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FC版からのガチユーザーがドラゴンクエストⅢ HD-2Dについて(贔屓目で)語ってみる

投稿日2025年2月23日
ドラクエⅢHD-2Dレビュー

私とドラクエⅢの付き合いは長い。どれくらい長いかというと、

FC版を発売日に購入して以来、全リメイク作をやり尽くしてきたくらいには長い。

…で、そんなこんなで2024年11月に発売されたドラクエⅢリメイクの最新版となるHD-2Dだが、当然の如く発売日に購入しプレイしてみたので、遅ればせながらFC版よりドラクエⅢをひたすらにやり込み続けてきた割とガチ寄りユーザーとしてちょっとした感想でも綴っていこうかと。

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 ちなみに本記事までにHD-2D版はすでに様々な条件設定や縛りプレイなどで4周ほどクリアしているが、途中(バラモス戦直前)でインフルエンザや肺炎などろくでもない目に遭いまくっていたため、発売日に購入しておきながら最初の1週目をクリアしたのは1月を越えてからだったりする。辛かった……

 あまり核心には触れないようにするが、クリア後レビューのため一応以下ネタバレ注意にて。

 あと、かなりドラクエ贔屓です。よろしく。

重厚過ぎず軽薄過ぎない、令和の時代に適度かつ適切に適合した昭和のRPG

 HD-2DはあくまでもFC版ドラクエⅢのリメイク作品。追加要素や調製部分は多くあるが、それでも本編そのもののボリューム自体はそれほど変わっていない。その点について「内容が薄い」「ボリュームが足りない」などの意見もある。
 しかし自分としては、これはかつて昭和の時代、FC版が発売された当初では信じられないような大ボリュームかつ重厚な内容で一世を風靡した往年の名作を、当時からのファンの期待を裏切らないように細心の注意を払いつつ、現代の若者にも受け入れてもらいやすいように要素を追加するなどして調整した結果だと考えている。だって商売だし(笑)

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 確かに通常クリアで50時間、やり込みすれば100時間越えもザラな現代のRPGから見れば、10~20時間で攻略可能な昭和のRPGであるドラクエⅢのボリュームは現代のガチゲームユーザーにはあまりにも物足りないだろう。
 しかし現代のPRGボリュームに合わせてドラクエⅢのストーリーを大幅に刷新し追加要素ガン積みした100時間大作に仕上げてしまえば、今度はコスパ重視のお手軽プレイ指向のゲーマー達や往年のファン達の中には付いて来れなくなってしまう人達も出てくるだろう。

 それらを考慮してバランスとボリュームを調整し、あくまでリメイクとして原作のストーリーと雰囲気を壊さぬよう仕上げていった結果、このHD-2D版ドラクエⅢが誕生した……と考えれば、まぁまぁ納得の出来になっていると思う。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 もちろん個人的にはもう少し作り込んで欲しかった、あるいはこれは不要だったのでは……と思う部分も多々あるので、どうしても全てのファンに対して完璧かつ完全無欠な出来映えにはどうしてもならないわけだが、それでも周回プレイを重ねて全要素をやり込んで攻略してみた結果、可もあれば不可もある「丁度良い」、言い換えれば「平均的に安心してプレイできる」PRGに仕上がっていた。

 もちろんガチドラクエファンの意向に100%沿った、ドラクエファンのファンによるファンのためのドラクエを作って欲しいという思いが無いわけではない。
 しかし資本主義のこの世の中で、そんなことが不可能なのは言わずもがな。まぁそこら辺はこれまで通り、小説やらドラマCDやらコミックやら二次創作やらで色々補完して満足するしか無いわけで……

HD-2D版の長所はその美麗なグラフィックだが、短所もまたグラフィック

 このHD-2D版になって最も注目されたのは、やはり2Dでありながら3Dのような奥行きも感じられるその美麗なグラフィック。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 その美しさについては一切文句無し。過去のいずれのリメイク作よりも圧倒的に素晴らしい。生きてて良かったとすら思えるレベルの仕上がり。

 しかしながら、そんな美しく素晴らしいHD-2Dのグラフィックは、同時に欠点にもなってしまっている。

 HD-2D版は2Dでありながら3Dのような奥行きを持っているのが長所だが、2Dのために回転等の視点の変更ができない。結果この通り、場所によっては自キャラが非常に見づらい、宝箱などを発見しづらいなどの弊害が発生している。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 弊害と言っても慣れてしまえばプレイに実害が出るほどではないが、小さなストレスは徐々に積み重なっていく。それが積もりに積もった結果、酷評に繋がってしまっている印象があるのは残念なところ。

