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炊飯器がヘタってきたので、新たなる炊飯器を探すことに

投稿日2018年6月24日

 最近炊飯器の調子がちょっと悪くなってきた。具体的に言うと、炊飯時に蓋の隙間からでんぷん質満載の米汁がゴポゴポと漏れ出て床をベットベトにする挙げ句、米の炊き加減は最悪という状態。

 ちょっとどころじゃなく明らかにもう末期。

 大したメンテもせずに酷使すること約 8 年、ヘタるどころかさすがにもう限界なのは明らかなため、そろそろ新たな炊飯器を探すことに。

 ちなみにこれまで使用していたのは、今はもう亡き三洋電機の「元祖圧力 IH おどり炊き ECJ-XW10」。当時は安価な価格帯ながらネットでも高評価な炊飯器だった。8 年も使えばさすがに減価償却も終了し、寿命を全うしたと考えるべきか……修理するにしても三洋電機自体が既に消滅してるしね……

炊飯器の選び方と、新たな炊飯器に求めるスペック

 では新炊飯器購入の前に、まずは炊飯器の選び方やチェックポイントについてまとめておく。

 最近の炊飯器は非常に多機能になり、炊飯以外にも様々な調理が可能な機種が多くなっている。しかし炊飯器の基本である「炊きあげ機能」に焦点を絞りチェックする場合、重要になるのが以下の 4 点。

  • 適正炊飯量
  • 加熱方式・炊飯方式
  • 内釜の素材・構造
  • お米の炊き分け機能

 特に加熱・炊飯方式と内釜の素材・構造は、お米の炊きあがり結果に直結する重要なチェックポイントとなる。

炊飯器の適正炊飯量

 炊飯器のカタログスペックに記載されている炊飯量はあくまでも最大炊飯量であり、実際に最も美味しくお米が炊ける適正炊飯量はカタログスペックの炊飯量よりも若干少なめのため、それを見越して必要な炊飯量を決定する。

  • 炊飯量 ~ 3 合 : 1 合 ~ 2 合/ 1 ~ 2 人
  • 炊飯量 ~ 5.5 合 : 3 合 ~ 4 合/ 3 ~ 5 人
  • 炊飯量 ~ 1 升 : 6 合 ~ 8 合/ 5 人~

 売れ筋となっているのは日本の一般的な家庭の家族人数に合わせた 5.5 合クラスの炊飯器のため、5.5 合の炊飯器が最も種類が豊富で、選択肢が多くなっている。

炊飯器の加熱・炊飯方式

 炊飯器の加熱方式は大別して、

  • 昔ながらのマイコン炊飯器
    • 【特徴】:底部の電熱ヒーターをマイコン制御で調節して炊飯・保温を行う。少量炊きに向く。
    • 【メリット】:低価格かつ低消費電力。本体サイズがコンパクトで種類も豊富。
    • 【デメリット】:火力が小さいため、3合以上の炊飯では炊きムラが出やすい。
  • 現在主流の IH 炊飯器
    • 【特徴】:電磁誘導加熱(Induction Heating)で内釜自体を直接発熱させて炊飯・保温を行う。
    • 【メリット】:大火力で炊きムラなく炊きあげることができる。最近の主流で種類が豊富。
    • 【デメリット】:マイコン式よりも高価格で消費電力も多い。炊飯時に電磁波が発生する。
  • 高火力のガス炊飯器
    • 【特徴】:ガスを利用して炊飯を行う。
    • 【メリット】:大火力で炊きムラなく、短時間で美味しく炊きあげることができるため、光熱費も抑えられる。
    • 【デメリット】:細かい温度調整がしにくい。設置にはガス管設備が必要となる。

 上記の 3 つがある。それぞれに一長一短があるものの、従来のマイコン方式と比較して炊飯性能・保温性能共に優れた IH 方式が現在の主流となっており、売れ筋製品のため種類も豊富に揃っている。

