即断即決購入!山田照明 Z-LIGHT Z-80N 徹底レビュー
長年愛用していたオーム電機のアームライトを不慮の事故で壊してしまい、どうしてもゴールデンウィーク前に必要という事態から選定から購入までにかけた時間が約1日という、自分にとっては異例の即断即決購入となった「Z-80N」。
……とは言うものの、山田照明の Z-LIGHT シリーズは以前から非常に物欲を駆り立てられていた注目の照明ブランドであり、今回の一件の随分と前から色々と情報収集や実店舗への下見などをちょくちょくとしていたため、いざ購入する必要が出たとなるとその決断は早かったというわけで……
選定前から候補を山田照明の Z-LIGHT シリーズのみに絞り、Z-LIGHT シリーズ内での比較検討の末に見事最終候補となって購入に至った Z-LIGHT シリーズの名作 Z-80N 。
今回は待望の山田照明の Z-LIGHT 購入ということで、開封から設置、実際に調光・調色機能を使用した感想までを徹底的にレビューしていこうかと。
Z-80N 開封&机上への設置作業
まずは恒例・Z-80N 開封の儀
まず最初はいつも通り開封の儀よりスタート。
今回購入したのは皆大好き Amazon だが、価格としては別に Amazon が最安値だったわけでなく、単に余っていた期限切れ間近の Amazon ギフト券の消費のため。
Amazon 販売・発送にしては珍しく、いつもの無駄にデカい Amazon 段ボールでの梱包ではなく、Z-LIGHT の外箱に Amazon のバーコードシールを貼り付けているだけだった。
Z-LIGHT の外箱には持ち運びを想定した持ち手付き。
開封。さすがは LED、このテのライトで一番面積を取るはずのシェード部が一番薄くなっているので、とにかく外箱も内容物もスリムかつ軽量に収まっている。
内容物を確認。Z-80N 本体と設置用クランプ、そして AC 電源と取扱説明書。内容物に不足がないのを確認したら、次は各箇所に破損などがないかを確認していく。
ちなみに今回購入したのはブラック。カラーバリエーションにホワイトもあるが、これまで使用してきたアームライトがブラックだったので、今回も同色を選択した。
Z-80N 本体及び各パーツ確認
Z-80N はクランプと電源以外全て一体となっているので確認箇所は少ないが、可動部分に破損などの不具合がないかどうかはしっかりと確認する。
まずは根本部分となる、クランプへの差込部分。電源ケーブルはビニールで覆われて保護されている。この点これまで使用していたアームライトはそうした配慮はなく、ここら辺に価格による明確な差や製品への考え方が現れているように感じる。
間接部。何と言うか とにかくカッコイイ。
旧来の無骨さと最先端の機能性が融合した、「Z-LIGHT」の名称の元ともなった独自の Z 型アーム構造。1954年発売の「山田式 Z 型作業スタンド」より時代ごとに洗練しつつも連綿と継承するそのデザインは、こうしたマテリアル&メカニカルな構造が好きな人間には堪らない外観となっている。
こちらも電源ケーブルはビニール被膜で保護されており、細かな気遣いもしっかり行き届いている。
根本部分のアームには最初からスプリングが装着済み。またスプリングで傷が付かないようにアームはビニールで保護されている。
シェード側のアーム先端部はスプリング後付けとなっており、
アームに巻かれたビニール内にスプリングがふたつ内包されている。先端部だけスプリング後付けの理由は、恐らく梱包の際アームを折り畳むことでスプリングが伸びてしまうので、その劣化防止のためと思われる。
アームとシェードの接続部。この部分も Z-LIGHT 独自の構造となっており、とにかく自由自在に動いて望む位置にピタリと止まる、非常に高精度な造りになっている。
ちなみにシェード接続部の電源ケーブルはなぜかビニール被膜で保護されておらず、考えられる理由としては LED ユニットに近く熱が溜まりやすいため、少しでも放熱を妨げぬためかと思われる。あるいは単にここならケーブルは損の可能性が小さいと判断したからか(笑)
Z-80N シェード部。LED 式のため、とにかく薄くスマートな外観になっている。シェード部は放熱性が高いアルミ製で、サイズは 450mm × 85mm × 15mm。
持ち手付きのためアーム全体を片手で簡単に自由自在に動かすことができ、これが Z-10N ではなく Z-80N を選択した理由でもある。
光源となる LED 部分。光を拡散するための拡散カバーで覆われており、LED 部分の幅は約 282mm と、シェード全体の幅に比べてそれほど大きくはない。
最初はこの光源部分の幅が狭く感じ、これでは十分な光量と照射範囲が得られないのでは?とも疑問を抱いていたが、実際に使用してみてそれは杞憂に終わることとなった。
電源スイッチはシェード裏側、LED 部分の横にある。Z-10N の電源スイッチはシェード表側にあり、どちらが使いやすいかは好みによって分かれるところ。少なくとも個人的には Z-80N のスイッチ位置で使いにくいとは感じなかった。
拡散カバー内部に並ぶ、光源となる複数の LED ユニット。蛍光色のユニットと白熱色のユニットが交互に並び、これで調光及び色温度の調節を行っている。
……が、よく見るとカバー内に何か汚れかゴミのようなものがないか……?