 また、FC版から付き合い続けている往年のファン目線としては、かつてのFC版の表現力の拙かったドット絵には、プレイしていた個々人の想像力で、どのような街並みか、ダンジョンか、敵かなどのイメージを補うという隠れた楽しみがあった。
 しかしながらHD-2D版ではそれを潰された……とまでは言わないが、かつて確かにそこにあった「想像力で補完する楽しみ」がメーカーによって細部まで作り込まれた「完成されたイメージ」が与えられたことでその多くが無くなってしまったことに、一抹の寂しさを覚えてしまった。

 これについてはドラクエⅢHD-2D版のみならず、現在のあらゆるリメイク作品が該当するだろうし、またプレイしている人物がクリエイター目線かゲーマー目線かでも評価は大いに分かれるところだ。漫画 VS ラノベの、「活字の方が想像力を掻き立てられる」という論争のアレと一緒だろう。

 個人的にはHD-2D版のグラフィックは、確かに想像力で補完する楽しさは乏しくなってしまったものの、「かつて子どもの頃想像した、街並みや人物、モンスターやダンジョンが、リアルになるとどう見えるのか」の答え合わせが出来る楽しみが新たにあると感じている。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 ゾーマ城の最奥がまさにそう。魂が震えた。マジで。

 子どもの頃想像していた大魔王の眼前、その雰囲気、威圧が、そのまま画面越しに再現されているのを見て、どれほど感動したことか……正直これだけでもHD-2D版はプレイする価値があったと感じている。マジでおっさんキラーやでぇ……

キラキラ回収前提としたフィールド探索には賛否両論あり

HD-2D版の新要素「キラキラ」。最初はキラキラした見た目なので通称と思いきや、何と正式名称も「キラキラ」でびっくり。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 要はフィールド上のキラキラした部分を調べるとアイテムや装備品が手に入るから、冒険の合間に調べてね!とのことだが、何度かプレイして分かったのは、どうやらレベリング調整がこのキラキラを探索すること込みになっていること。

 周回3周目に、難易度「いばらの道」キラキラ無視縛りでプレイしてみたが、「その時点で探索可能なキラキラを全て探索」かつ「全戦闘を無視せず戦う」ことを前提にプレイしていると、自然と各地方の推奨レベルになっていることに気付いた。
 難易度「いばらの道」では経験値もゴールドも獲得しにくいという縛りが生じるが、それでも上記の2点を前提にプレイしていると、多少の誤差はあれど余計なレベル上げ期間を経ることなく自然と無理なく推奨レベルになっている感じだった。

 ちなみにノーマル難易度「バッチリ冒険」では、上記2点を前提にしてプレイしていると、推奨レベル以上に上がってしまう感じだった。おかげでバラモスもゾーマも危なげなくシバき倒せてしまった……

 キラキラを探索するか否かはプレイヤー次第だが、このキラキラをガン無視してストーリーを進めてしまうと明らかにレベル不足になってしまい、無駄なレベリング調整の必要が出てきてしまう。本作におけるレベル不足は敵の特技使用などもあって結構キツい。

 もうひとつの問題はキラキラからは薬草や種などの消耗品だけでなく、あらゆる装備品が入手できてしまうため、キラキラ探索さえしていれば街の武器屋や道具屋が完全空気の一切いらない子になってしまう点。

 かつてのFC版では色々と金策に悩んだものだが、今作では武器屋や道具屋を利用した覚えがほぼ無し。精々命の石の買い増しやはやぶさの剣を4人分揃えるためにマイラの店を利用した程度だ。
 何せHD-2D版では王者の剣は購入ではなく譲り受ける仕様になったので、本当に武器屋は使わなくなった。道具屋にしても基本的な消耗品は全てキラキラから、クリアまで使い切れない量を入手することができる。マジで実店舗泣かせだなキラキラ……!

