三菱鉛筆の木軸シャープペン「ピュアモルト」購入
4月のクルトガローレット及びモノグラフマルチ購入から、学生時代以来となる文房具類への物欲が沸々と再燃していた今日この頃。
その文房具への物欲を満たす第一歩として手を出してみたのが、三菱鉛筆の木軸シャープペン「ピュアモルト」。木軸のペン自体入手するのが初めてなので、色々な意味で非常に楽しみな最初の一本。
その名の通り、ウイスキー熟成の樽から生まれた「ピュアモルト」
「ピュアモルト」はウイスキーの熟成・製造に使用した樽を素材に使用されたペンシリーズの総称で、大別して「ピュアモルト」と、「ピュアモルト オークウッド・プレミアムエディション」の二種類があり、今回購入したのはエントリーモデルのピュアモルトに属する、軸径 12.6mm のシャープペンで、型番は「M5-1015」。
エントリーモデルのピュアモルトにはシャープペンとボールペンの二種があり、それぞれに二種類の軸径(太軸(軸径 12.6mm)と細軸(軸径 10.9mm))、そして二種類の軸色(ナチュラルとダークブラウン)が存在し、その組み合わせは実に 8 種類となる。
さらに天然素材の木軸は樹脂製や金属製の素材とは異なり、一本ごとに木目や色合い、手触りがそれぞれ異なるため、好みの外観のものを探すとなるとその労力たるやもの凄いことに……
今回はその組み合わせの中からピュアモルトの太軸・ナチュラルのシャープペンを選択したが、実は当初の予定では細軸・ダークブラウンのボールペンタイプも一緒に購入する予定だった。
しかしながら細軸・ダークブラウンのボールペンに関しては会社の近辺から地元の文房具店を片っ端から探そうとも、好みの色合い・木目の軸が一本たりとも見当たらず……多少の好みの違いには目を瞑って購入する手もあったが、
実用性を求めない趣味の分野での妥協は一切不要
と判断して、細軸・ダークブラウンのボールペンタイプピュアモルトの購入は次の機会に回すことに。
はっきり言ってしまうと今回のこのピュアモルト購入は必要に迫られたからではなく、完全に「欲しいから」という物欲 100% の感情から出た、実用性を一切求めない所有欲を満たすためだけの購入になるので、変な妥協をしていては必ず後悔を残すことになるのは必然なので……
ピュアモルトシャープペンの品質と使い心地
ピュアモルトシャープペンは木軸ペンカテゴリーではエントリーモデルとは言え、その価格は 1,000 円と一般的なシャープペン感覚からすれば十分高価な部類に入るが、果たしてその品質はどの程度のものか。
口金は艶消し仕上げで、カラーはシルバーをベースに若干黄色掛かった感じで、純粋なシルバー色と言うよりもニッケル色に近い感じ。ここら辺個体差もあるかも。
写真では口金の先を撮影するためにかなりズーム撮影しているので口金表面がかなりザラついたように写っているが、実際はツルッとした滑らかな表面となっている。
ちなみに芯径は標準的な 0.5mm。ガイドパイプがない構造のため筆記時のペン先に視認性は正直悪いが、それにより芯が折れやすいということはない。
口金を外してチャック部を確認。木軸部との接合部分やチャック部は金属製(恐らく真鍮製)で芯をしっかりとホールドしており、筆記時にもガタつきやブレは感じられないしっかりとした造りになっている。ここら辺は 1,000 円という価格帯に恥じない造りになっているようで安心。
1,000 円台のシャープペンがプラチャックとか悪い冗談だからね……極限の軽量化とかの意図とかあるなら別だけど。
ノック部も口金と同様に艶消し処理された金属製。ノックの感触及びノック音は「カチッカチッ」と割と好みの響き方をしてくれる。付属消しゴムについては多くを求めまい……
重心を確認してみると、ほぼほぼ中央。机の上などでペンをクルッと回転させてみると、中央の金属部分を軸として回転する。低重心の製図用ペンと比較するとどうしても書き心地には劣るが、普通のシャープペンとの比較なら特に違和感はない。
逆に言えば高価格帯のシャープペンでありながら使い勝手に関しては数百円のシャープペンと大差ないので、あくまでも書き味や使い勝手よりも木軸としての素材や品質の方面にコストを注いでいるということ。
しかし木軸ペンの多くはそうした傾向にあるものが多いため、最初からそのようなものと割り切り、所有欲を満たすことを前提として購入するなら何ら不満はない。
もし単純に機能性や実用性を最重要視するなら、ピュアモルトシャープペンと同じ 1,000 円で購入可能な GRAPH 1000 FOR PRO や GRAPHGEAR 1000 を素直に購入しろという話だ(笑)
エントリーモデルながら木軸ペンの楽しさを教えてくれるコスパ抜群の木軸シャープペン
ピュアモルトシャープペンは 1,000 円という木軸ペンカテゴリーではエントリーモデルに属する安価なシャープペンで、「ウイスキーの樽を素材にした木軸」であること以外は非常に凡庸なシャープペンだが、逆にそれが木軸ペンの楽しさと面白さを知るための最初の一本としては非常にコスパの良い、優秀な木軸ペンとなっている。
素材の品質は個体ごとのバラつきが強く、手触りも滑らかとは言えず粗めではあるが、それが逆に樹脂軸や金属軸のペンに対する木軸素材の良さを知るために丁度良いバランスを保っている。
価格は 1,000円、ネット通販では大体 700 ~ 800 円前後と、木軸ペンとしては安価に、しかしシャープペンとしては高価となっているが、もし木軸ペンに興味があるというなら、まず最初に手にするにはまさにうってつけの一本だと思う。
最も木軸ペンの世界も奥深く、ピュアモルトの価格帯にしても対抗馬は数多くいるので、最終的には自分の好み第一で決定するのが一番である。
しかし好みを追求すると言っても、ピュアモルトにしても上位のオークウッド・プレミアムエディションなどバリエーションが豊富で、さらに高級な木軸まで覗いていくと文字通り木軸沼に致命的に嵌まる危険性が多分にあるが(笑)