これについてはまた後述。
机上に取り付けるためのクランプ「Z-A17」のブラックカラー。Z-80N 本体と同色のクランプが同梱。
通常のクランプは下側から締め上げていく構造だったが、Z-A17 は上締式のため位置決めから実際の締め込みまでの作業が非常に楽な、大変素晴らしい構造のクランプ。もうこのクランプだけで 100 点満点でもいいぐらい。
上図のように本体差し込み部分の径さえ合えば他社製アームライトにも使用できるため、従来の下締式クランプで困っていたり、あるいはプラ製のちゃちなクランプを使用していて強度に不安があるようなら、このクランプを単品購入して使用するだけでかなり幸せになれるはず。
ちなみにこの Z-A17 クランプ、単品定価 2,200 円とのこと。この性能を考えると超お安い。
対応取付可能厚は 6mm ~ 45mm までなので、一般的な机なら大抵取り付けできるはず。ただ取付箇所が 40mm 以上の平面でないと正しく取り付けられないため、丸く縁取りされている机などは厚みが対応範囲内であっても取り付けできない場合がある。
その場合は別売の机上面固定用クランプ Z-A2 や壁面固定用クランプ Z-A3 を購入するか、あるいはデスクベースのいずれかを購入してスタンドライトとして利用するという選択肢もある。
……おや……
クランプ内に削り屑が残っていた模様。まぁこれは自分で取り除けるだけ拡散カバー内のゴミよりマシ。
Z-A17 の素材は ABS と SPCC、つまり樹脂と鋼板。重量は 0.4kg と重く結構ズッシリと来る。
実は当初はクランプ取り付け前に机への傷防止と滑り止めを兼ねてゴムシートを購入しておこうかと思ったが、見ての通り Z-A17 には最初から挟み込む部分にゴムシートが標準装着していたため、そんな心配は一切不要だった。
挟み込む部分の上部には傷防止のためのフェルトが標準装備。Z-80N 本体を差し込む部分は強度の高い金属製のため、これまでのアームライトのプラ製クランプのように過負荷で割れてしまうような可能性はほぼない。
おまけにクランプにはアーム各可動部の調節用六角ボルトがホルダーごと付属。たかがクランプひとつとってもこれだけ考え抜かれた出来映えなのは、さすがは山田照明と言ったところ。
最後は電源ユニット。電源は AC 電源で大きな AC アダプターをコンセントに差し込む必要があり、ここが少しばかり不便に感じるところ。
というのもこれまでのアームライトは普通のコンセントだったので狭い場所にあるコンセント口にも問題なく差し込めていたが、AC アダプター式だと少し設置場所を考え直す必要が出てくるので……
それではいよいよ Z-80N 設置作業開始
Z-80N の開封及び各箇所のチェックが完了したので、次はいよいよ机上への設置作業に入ることに。とは言っても作業としてはアームにスプリングを取り付けて、クランプを机に設置し、Z-80N 本体をクランプに差し込むだけの単純作業なので難しい部分は全く無い。
2本のスプリングをアームの所定箇所に設置。恐らくはこれが Z-80N で最も面倒かつ難しい作業となる。
と言うのもこのスプリング、かなり固くて引き延ばして引っかけるのにひと苦労する……小さい子どもなど非力な方ではスプリングを伸ばすのがかなり困難だと思われる。
スプリングはまず片方の輪をこの間接部のスプリングホルダーの溝に正しく引っかけ、
スプリングを引き延ばし、もう片方の輪を反対側のスプリングホルダーの溝に引っかける。
このスプリングはかなり固く頑丈に作られており、これまで使用していたアームライトのスプリングとは比較にならない程の強度だと一発で分かるぐらい強力なスプリングとなっている。
この強度こそが Z-LIGHT のアームを自由自在かつ望む位置に正確に留めておく精度を出す要となっており、しかしそれゆえに人によってはスプリングの取り付けにはかなり苦労するかも知れない……