 こんな感じで、キラキラの存在がHD-2D版のバランスブレイカーになってしまっている感が強い。「退屈なフィールド探索やレベリングを楽しくするための要素」として取り入れたのかもしれないが、キラキラがもたらしてしまった他のデメリット要素がデカ過ぎた。次回作のドラクエⅠ・Ⅱでは、是非他の要素に置き換えて欲しい……欲しいな……

……とまぁここまでひたすらキラキラをディスったが、これは全て一度クリアして周回プレイに突入してからの話。最初のプレイでは、キラキラの探索はそれなりに楽しめたのもまた事実……でもね?

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 海上のキラキラ探索はもう二度とやりたく無いんだわ。

 陸上はまだ良い。だってラーミア入手してからしらみつぶしに回っていけばいいんだし。でも海上は、ラーミアで発見 ⇒ 近場で船乗り換え ⇒ 船で回収という精神を素手で掻き毟るような苦行を強いられる。

 アレフガルドはなお地獄。ラーミアいないから方法は船で海上を巡りに巡ることになる。さすが大魔王の支配する闇の世界。絶望しか無い。

追加要素のバトルロードはもう少しどうにかして欲しかった感が強い残念要素に

 どうにかして欲しかったというか、どうにかなっただろコレ……FC版等であった闘技場、そしてSFCリメイク版であったすごろく場の代わりとなる要素として実装されたモンスター・バトルロードだが、かいつまんで言うと

 こ れ は ひ ど い

 これに尽きる。いくら何でももう少し面白くなるように努力できる余地あっただろ……特にSFC版で大人気だったすごろく場の復活が待望される中で代替としてぶち込まれてきた要素だったため、その残念さが際立ってしまっている。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 バトルロードについての議論は様々で、ネット上では肯定的な意見も散見されるが、多いのは圧倒的に否定的な意見。まあ当然と言えば当然だろうが、バトルロードの欠点を簡潔に言うと

何もかもが単調

 モンスター集めは面倒だし、集めた後の育成要素も無い。戦闘もオートバトル。どう楽しめと。

 せめて回収したモンスターに種を与えるなどしてステータスを育成できたり、特定のモンスターの組合せでバトルすることで特殊な特技を発動などの要素があれば、収集だけしてバトルでは絶対使わない悲しいモンスターの救済にも繋がり、もう少し楽しめる要素が増えただろうに……

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 一応バトルロードには勝利報酬として結構美味しいアイテム類が用意されているし、クリア後の追加要素に関わる部分もあるので、全くの無意味とは言わないし、HD-2D版の新職業である魔物使いをパーティーに加えているなら、魔物使いの強化のためモンスター集めも自然に行っているはずなので、バトルロードへの攻略にも自然に取り組める。

 しかしこれらも結局はバトルロード自体を面白くする要素ではないので、本当にバトルロードだけは大した面白みが見いだせない、アイテム入手のためだけに「やむを得ずやる」要素になってしまっているのが何より残念。

 SFC版にあったすごろく場は確かに最高に面白かったが、あれはあれでSFC版のバランスブレイカーになってしまっていたのも事実なので、他リメイクでは削ってしまった制作側の判断も分かるが、削るなら削るでその代替に据えるものにはもう少し、本当にもう少しだけ気を配って欲しかった……これならまだ魔王バラモスの再就職先として活躍していたFC版の闘技場の方が面白みがあった……

HD-2D版隠しダンジョンはドラクエ特有のヌルさを廃したかなりのやり応えで、個人的には好印象

 まぁ全部が全部好印象というわけでもないが、HD-2D版隠しダンジョンとなる「試練の神殿」は個人的には結構やり応えがあり満足した。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 モンスター回収数チェックやらアイテムちょうだいやらは正直悪印象だったが、武器縛りの2つの試練に関しては賛否両論ある中で個人的にはかなり面白かったと感じた。主にパンドラボックス。

 いや、アイツヤバかったねぇ……宝箱からミミックの上位種として登場するだけでも半端なく厄介だったのに、

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 マジで目の前が真っ暗になった瞬間だったわ。

 各試練の最奥部でボスとして登場するパンドラボックスのヤバさは筆舌に尽くしがたく、仲間呼びにマホトラにザラキに瞑想にベホマズンとやりたい放題し放題。はっきり言って真裏ボスのグランドラゴーンよりよっぽどヤバい。
 最初にレベル70前後で挑んだ際には勝負になるならない以前の問題で、レベル99でも真正面から馬鹿正直にぶち当たれば勝ちの保証一切無しという超難易度……いいねこういうの!

