm シェードと 579mm + 584mm のロングアーム、そして中心直下照度 3,242Lx という大光量を誇るハイスペックライト。
- 光源:LED 19.0W
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:3,242Lx(測定高 40cm)
- 色温度:固定型/5000K 昼白色
- 平均演色評価数:Ra80
- 定格光束:1,924lm
- 消費電力:19W
- 固有エネルギー消費効率:101.3lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.6kg
- ロータリースイッチによる7段階調光:300Lx ~ 3,242lx
- 専用クランプ
幅 600mm のシェードサイズと579mm + 584mm のロングアームで机上の隅から隅まで可動でき、中心直下照度 3,242Lx という大光量がどんな精密作業でもカバーする、一般家庭での用途では少しばかりオーバースペック気味な性能を持つ大型 LED ライト。
Z-LIGHT シリーズの中ではダントツの光量なので、光量を第一に考えるなら選択肢に真っ先に挙がる。しかしながら光量に比例して消費電力も高めなので、省エネ思考とは反比例するのは止むなし。
Z-208LED に近いコンセプトの作業用大型 LED ライトに「Z-S5000」というものもある。
こちらは Z-208LED ほぼ同じシェードサイズだが、アーム長は標準的で中心直下照度も 2,090Lx と抑えられている(それでも Z-10N に次ぐ照度)。
ただ全体的に Z-208LED をスペックダウンした感じにも関わらず、お値段は Z-S5000 の方が高いというのはちょっと選択肢には入れ辛いかと……
レトロデザインと最新の JIS 規格照度 AA 水準を兼ね備えた「Z-108LED」
最後の購入候補は「アームライトと言えばコレ」と言わんばかりの定番デザインの「Z-108LED」。山田照明 Z-LIGHT シリーズ初期モデルの特性を継承した、Z-108 のLED タイプとのこと。
- 光源:E26 LED電球(昼白色)7.3W × 1(白熱灯 60W 相当)
- JIS 規格照度:AA クラス相当
- 中心直下照度:1,853Lx(測定高 40cm)
- 定格光束:706lm
- 消費電力:7.3W
- 固有エネルギー消費効率:96.7lm/W
- LEDモジュール寿命:40000 時間
- 重量:1.4kg
- 付属クランプ:Z-A9(黒色)
光源は LED 電球で、付属のもの以外に別売りのものも使用できるため、自分の好みのメーカー、ワット数、色温度の LED 電球に交換可能なのが最大の利点。
対してこうした特徴から調光・調色機能は当然搭載されておらず、その昔ながらの外観同様シンプルな機能のみを有した、本当に「単機能のライト」となる。
しかしその分価格は実に安価になっており、実売 6,000 円前後で入手可能。それでも他社の同型アームライトと比較すると 3 倍近い価格だが……
見た目はレトロでも中心直下照度:1,853Lx と Z-80N とほぼ変わらない、JIS 規格照度 AA クラス相当の十分な光量を持つため、もし余計な機能は一切必要ない、単に LED のデスクライトが欲しいというなら、十分選択肢入れることができる。
正直性能・機能的にはこれまで使用していたアームライトで十分事足りていたため、余計な欲さえ持たなければ Z-108LED で十分に要件は満たすわけだが……ぬぅ……
必要とする性能と機能、そしてコストから見たベストバイは「Z-80N」
今回は何としてもゴールデンウィーク前に新デスクライトが必要だったため、非常に珍しく即断即決(笑)
購入候補の各スペック、そして予算から色々と比較検討した結果、最後の最後まで購入候補として残ったのは、
上記の 2 点。そして自分にとって必要な機能、そして試したいと思える機能を考えに考えて絞り込んだ結果、最終的に選択肢として残ったのが「Z-80N」だった。
最後まで悩んだのが「調色機能」と「高演色性」のどちらが必要かという点だったが、よくよく考えた結果今回は LED の調色機能なるものを試して見たいと感じ、結果 Z-80N を選択した。
もし店頭で Z-80PROⅡの高演色性がどの程度のものなのかを実際に確認できる機会があり、その結果が好ましいものであったなら、多分 Z-80PROⅡを選んでいたかもしれない。それぐらいの僅差だった。
もし Z-80PROⅡの価格が旧モデル同様定価 38,000 円のままで Z-80N との価格差が大きければ、ここまで悩むことなく Z-80N を選択していたかもしれないが、ほぼ同価格というのがまた悩む要因になったわけで……
何はともあれ無事購入するべき新デスクライトも決定したことだし、早速 Amazon でポチっとな。
試用の際店舗では迷惑をかけ、実売価格はほぼ同程度というならその店舗で購入するのが筋だったかもしれないが、先日 K840 MECHANICAL を購入した時の Amazon ギフト券の残りがまだあるので(笑)