実際私自身、Z-80N 設置作業でこのスプリングの取り付けに一番手間取ってしまった。
次はクランプを机に設置する。既に事前に設置場所は決めていたので、
設置予定部分に取り付け、差し込み口を兼ねたクランプ締付部分をねじ込んで設置完了。
上部締付けクランプ、取り付け超楽だwww
わざわざ机を動かして締め込み作業をするスペースを確保しなくていいだけで、これだけ作業効率が違ってくるのかと感動した……これだと後からの設置場所変更も気軽に行えるため、利便性は究極に最高と言わざるを得ない。
しかもこの Z-A17、指だけでもかなりしっかりと締め付けることができるが、もし締め込みが足りないと感じる場合は横一直線に空いている穴にドライバーなり六角ボルトなりを差し込んで、さらに締め上げることが可能となっている。
これだけのものが Z-80N 購入したら標準付属してくるとか信じられないぐらいに高精度な出来映えになっている……正直これだけ別売だったとしても惜しまず購入するぐらいなのに。
スプリングを取り付け、クランプを机に設置したら、後は Z-80N 本体をクランプに差し込んで完成!ここまでの所要時間はスプリング取り付けに手間取ったと言っても 20 分かかってない。
ただ、やはりと言うか最後の最後に少しばかり悩んだのが AC 電源の設置方法。やはりこれまでアームライトの電源を取っていた位置にはこのアダプターは大き過ぎて、近くに設置している棚などの開閉に問題が生じてしまう……
止む得ぬ応急措置として、このように延長ケーブルと結束バンドを駆使して若干無理矢理気味に設置することに。このまま行くか、いずれ別の場所から電源を取るかは今後ゆっくり考えよう……さすがに電源の移動は他にも結構大きい影響を与えそうなので。
Z-80N を使い倒して徹底レビューしてみる
今回は撮影しながらだったので 1 時間程時間がかかったが、作業に集中すれば開封から設置まで恐らく 20 分かからず設置できる Z-80N。
スリム&スタイリッシュな外観は見ているだけで幸せになる……だがアームライトの価値は見た目の美しさではなく実際の機能こそが全て……と言うわけで、Z-80N を可能な限り使い倒してその使用感をレビューしていこうとか。
Z-LIGHT 独自のアーム機構による可動域&滑らかな動きは噂通りの精度
まず最初にチェックするのはアームの性能。Z-LIGHT の名称の由来にもなった独自機構のアームの可動域と精度が果たして前評判通りの代物か、そして自分の作業領域に必要十分な性能を有しているかを確認。
まずは恐らく標準で使用するであろうポジション、アーム関節角度 90° 。懸念材料であったディスプレイとの干渉は一切無く、高過ぎず低過ぎないベストな位置で机上を照らし出してくれる。
アーム長は縦横とも 360mm だが、実際にはクランプの高さとシェード幅が加算されるため、縦 360mm + 95mm = 455mm、横 360mm + 132mm = 492mm となり、かなり余裕のあるサイズとなる。
シェードを一番高くした場合、机上から約 765mm となる。恐らくこの位置で使用することは滅多にないだろうが、この位置からだと机上を最も広範囲に、優しい光で照らし出せる。
次は逆にシェードを一番低くした場合、机上から約 292mm となる。どれだけ低い位置で使用できるかは使用環境による(この場合は使用しているディスプレイサイズ)が、シェードを低くすればそれだけ手元を強力に照らすことができるので、精密作業時などには便利なポジションとなる。
机に座り真正面から Z-80N の光を確認。数値上の中心直下照度は下位モデルの Z-10N よりも随分劣るが、それでもその明るさは想像以上に強く、最大照度では直視するのが危険なほど。Z-10N の最大照度 2,430Lx って一体何を想定した光量なんだ……