 しかしひと言に IH 方式と言っても、IH 方式にも複数の種類があり、

  • IH 方式
    • 【特徴】:しゃっきり・しっかりとした、粒が立った固めの炊きあがり傾向になる。
    • 【メリット】:大火力で炊きムラなく炊きあげることができる。最近の主流で種類が豊富。
    • 【デメリット】:水量による影響が大きく、水加減がシビア。圧力 IH 方式よりも消費電力が多い。
  • 圧力 IH 方式
    • 【特徴】:高圧力をかけるため、ふっくら・もちもちとした柔らかな炊きあがり傾向になる。
    • 【メリット】:IH 方式内でも現在の主流で、選択肢が豊富。消費電力が普通の IH 方式よりも低い。
    • 【デメリット】:炊飯時の音が大きく、吹き出る蒸気量も多い。
  • 可変圧力 IH 方式
    • 【特徴】:加圧・減圧を細かく切り替えることで、米の固さを制御して炊き分けることを得意とする。
    • 【メリット】:固めのご飯から柔らかめのご飯まで、オールマイティに対応する。
    • 【デメリット】:炊飯時の音が大きく、吹き出る蒸気量も多い。
  • スチーム IH 方式
    • 【特徴】:高温のスチームで全体を一気に加熱し、歯応えのあるしっかりとした炊きあがり傾向になる。
    • 【メリット】:スチームを保温時にも利用して、ご飯の劣化を抑えて美味しく保温することができる。
    • 【デメリット】:炊飯時の音が大きく、吹き出る蒸気量も多い。

 炊飯器の加熱方式は各メーカーが力を入れて拘っている部分のひとつ。メーカーによる特色の違いが非常に出やすいポイントで、似たような機能であってもメーカーにより名称は様々。
 メーカーによりメインとして採用している加熱方式は異なるが、基本となるのは「IH 方式」か「圧力 IH 方式」のふたつで、可変圧力 IH 方式やスチーム IH 方式はその派生形であることがほとんど。

炊飯器に使用される内釜の素材と構造

 内釜は炊飯器における重要な役割を担っており、特に IH 方式では内釜自体を発熱させて炊飯するため、内釜に使用される素材の種類や厚み、構造などはお米の炊きあがりに非常に大きな影響を及ぼす。

 内釜の種類には主に、

  • 発熱性や熱伝導効率に優れた鉄や銅などの金属釜
  • 蓄熱性に優れ遠赤外線効果もある土鍋釜
  • 熱伝導効率が高く、遠赤外線効果にも優れる炭釜

 などがあるが、同じ素材でも各メーカーごとに特色があり、内釜の構造も多層釜や真空釜など多数あるため、内釜の種類は非常に多種多様となっている。

お米の炊き分け機能

 炊飯器が持つお米の炊き分け機能には、単に「かたい」「やわらかめ」などお米の固さに関する項目だけでなく、無洗米や玄米など米の種類、機種によってはお米の銘柄ごとの特色に合わせた炊き分け機能がある場合もある。

 どの機能が必要かは普段どのようなお米を炊くことが多いかによって分かれるため、自分の家ではどのようなお米を扱うことが多いかを事前に把握しておけば、自然と選択肢が絞り込まれてくる。

 最上位クラスの炊飯機になると都度お米の炊き分け項目を選択しなくても、毎回のお米の炊き方を学習して半自動的に最適なお米の炊きあがりを実現してくれる機種などもある。

新炊飯器は「炊飯量:5.5合」「圧力 IH 方式」を満たす、中堅クラスから選択することに

 これまで炊飯器の選び方とチェックポイントを紹介してきたが、では新たなる炊飯器に求めるものは何かを突き詰めていくと、結局は

  • 炊飯量は 5.5 合
  • 加熱・炊飯方式は圧力 IH 方式

 この 2 点に集約されることに。もちろん内釜の素材や保温性能など他に注目するべき点は多々あるが、あまり細かく追求し過ぎると逆に選択肢が狭められてしまうことになるので、上記 2 点を最低限の基準として、これを満たす炊飯器の中から良さげなものを選んでいく方が良いと感じた。