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 一応ラリホーからのヒュプノスハント連打やまびこバシルーラなど攻略法が用意されているので、難攻不落ではあるがクリア不可能なボスという訳でも無いが、歴代のドラクエからみてもなかなかな鬼畜難易度。
 このパンドラボックスを攻略法には頼らず真正面からのガチ戦闘で下すというのもひとつの縛りプレイになるし、実際やってみた結果クリアできないこともない。でもガチ戦闘はもう二度とやりたくないです。

 欲を言えば前述のようにパンドラボックスがヤバ過ぎて真裏ボスのグランドラゴーンが霞んでしまったことと、試練の神殿に無駄な要素が混じり込んでしまっていたので、これらが他の要素に置き換わっていればさらに満足なエンドコンテンツになっていたかと思う。
 例えばグランドラゴーンについては真のエンドコンテンツなので、首の数に合わせて常時5回攻撃ぐらいでも良かったと思うし、試練の内容についてはモンスター回収数チェックなどの余計な試練に置き換えて全武器種の試練があれば最高に良かったのだが……むしろ何故そうしなかったのかはちょっと不思議。

総評:やはり往年のドラクエユーザーとしては一度プレイして是非とも知って欲しい、個人的には永遠の名作

 結論から言うと、往年のユーザーにはもちろん、ドラクエⅢを知らない新規層も一度はプレイして知って欲しい作品。特に私のようにFC版ドラクエⅢを発売日から数え切れないぐらいやり込み続け、しかもドラクエⅢこそが人生初のドラクエだった人間にとって、これまでプレイしてきた全ゲーム中最高位中の最高位に位置したまま揺るぎない存在となっている。

 もちろんドラクエⅢに立ち並ぶ名作は他にも数多く存在するが、ではドラクエⅢを越える作品は?と問われるとまず思い浮かばない。思い出補正ってもの凄いな……!

 HD-2D版は求め過ぎさえしなければ、ドラクエを知らない新規ユーザーにもドラクエと共に育った往年ユーザーにも適度に受け入れやすく調整されていると思うので、好きになるかどうかはその後個々人の判断次第だが、ドラクエⅢはかつて日本社会にすらも大きな影響を与えた「ドラゴンクエスト」というビッグネームの中でも特別な意味を持つ作品なので、ゲーマーなら一度はプレイしてみて欲しい。

 今でこそ目新しくも無くなったパーティ編成や転職、表向きのボスの裏に控えた真の黒幕という演出などのありふれたシステム、演出の数々だが、それらを今から35年も昔にわずか2MBit(256KB)という小さな容量内に体現し後のPPGに大きな影響を与えた、ロト三部作の最初にして最後と言われる不朽の名作「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 上記ロゴ画像はHD-2D版オープニングに登場する、FC版ドラクエⅢのオープニング画面。当時は極小の容量内に限りない要素を詰め込むため、削れる部分を徹底的に削り切った結果生まれたという、超有名なシンプルイズベストなオープニング画面として知られている。

 わずか256KBの世界から誕生し、数々のリメイクを経て、令和の世に新たな形で再び姿を現した日本のゲーム史上に数々の逸話を刻んだ伝説の名作。往年のドラクエファンとしては、プレイした上で好きになってもらえれば最高に幸いだ。

スクウェア・エニックス【SQUARE ENIX】
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おまけ:2025年発売予定のドラゴンクエストⅠ・Ⅱ HD-2Dリメイクも当然購入予定

 そりゃあまぁドラクエファンとしては当然というか、

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 これ見せられたら買わない選択肢は無い。

 初見の時「おいおいおいおい……マジかマジか」となったよマジで……これまではボカされたり外伝等でしか示されていなかった竜の女王とその卵、そしてドラクエⅠの竜王との繋がりだったが、令和の世になって初めてゲーム内でほぼ明確にその繋がりを示された。

ドラクエⅢHD-2Dレビュー

 しかもドラクエⅡとの繋がりすら明確に示されて。

 この神官長がどのような経緯でああなってしまったのか、そしてこの後神官長が育てると思われる竜の卵がどうして闇落ちしてしまったのか……いやぁ、良い引きだねこれは!

 久々にバック・トゥ・ザ・フューチャー並の良い引きを見た……これは次回作買わなきゃって気になるな(笑)

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