上下左右の位置変更は片手で容易に可能な上、薄型シェードが余計な圧迫感も必要以上の存在感の主張もなく環境に溶け込む、まさに機能美の結晶。
恐らく最大高度位置での使用よりも使用機会はあると思われる、精密作業時に適した低位置ポジション。ここでもまた薄型シェードの利点が生き、不必要に視界を圧迫せず作業に集中できる。
実店舗で試用した際には調整不足かあるいは不良品だったのか、もの凄く不安定な挙動でその精度を疑問視していた Z-80N のアームだったが、こうして実際に使い倒して本来の精度を確認することで、やはりそれは単なる杞憂に終わったと知ってひと安心。
アームの動作はとにかくスムーズ。固過ぎず柔らか過ぎない絶妙な強度で縦横にヌルヌル動き、狙った位置で確実に停止できるその精度の高さは、さすがは山田照明の Z-LIGHT だと言わざるを得ない。
シェードの動きを司る間接部の構造も秀逸で、アームを上下左右どんな位置にアームを動かしてもシェードは常に平行を保ったままにしておけるし、シェード自体も上下左右 90° という非常に広い可動域を持つため、どんな角度からも対象を照らすことができる。
結論として、Z-80N のアーム可動域とその精度は 神がかっているレベル で素晴らしい。
これまで使用してきた実売価格 1,000 円のお手頃格安アームライトと比べる方がどうかしてるが、まさに一切比較できる部分がない、文字通り次元違いの完成度の高さには本当に驚愕した。
なるほど、これなら定価 28,000 円という強気の価格にも納得できるな……
最大光量・最低光量それぞれの見え方と色温度を比較してみる
Z-80N の可動領域&精度のチェックの次は、最大光量・最低光量それぞれのチェック。Z-80N は 100% から 25% までの光量調節機能に連動して色温度も可変するタイプのため、最大光量時と最低光量時の照らし出される物体の見え方には結構大きな差があると推測。
まずは最大光量時。対象は先日購入したばかりのキーボード、Logicool K840 MECHANICAL。
最大光量(100%)時の中心直下照度は測定高 40cm で 1,880Lx、色温度は 4200K でいわゆる昼白色。
続いて最低光量(25%)時。色温度は 2700K の電球色で、確かにキーボードのアルミフレームの色合いから色温度の差は見て取れる。が、撮影に使用した E-M1 の性能のためか、あまり明るさの違いは感じ辛い……
そのため次はもう少し色温度と共に照度差が感じ取れるよう、白っぽい対象物を用意……ということで次に用意したるは能美クドリャフカ(クドわふたー Ver)。うむ、色々白い(笑)
まずは最大光量から。光源を直上に用意して撮影。
続いて最低光量。比較すると色温度差は帽子やマントなどの部分で分かりやすいが、やはり光量差が感じにくい。あと心なしか、色温度 2700K(電球色)の最低光量時の方が陰影がマイルドで映りが綺麗な感じがする。
やはり照らし出した対象のみに撮影範囲を絞ると光量差が分かり辛いと感じたので、今度はもう少しカメラを引いてデスク全体を映して比較してみることに。
まずは無点灯時。
最大光量(100%)、色温度 4200K(昼白色)で点灯。
最低光量(25%)、色温度 2700K(電球色)で点灯。
さすがにデスク全体で照度を比較してみると違いがよく分かり、100% 最大光量時は昼白色の光で主に光源直下を強烈に照らし出しており、光源直下とその周囲の明暗差が激しく現れている。対して 25% 最低光量時は電球色の光が光源直下から周囲に広がる感じで、デスクの広範囲を優しく照らし出している。
次はシェードを最上段にして試してみる。まずは無点灯時。
最大光量(100%)、色温度 4200K(昼白色)で点灯。やはり昼白色の強力な光が光源直下の空間のみを強烈に照らし出しているため周囲との明暗差が激しく、照らされる物体の陰影の付き方も強い。