 残る問題は価格帯だが、炊飯器に限らず家電メーカーが最も力を入れるのは、最上位に位置する最高級の機能と性能を搭載した製品群か、あるいは最も売れ筋となる中堅クラスの製品群のいずれかになるのが基本。
 よって選ぶのなら後で後悔がないように最も高級な最上位クラスの製品群か、あるいは最も価格と性能のバランスに優れたコスパの良い中堅クラスの製品群のどちらかにしておけば問題ないはず。

 よって新炊飯器は各メーカーの炊飯器の中から、主に中堅クラスの製品群に焦点を当ててその中から良さげなものをひとつふたつピックアップして選んでいこうかと。

 最上位機種はコスト的に無理がありそうだし、中堅機種は選択肢は豊富だがあまり多くの機種を選択肢に挙げても絞り込むのが大変そうなので……

パナソニックの炊飯器

 まずは日本電機メーカーの雄・パナソニックの炊飯器からチェック。別にパナソニック贔屓ではないが、単にパナは三洋電機を吸収して旧三洋の炊飯器「おどり炊き」シリーズを引き継いで開発・販売ため、まず最初にチェックすることに。

Wおどり炊き搭載 PW8 シリーズ「SR-PW108」

 SR-PW108 はこの 6 月に新発売されたばかりの最新式炊飯器。

  • 炊飯方式:可変圧力 IH 方式
  • 消費電力:約 1210W(炊飯時)
  • 内釜素材:ダイヤモンド竃釜
  • 内釜厚さ:2.4mm
  • 保温機能:エコナビ保温

「おどり炊き」のシリーズ名から分かる通り、現在使用している旧三洋電機の「元祖圧力 IH おどり炊き ECJ-XW10」の後継機。とは言っても随分世代は隔てているが。

 SR-PW108 の最大の特徴はその名称にもある通り、「大火力おどり炊き」と「可変圧力おどり炊き」のふたつの炊き技で対流を変化させながらお米を激しくおどらせる、パナソニック独自の「W おどり炊き」という機能。

「大火力おどり炊き」はふたつの IH コイルの通電を高速で切り替えて強力な泡の対流を発生させることで、釜内でお米をおどらせて一粒一粒均一に加熱する機能。

 もうひとつの炊き技「可変圧力おどり炊き」は、加圧して高温化、減圧時に激しく対流させることでお米を芯から加熱して、甘み、もちもち感を引き出す機能。
 このふたつの炊き技を持つために「W(大火力+可変圧力)おどり炊き」というシリーズ名を関しており、旧三洋のおどり炊き炊飯器と比較するとその進化の度合いがよく分かる。

 現在使用している炊飯器の「おどり炊き」の上位機能を有し、加熱方式も 6 段全面 IH のためより高火力でふっくらとしたご飯を炊きあげることが可能。
 また炊きあがったご飯の保温については、保温ごはんの量に応じて保温中の電力量を自動でコントロールする「エコナビ保温」が搭載されているため、ご飯を美味しく保温しながら消費電力をセーブすることができる。

 SR-PW108 の上位機種に SR-SPA108、最上位機種に SR-VSX108 があるが、性能と価格のバランスから考えると、個人的にはこの SR-PW108 がベストかなと思う。

 ちなみに上位機種の SR-SPA108 や SR-VSX108 には 220℃IH スチームによる追い炊き・蒸らし機能、また最上位機種の SR-VSX108 は下位機種にはない「鮮度センシング」や「圧力センサー」などの最上位機種独自の機能を有し、より美味しくお米を炊きあげることができるとのこと。

 ただこのシリーズのキモである「W おどり炊き」機能自体はどの機種も同様なので、それを考えると SR-PW108 とその上位機種にさほど大きな差違はないと思われる。

 さらに言うと SR-PW108 は昨年発売された旧機種である SR-PW107 と比較してさほど大きな機能的変更点はなく、旧機種の SR-PW107 は新機種である SR-PW108 が発売されたことで値下がりして販売されているため、価格を重視して考えるならば旧機種である SR-PW107 を選択するのもひとつの手かと。

