新キーボード購入候補3種、最終比較チェック
先日より続く新キーボード候補の選定、下調べした情報を元に実機に実際に触れてみて最終候補となるキーボードを3種類選んだので、それを元に最後の比較チェックをしていこうかと。
極めて軽快な打鍵感の王道キーボード:東プレ REALFORCE SA R2SA-JP3-BK
物理的にチャタリングが発生しない静電容量無接点方式のキースイッチを採用し、そのスコスコという打鍵感はタイピングにおける一切のストレスを排除し、長時間の正確なタイピングを行うために作られていると言っても過言ではない東プレの REALFORCE シリーズ、その中から最終的に選んだのがこちら。
カタログスペックと実際の使用感から選んだ R2SA-JP3-BK は、REALFORCE 人気の理由のひとつである変荷重ではなく、全てのキー押下圧が 30g の等荷重を採用したタイプ。
カラーはアイボリーとブラックがあるが、アイボリーはカナ表記有りでブラックはカナ表記無しとなる。基本的にカナ入力はしないので表記は有りでも無しでもどちらでも良いが、せめてブラックのキー刻印はもう少し視認性を考えて欲しかった……
R2SA-JP3-BK のスペックは以下の通り。
- フルキーボード(112キー(4個の特殊キー含む))・日本語配列(カナ表記無し)
- キー刻印:昇華印刷
- スイッチ寿命:5,000万回
- キー荷重:等荷重(ALL 30g)
- キーピッチ:19mm
- キーストローク:4mm
- キー構造:ステップスカルプチャー
- APC(Actuation Point Changer)機能搭載:1.5mm・2.2mm・3mm の3段階調節
- Nキーロールオーバー対応
- 重量:1.4kg
R2SA-JP3-BK とほぼ同様で、押下圧 ALL 45g 等荷重、静音機能無しの R2A-JP4-BK とどちらにするか最後まで迷ったが、最終的には静電容量無接点方式でタイピングに究極まで拘るなら、ストレスフリーを求めてより軽いキー、静かな打鍵感を……ということで、最終的には R2SA-JP3-BK をチョイスした。
店頭で触った限りでは、打鍵感は非常に軽やかで本当に「スコスコ」という感じでタイピングできる。キーボード自体は昔ながらのキーボードなので、デザインもキー配列も一切の違和感なく馴染むことができるのもメリット。
感じたデメリットはやはり実売3万円前後というその価格帯。一応十部していた予算範囲内ではあるが、キーボードに3万円丸々吹っ飛ぶというのは何とも心臓に悪い(笑)
ただ、値段以外には特に気になる点も問題も全く無し。敢えて言えばそのスコスコという軽い打鍵感や昔ながらのデザインの平凡な見た目もあって、飽きの来ない質実剛健な造りという反面、非常に面白みの無いキーボードと言えるかもしれない。
メカニカルスイッチの真髄は黒軸にあり:FILCO Majestouch FKBC108ML/JB2
5種類の CHERRY MX メカニカルスイッチを採用する Majestouch シリーズからは、USB での有線接続と Bluetooth 有線接続の両方に対応するモデル Majestouch Convertible 2 から、FKBC108ML/JB2 をチョイス。
選定理由は単純で、Majestouch は PS/2 接続から 無線接続まで多種多様な接続方式のキーボードを販売しているが、よくよく調べてみるとその大半が現在では既に生産終了で、現行品の主流製品が有線・無線両接続対応の Majestouch Convertible 2 シリーズだったというだけである(笑)
FKBC108ML/JB2 のスペックは以下の通り。
- フルキーボード(108キー)・日本語配列(カナ表記有り)
- キー刻印:?