最低光量(25%)、色温度 2700K(電球色)で点灯。電球色の光が光源から周囲に拡散して全体を柔らかく照らし出しているのが、特に Z-80N 後方のカーテンを見るとよく分かる。
上記のように光源を一番高い位置にしてデスク全体を照らし出すように撮影すると、最大光量時と最低光量時の光量差と色温度差を最も顕著に見て取れることができた。
100% 最大光量の光は単純に強烈かつ光の波長の特性か、あまり拡散せずに光源直下のみを一直線に照らし出すという、ある意味 LED の特性がそのまま出た感じの光となった。
対して 25% 最低光量の光は柔らかい感じの電球色が白熱電球の特性同様に全体に広がるような、LED の配光特性で言うと広配光あるいは全方向配光のような光となっている。
つまり Z-80N の光は、最大光量と最低光量では色温度が異なると同時に、配光特性も変化するということになる。Z-80N を使用する際は単に光量や色温度だけでなくこの配光特性も考慮に入れれば、状況に応じてより適切に調光・調色機能を活用できるかと。
まぁそこまで考えて使うことなんてまずないと思うが……
最大光量時(色温度4200K)の各ホワイトバランスによる写真写りの違いをチェック
次は照度を最大光量(色温度4200K:昼白色)で固定したままホワイトバランスを変更しつつ撮影を行い、各ホワイトバランスでの写真の写り方をチェック。撮影には OLYMPUS OM-D E-M1 を使用。
まずはホワイトバランス「晴天(色温度:5300K)」。
ホワイトバランス「日陰(色温度:7500K)」。WB:晴天よりも赤みが強く写る。
ホワイトバランス「曇天(色温度:6000K)」。WB:日陰よりも僅かに白っぽく写る。
ホワイトバランス「白熱灯(色温度:3000K)」。白っぽい写りにはなるが、かなり青みが強い。
ホワイトバランス「蛍光灯(色温度:4000K)」。一番色温度が近い WB のため、自然な写りとなった。
ホワイトバランス「水中(色温度:-)」。理由は不明だが、これまでで一番肉眼で見た感じに近い白に(ディスプレイのフレーム部分)。WB:水中の色温度設定がいくつかは明記がないため不明。
最後はワンタッチホワイトバランス。写り方としては WB:曇天に近い感じとなった。
次は再びクドに活躍してもらおうかと。ところでクドわふたーの劇場アニメの話ってあれからどうなったのでしょうか……
まずはホワイトバランス「晴天(色温度:5300K)」。
ホワイトバランス「日陰(色温度:7500K)」。白成分多めのクドで見ると強い赤みがよく分かる。
ホワイトバランス「曇天(色温度:6000K)」。WB:晴天よりも若干赤みがかっているが、割と自然に写っている。
ホワイトバランス「白熱灯(色温度:3000K)」。予想通り青みが強く出ている。
ホワイトバランス「蛍光灯(色温度:4000K)」。帽子やマントの白部分だけでなく、肌の写りも一番自然に。
ホワイトバランス「水中(色温度:-)」。やはり理由は不明なものの、一番白写りが良く、肉眼に近い感じ。一体何なんだ WB:水中……これまで使う機会が無かった WB だったので、まさかこんな特徴があろうとは思いもしなかった……
最後はワンタッチホワイトバランス。やはり写り方としては WB:曇天に近い感じ。
他にも最低光量時の各ホワイトバランスの写りの違いや、カスタムホワイトバランスでのチェックもできれば完璧だったのだが、時間の都合上今回は最大光量時のみのチェックとなり他は割愛。
しかしやはり Z-80N の最大光量時の色温度(4200K)と最も色温度の近い WB:蛍光灯(4000K)が、全体的にはバランスの良い自然な写り方となっていた。
WB:水中で撮影時のあの白部分の高い再現度だけはどうしても理由不明で気になるが、肌の色合いなどトータルで比較するとやはり最大光量時での撮影は WB:蛍光灯が一番安定するかと。
Z-80N の多重影対策は照明の位置・照度による?