 ちなみに新機種 SR-PW108 と旧機種 SR-PW107 の違いは、

  • 前炊き時に旨み成分のアミノ酸が生成される温度を保つことで旨みをアップさせる「旨み熟成浸水」
  • 内釜の底面に対流を活性化させるくぼみの数を増やす「底面ディンプル加工」

 この 2 点が新機種で追加されてるというのみで、基本的な炊きあげ機能に変更はない。

 2018年6月の現時点では新機種 SR-PW108 と旧機種 SR-PW107 の価格差は 2 万円程となっているため、旧機種ならばかなりお得に購入できることに。さらに言えば、SR-PW108 の上位機種である SR-SPA108 の旧機種、

 この SR-SPA107-K ならば、2018 年 6 月現時点での実売価格が 4 万円代とかなりお買い得になっているため、一世代旧型にはなるが新機種と比較しても基本性能に大きな差はないため、こちらを選択するのも十分アリかと。

可変圧力おどり炊き搭載 PA8 シリーズ「SR-PA108」

 SR-PA108 は 2018 年度新機種で、位置的には SR-PW8 シリーズの下位機種となる。

  • 炊飯方式:可変圧力 IH 方式
  • 消費電力:約 1200W(炊飯時)
  • 内釜素材:ダイヤモンド竃釜
  • 内釜厚さ:2.4mm
  • 保温機能:エコナビ保温

 SR-PA108 は既に発表されているものの、発売が7月1日予定の未発売機種。よって昨年発売の旧機種である SR-PA107 がかなりの値下げ価格で販売されており、今ならそっちが狙い目か。

 SR-PA8 シリーズと上位機種である SR-PW8 シリーズの一番の差違は、そのシリーズ名にある通り「W おどり炊き」か「可変圧力おどり炊き」かという点。
 ただそれ以外の差違としては、加熱方式が 5 段全面 IH になっている程度で、内釜素材も厚みも同等、エコナビ機能も搭載しており、特に大きな違いは無い。

 ただ炊飯方式と加熱方式はお米の炊きあげに極めて大きな影響を及ぼす要素なので、少しでも美味しご飯を食べたいと思うのならば、約 1 万円程度の価格差のため SR-PW108 を選んでおけば幸せになれそうではある。

 また例によってこの機種も昨年度発売の旧機種 SR-PA107 が大幅な値下げ価格で販売されているため、コスト重視ならそちらを選んでも良いかもしれない。

 新機種である SR-PA108 との違いは、「加圧追い炊き」と「旨み熟成浸水」の機能の有無。このふたつにさえ拘らなければ旧機種は2018年6月現時点で 2 万円代とかなりお得に購入できる。
「W おどり炊き」でないのは残念なところだが、少なくとも現在使用している旧三洋のおどり炊き炊飯器よりかは美味しい炊きあがりになるのは間違いなさそうなので、一考の余地はあるかと。

象印の炊飯器

 お次は主に魔法瓶で知られているが、炊飯器メーカーとしてもトップクラスに有名な象印の炊飯器をチェック。

 象印の炊飯器は「極め羽釜」という昔ながらの鉄製羽釜を模した形状の内釜で人気を博しており、最上位モデルでは南部鉄器素材の羽釜を備えるなど、とにかく内釜に強い拘りを持って製造しているイメージがある。

極め炊き 鉄器コート豪熱羽釜「NW-JS10」

 象印炊飯器の最上位モデルの羽釜形状とその炊き方を継承した中堅クラスの炊飯器。

  • 炊飯方式:圧力 IH 方式
  • 消費電力:約 1240W(炊飯時)
  • 内釜素材:鉄器コート豪熱羽釜
  • 内釜厚さ:2.2mm
  • 保温機能:極め保温

 象印の炊飯器の中でも売れ筋となる中堅クラスを担う NW-JS10 の最大の特徴は、昔ながらの羽釜の形状を模して製造されたという「鉄器コート豪熱羽釜」。

 釜の周囲に付けられたステンレス製の羽は側面のヒーターからの熱を釜内に伝えやすくするためで、釜の厚みの 2.2mm と十分な厚みを持っている。

 側面に搭載された「胴リング W ヒーター」は釜の羽に接近して加熱することで炊きムラを抑え、またコーティングには IH 加熱と相性の良い鉄コーティングにすることで発熱効率をアップさせることで、大火力・高圧力を実現しており、1.3 気圧という非常に高い圧力を釜内にかけることでふっくらと甘いご飯を炊きあげることが可能となっている。