- スイッチ寿命:5,000万回
- キー荷重:約60g ±20g)
- キーピッチ:19mm
- キーストローク:4mm
- Nキーロールオーバー対応
- 重量:1.2kg
CHERRY MX スイッチの種類は黒軸と赤軸で悩んだが、最終的には触っている内に次第に病みつきになっていった黒軸を選ぶことに。
黒軸はその押下圧の高さと反発力の強さから長時間のタイピングは疲れやすいとあるが、反面表面を撫でるような軽いタイピングで高速入力を快適に行えるというという評判から、要は慣れ次第だと判断して黒軸に手を出すことにした。
まぁ……駄目だったらそれはその時ということで(笑)
東プレの REALFORCE と比較して気付くのは、スイッチ機構が静電容量無接点方式かメカニカル方式かぐらいの違いで、カタログスペック的には大きな違いは無し。メカニカルスイッチは構造上いずれ劣化してチャタリングを起こし得る可能性があるにはあるが、せいぜいその程度の差違とも言える。
キー刻印の印刷方式が不明のため、長くタイピングしていると文字表記が剥げてくる可能性があるが、FILCO は交換用キーなどのオプション販売も豊富にあるため特に問題にはならない。
気になるマルチメディア対応キーについても、REALFORCE R2SA-JP3-BK のようにホットキーとして配置はされていないが、Fn キーと各ファンクションキーを組み合わせることで音量調節や再生などの各種機能に対応しており、この点でも REALFORCE に劣ってはいない。
そして価格に関しては平均2万円超え余裕の REALFORCE よりも Majestouch の方が断然安価で、FKBC108ML/JB2 は実売価格1万2千円前後と非常にお手頃価格となっているので、現時点ではかなり魅力的に感じるキーボードである。
また購入候補からは除外しているが、メカニカル独特のカチャカチャとした打鍵音を何より体現している青軸にも未だに髪引かれるところがあり、もしかしたら最後の最後で黒軸から青軸へ乗り換えるかも……
打鍵音がうるさいと文字入力に集中できないのは分かっているけど、別に騒音が咎められる環境でもないし、やはりメカニカルと言えば青軸、ってのもあるしね……
最後に目に留まったダークホース:Logicool K840 MECHANICAL
最後はこれまでの使用実績があり、そういう意味では一番安心感がある Logicool からゲーミングキーボード向けに独自開発したメカニカルスイッチ Romer-G を採用した一般向けキーボード、K840 MECHANICAL をチョイス。
より多機能なゲーミングキーボード G413 ではなく、その廉価版である K840 を選定したのは、やはりゲーミング向けの機能が不要というのが大きい。
マクロ対応キーの多さと USB ポートは便利そうだったが、バックライトは正直いらない。ゲーミング向け製品見てていつも思うけど、いくらゲーム向きだからってあんなにピカピカ光らせるの訳分からん……逆にゲームに集中できないんじゃないかとよく思うけどどうなんだろうか実際。
そんな K840 MECHANICAL のスペックは以下の通り。
- フルキーボード(108キー)・日本語配列(カナ表記有り)
- キー刻印:シールタイプ
- スイッチ寿命:7,000万回
- キー荷重:約45g ±20g)
- キーピッチ:19mm
- キーストローク:3mm
- 26キーロールオーバー対応
- Logicool Options による F1 ~ F4 キーカスタマイズ
- 重量:910g
目を惹くのは何と言っても Logicool 独自開発の Romer-G メカニカルキー。CHERRY MX の公式打鍵耐久回数が5,000万回に対し、Romer-G は 7,000万回とさらに高耐久性能になっている。
またキーストロークが 3mm と CHERRY MX の 4mm よりも浅めかつ、アクチュエーションポイントは 1.5mm とキーストロークの約半分のため、底打ち不要で軽快な入力が可能になっている。
ちなみに Romer-G は、正確には Logicool とオムロンスイッチアンドデバイスの共同開発とのこと。
実際に店頭で触ってみた感じでは、打鍵感も打鍵音も悪くない。感触としては Romer-G はよく赤軸と茶軸の中間程度の感触と言われているが、個人的には打鍵感は茶軸とほぼ同じで、打鍵音が少々大きめといった感じに思えた。