山田照明の Z-LIGHT では 多数の光源を備えるのが基本の LED 照明における宿命「多重影」にも対策しているとのことなので、その多重影対策がどの程度のものかをチェック。
デスクに白い用紙を敷き、光源直下にシャープペンを立てて発生した影をチェック。結果としては、高さ 30 ~ 40cm から最大光量で照らした場合、やはりその非常に強い照度のためか明確に複数の影、すなわち多重影が現れてしまった。
ただこれは光源の位置や角度、調光により照度を上下した場合で明確に変化し、多重影が全く気にならない照度と位置もあったので、Z-80N の多重影対策はその使い方によって効果に大きな差が現れる結果となった。
最大照度のまま、光源をほぼ真横にした場合。一見影は単一に見えるが、これは単に複数の影が重なっているだけ。やはり最大照度だとどうしてもひとつひとつの LED ユニットからの光量が大きく、明確に複数の影が発生してしまう模様。
この多重影が気になる場合は光量を若干低めにして、位置や角度を調整しつつ使用するのが一番の対策となるかと。
Z-80N で唯一の残念だった点、LED ユニット内へのゴミの混入
さて、ここまで各性能をチェックしてみて、あらゆる箇所で概ねどころかほぼ全てが合格点、大満足と言って良いほどの完成度を誇る Z-80N だが、そんな Z-80N で見つけた、唯一と言っていい残念な点であり問題点だったのが、前述でもチラッと紹介した
この LED ユニット内へのゴミの混入。恐らく色や形状からして、クランプの Z-A17 にもあったプラの削り屑っぽい。
クランプの方のゴミも見つけた時はちょっとしょんぼりしたものの、あっちは自分でいくらでも除去できるし、最悪そのままにしておいても性能には一切問題ないので、特に大事にはならない。
……が、LED ユニット内への混入は自分では除去できない上に、これが光源に対する障害となり発生する「影」として実害が及ぶ可能性は十分にあるので、自分で簡単に取り外してメンテナンスできない LED ユニット内への異物混入は大問題である。
幸いにも今回はこれが単なるゴミだったため、カバーの上からトントンと叩いて衝撃を与えて LED ユニットの光源と重ならない端っこの方へと追いやることに成功に、使用上の問題は無くなった。だがこれがカバーの汚れや傷など、移動できないタイプのものだったなら、返品という要らぬ手間を強いられていたはず。
どんな製品にも必ず何らかの問題はどこかで生じるものだし、私自身メーカー関連会社への勤務のためその理解もある。が、使用上致命的な問題が生じそうな箇所についてのチェックは、もっと精度を上げて欲しかったというのがやはり本音にはなる。
定価で 3 万円近くする製品だし、やはりその辺はね……
総評:迷っているなら購入を!価格に見合う性能を有するアーム式ライト「Z-80N」
少々難点を挙げたりもしたが、全体的に見るとやはりその性能や品質、実際の使用感など、どの項目においても非常に高い満足を感じた山田照明の Z-LIGHT シリーズの中でも上位製品として人気の Z-80N。
定価 28,000 円、実売価格でも 18,000円前後するため、実用に十分耐え得る標準的なアーム式デスクライトが数千円程度で入手できることを考えるとどうしても高価のため購入には躊躇してしまいがちだが、高価な価格に見合うだけの性能は十分にあり、実際使用すればそれを明確に実感できる製品となっている。
ただ、では万人に無条件にお薦めできるかと言えばそうでなく、例えば快適な可動性と十分な光量のみが必要で、色温度調節機能などは不要というなら、下位モデルの Z-10N の方が価格も安価(実売 9 千円前後)だし、高演色性を第一にと考えるなら最上位モデルの Z-80PROⅡが唯一無二のお薦めライトとなる。
自分の場合は、
- 予算が範囲内だった
- 高演色性より、調色機能を試したかった
- Z-10N でも性能は十分だが、せっかくだし一歩進んで上位モデルを選びたかった
- 可動性で言うと、持ち手の付いている Z-80N の方が動かしやすそうだった
- 全体的なデザインが好みだった
などの理由で、最終的に Z-80N を選ぶことになったが、山田照明の Z-LIGHT シリーズには様々な特徴のものがあるので、一番自分に適したものを選ぶのが良いかと。
[…] 即断即決購入!山田照明 Z-LIGHT Z-80N 徹底レビュー | 物欲ガレージ […]
2022年7月7日 15:04 | 山田照明Zライト比較 - モデル比較|Z-LIGHT
コメント