 象印の炊飯器のもうひとつの特徴として、炊きあげたご飯を長時間美味しいまま保温できる機能が充実しており、

  • 人工知能及びふた開閉センサーによりご飯の量を推測して保温温度をコントロールする「保温見張り番」
  • 水分の蒸発を抑えて 40 時間まで美味しく保温できる「極め保温」
  • 暖かいご飯をいつでも食べられる「高め保温」
  • 保温をしない「保温なし」

 など、炊きあげたご飯の保温に関して非常に多彩な機能を有している。

 気になる炊飯器のメンテナンス性に関しては、「蒸気口セットなし」「フラットトップパネル」「フラットフレーム」の、簡単かつ便利なメンテナンス性能を謳っており、特に毎回洗浄が必要な部品が内蓋 2 点と内釜 1 点の合計 3 点のみとかなりお手軽なのは、毎日使用する炊飯器なので嬉しいところ。

 NW-JS10 は 2017 年度モデルとなり、2018 年度版新機種は 6 月時点ではまだ未発表。旧機種として 2016 年モデルの NP-YT10 もまだ市場に出回っているが、

 機能的にも価格的にも新機種の NW-JS10 とほぼ変わらないため、どちらを選択するかは悩ましいところ。

極め炊き 鉄器プラチナ厚釜「NW-JA10」

 お次は NW-JS10 の下位機種となる「NW-JA10」をチェック。

  • 炊飯方式:圧力 IH 方式
  • 消費電力:約 1240W(炊飯時)
  • 内釜素材:鉄器コートプラチナ厚釜
  • 内釜厚さ:2.2mm
  • 保温機能:極め保温

 上位機種の NW-JS10 と機能的にはさほど変わりないものの、内釜が「鉄器コートプラチナ厚釜」になっているのが最大の違いとなっている。
 内釜の違いはお米の炊きあがり結果に直結するため、他の機能が同一でも内釜の種類が異なれば炊きあがるご飯の傾向にも大きな違いが現れてくる。

 鉄器コートプラチナ厚釜は内釜外面に鉄器コート、内面にプラチナコートが施されており、外面の鉄器コートが発熱効率をアップ、内面のプラチナコートがごはんの甘み成分ひとつである還元糖量をアップさせる効果を持つとのこと。

 炊飯機能については上位機種同様 1.3 気圧の高圧力を持ち、強火力による激しい対流を発生させることでお米を均一に加熱してふっくらと炊きあげることが可能。

 他にも保温機能やメンテナンス性、炊き分け機能などはほぼ上位機種と同一のため、この内釜の違いをどう見るかで NW-JA10 が選択肢に入るかどうかが分かれてくるかと。

日立の炊飯器

 三番手は日立の炊飯器。日立の炊飯器は「圧力スチーム」に拘った「ふっくら御前」シリーズが売れ筋となっており、炊飯器全体としてのラインナップ数自体は他メーカーよりも少なめ。

圧力スチーム炊き ふっくら御前「RZ-AW3000M」

 RZ-AW3000M は日立の炊飯器の中でも最上位機種に属するが、価格帯としては他メーカーの中堅機種クラスと同程度のため、今回のチェックに含めることに。

  • 炊飯方式:圧力スチーム IH 方式
  • 消費電力:約 1400W(炊飯時)
  • 内釜素材:高伝熱打込鉄釜
  • 内釜厚さ:3.0mm
  • 保温機能:極め保温

 RZ-AW3000M はパナソニックの炊飯器の中でも上位機種と同様、スチームによる炊飯機能を有しており、お米をふっくらと甘く、艶やかに炊きあげることに長けている。
 またこのスチーム機能を利用することで炊きあげたご飯の保温性能にも優れており、象印の炊飯器同様 40 時間という長時間の保温が可能となっている。