キーボード本体のフレームはサンドブラスト仕上げの陽極酸化アルミニウム製のため剛性は高く、もしかしたら打鍵音が大きめなのもキー構造の特性だけでなくその影響もあるかもしれない。
K840 MECHANICAL のもうひとつの注目点はそのフラットな形状で、板の上にキーが浮かんでいるようないわゆるフローティングデザインになっている。
一般的なキーボードとはかなり異なる外観のため最初に見た時はかなり違和感を感じたが、キー配置ギリギリの省スペースなフレームサイズとフラットデザインゆえのゴミや埃が溜まりにくい構造は、掃除がしやすく普段のメンテナンスが容易というメリットがある。
また機能性に関してはさすがの Logicool で、Fn キーとの組み合わせによるメディアコントロールや専用ソフトの Logicool Options による F1 ~ F4 キーのカスタマイズなど、十分な機能が用意されている。
しかし同時に残念な点もいくつか目立ち、まず一番気に掛かったのはキートップの印字が REALFORCE に見られるようなレーザー印刷や昇華印刷ではなく、単なるシールで文字を貼り付けたような安価なタイプという点。これ、この10年使い続けてた MX-3000 と一緒……
シール貼り付けのため「印字が消える」心配は少ないが、「印字が剥がれる」可能性は常にあるのが難点。メカニカル方式にも関わらず価格が1万円を切るという猛烈なコストパフォーマンスが魅力な K840 だが、こんな目に見えるところで露骨にコスト削減の努力をして欲しくはなかったというのが正直なところ。
ちなみに G413 のキー印字はバックライトの光を透過させるため、印刷ではなく2色成形仕様。ここら辺に価格差が現れている……
ただ、残念に感じる点はあるものの、やはり実売9,000円前後という1万円を切る価格帯でメカニカルキーボードを購入できるというのはかなり大きな魅力。キーボードデザインの好みや打鍵感への拘りから好き嫌いがはっきり分かれそうではあるが、新キーボードの選択肢として十分な性能は持っていると感じた。
耐久性、打鍵感、価格……新キーボードに求めるものから導くベストバイは
いくつかの種類から最終的に絞り込んだ新キーボード候補達。各種情報の精査、そして実際に実機に触れてみて感じたことから、最終的に新キーボードとして選んだのは、
Logicool K840 MECHANICAL
東プレの REALFORCE、FILCO の Majestouch と渡り歩いて、結局最後は Logicool に舞い戻ってきたというオチになってしまった(笑)
色々回り回って最終的に K840 MECHANICAL を選択した理由について触れておくと、
- 打鍵感・打鍵音は静電容量無接点方式よりもメカニカル方式の方が好み
- ファンクションキーのカスタマイズの利便性
- フラット&フローティングデザインの高メンテナンス性
- 実売1万円未満という非常に高いコストパフォーマンス
やはりここら辺が最終選択に大きく影響した。
物理的にチャタリングが発生し得ない静電容量無接点方式を採用する REALFORCE も魅力的だったが、結局はあのスコスコという軽過ぎる打鍵感よりもメカニカル方式の打鍵感の方が好みと感じたため、最終段階で除外することに。
そしてメカニカル方式では、ある程度の慣れが必要とされる黒軸ではなく赤軸あるいは茶軸のものが良いのではと考え、しかしやはり青軸への憧れも捨てきれず、最終的には使用してみた感じが茶軸程度の打鍵感とある程度の打鍵音を兼ね備えた Romer-G メカニカルスイッチを搭載した K840 を選ぶことにした。
K840 選択の最終的な後押しとなったのは、その独特のフローティングデザイン。ふとこれまで使っていた MX-3000 を見てみると、まぁその汚れ方の酷いのなんの。それを見て一発で「やっぱり清掃しやすい方がいい」と感じてしまったわけで(笑)
K840 MECHANICAL は今回 Amazon で購入。別に Amazon が最安値だからではなく、今回は前回余ったまま放置していた期限間近の Amazon ギフト券があったので、その消費のためにと思い……
紆余曲折を経てついに10年ぶりの導入となった新キーボード Logicool K840 MECHANICAL。ある程度使い込んでからレビューや使用感を紹介しようと思うので、しばらく間ガシガシ K840 MECHANICAL を叩き込んでみようかと。