 しかしながら炊飯器の要である炊飯機能については他メーカーと比較すると際だって目立つ点がなく、どうしても今一歩な感じがしてしまう……スペック的には悪くはないのだが。

 他メーカーと比べて今ひとつの印象とは言ってもネット上での評価やカタログスペックを見る限り性能自体はしっかりとしているため、炊飯器に特別拘らないというならば十分に選択する余地はあるかと。

 逆に炊飯器にある程度の拘りがある場合、どうしても選択肢に入りにくくもあるが……

タイガーの炊飯器

 四番手は象印同様、魔法瓶でお馴染みのタイガーの炊飯器。タイガーの炊飯器と言えばやはり「土鍋内釜」を採用した「炊きたて」シリーズ。土鍋風ではなく、本物の土鍋を採用しているのがポイント。

土鍋圧力 IH 炊飯ジャー<炊きたて>「JPH-A100」

 JPH-A100 はタイガーの炊飯器「炊きたて」シリーズの上位に位置する機種だが、価格がギリギリ予算上限の 5 万円代に収まるために今回ピックアップ。

  • 炊飯方式:土鍋圧力 IH + 可変 W 圧力 IH
  • 消費電力:約 1075W(炊飯時)
  • 内釜素材:プレミアム本土鍋
  • 内釜厚さ:10.8mm
  • 保温機能:-

 最大の特徴は何と言っても内釜に「土鍋」を採用している点。上位に位置するこの JPH-A100 には陶器の本場である三重県四日市の「四日市萬古焼」を使用したプレミアム本土鍋に、熱伝導性を高める炭化ケイ素成分を新配合されたものが採用されており、土鍋が持つ遠赤外線効果に加え、表面 6 層コート仕上げによってより高められた蓄熱性と強火力沸騰により、香ばしく美味しいご飯を炊きあげることが可能となっている。

 素材だけでなく釜の形状にも拘りがあり、厚みは最大箇所で 10.8mm と非常に厚くなっている。またこの内釜は炊きあがったご飯を入れたまま食卓に持っていく「おひつ」としても使用することができ、そのための土鍋蓋まで付属しているという拘りぶり。

 このようにとにかく土鍋釜の特性を活かし尽くすことに注力しているが、土鍋ならではの弱点として「落とすと割れる」という弱点を持っているため、洗浄時には非常に気を遣うこととなる。
 また炊飯後はご飯を入れたまま土鍋をおひつとして使用することを考えている反面保温性能は他メーカーに比べて今ひとつで、スペック表にも「24時間保温」としか明記されていない。

 このようにタイガーの炊飯器は土鍋内釜であることを活かすため、ご飯を炊きあげた後はすぐに食べきることを前提とした、本物の土鍋での炊飯同様の取り扱いが求められている面がある。

 タイガーの炊飯器の最上位機種として「GRAND X(グランエックス)シリーズ」の名を冠する「JPG-X100」もあり、下位機種の内釜よりもさらに面積が大きい「遠赤特大土かまど」が採用されたモデルとなる。

土鍋圧力 IH 炊飯ジャー<炊きたて>「JKX-V103」

 JKX-V103 は上記で紹介した JPH-A100 の下位機種。

  • 炊飯方式:土鍋圧力 IH + 可変 W 圧力 IH
  • 消費電力:約 1180W(炊飯時)
  • 内釜素材:本土鍋
  • 内釜厚さ:5.2mm
  • 保温機能:-

 基本的な炊飯性能は上位機種を踏襲しているが、主な違いとして使用されている内釜が「プレミアム本土鍋」ではなく、厚みや形状が異なる「本土鍋」になっている。

 上位機種のプレミアム本土鍋には劣るものの、最大 5.2mm の分厚さと表面 6 層コート仕上げによる遠赤効果や蓄熱性などの性能はしっかりと有している。
 また同様に土鍋内釜の弱点である割れやすさや保温性能の乏しさもあるため、ここら辺が気になる人は上位下位関係なく土鍋内釜は避けた方が無難かも知れない。

 土鍋炊飯と聞くだけで美味しさアップなのは間違いないが、普段使いに神経を使い過ぎるのも困りものなので……

三菱の炊飯器

 五番手は「本炭釜」や「蒸気レス」で人気の三菱の炊飯器をチェック。三菱の炊飯器は形状がユニークなのも特徴のひとつで、四角形のボックスタイプのものを多く揃えている。

本炭釜「NJ-VW108」

「純度 99.9% の炭と、連続沸騰で炊く。」のキャッチフレーズで知られる三菱の炊飯器の中堅モデル。

  • 炊飯方式:IH 方式
  • 消費電力:約 1360W(炊飯時)
  • 内釜素材:本炭釜
  • 内釜厚さ:10mm(釜底中央部)
  • 保温機能:-

 三菱の炊飯器は昔ながらのかまどと同じような炊きあがりを目指しており、そのため他メーカーのように不自然に強力な圧力をかけない、普通の IH のみで大火力を実現しているという特徴がある。
 そのため炊飯時の内釜の密封性を高めたり、内釜底面に高熱を発生・維持させるために分厚い釜底に仕立てて熱を逃がしにくくするなどの拘りを見せている。

 また熱密封リングで本体と内釜の隙間をなくして熱を逃さず効率よく加熱する「新・熱密封かまど構造」が採用されているなど、「かまどでの炊飯」の再現に非常に注力している。

 対してご飯の炊き分け機能や保温機能についてはあまり特筆すべき点はなく標準的で、他メーカーと比較した場合多少物足りなさも感じてしまうのが残念な部分。

 本炭釜シリーズの最上位機種には形状が特徴的な「NJ-AW108」があり、価格としては 5 万円台と NJ-VW108 と約 1 万円高い程度なので、さらに洗練された内釜構造や全国のお米35銘柄の個性を引き出す機能「銘柄芳潤炊きモード」に興味があるならそちらを選択するものアリかと。

備長炭炭炊釜 蒸気レス IH「NJ-XS108J」

 三菱からもうひとつピックアップしたのは、蒸気が「全く」出ない「蒸気レス IH」をウリにした炊飯器。

  • 炊飯方式:IH 方式
  • 消費電力:約 1270W(炊飯時)
  • 内釜素材:備長炭炭炊釜
  • 内釜厚さ:3.5mm
  • 保温機能:-

 この NJ-XS108J 最大の特徴は、蒸気を「減少させる」のではなく「全く出さない」、蒸気レスを謳っている点。かまど炊きのような強火の沸騰維持を実現する水冷式蒸気回収システム「蒸気密封うまみ炊き」を採用しており、発生した蒸気を回収・再利用しつつ昔ながらのかまど同様の自然な圧力でお米を炊きあげることに拘っている。

 炊飯器から出る蒸気は設置する場所に気を遣うため、特に集合住宅住まいの人には悩みの種のひとつでもあるので、完全な蒸気レス機能を搭載しているのは他メーカーに対して大きなアドバンテージとなっている。

 しかしながら炊飯器としての標準的な機能、すなわちご飯の炊き分け機能や保温機能などの面は極々平凡であり、また蒸気レスという特殊な構造のため毎回清掃するパーツ数が多いなど、メンテナンスに気を遣うのも難点のひとつ。

 三菱の炊飯器は魅力的な点を多々備えているものの、炊飯器全体として高性能でなくある特定の機能が突出したタイプという感じがやや強い傾向にあるように思われる。
 しかしながら他メーカーでは見られない独自性の強い拘りの方向性や、炊飯器の独特の形状など、一発で「これぞ三菱」と納得できるポイントが多くあるのが面白い。

 また三菱の炊飯器のカラーは、上位機種になると単に「白」「黒」ではなく、名称が「白和三盆」「黒銀蒔」というように、非常に和テイスト豊かなお洒落な名称になっているのが何とも素敵である。

マイベストな炊飯器はパナソニック or 象印から選ぶことに

 これまで各メーカーの炊飯器をチェックしてきて、それぞれの特徴や拘り、方向性などをザッと調べまとめてみた結果、新しい炊飯器はパナソニックまたは象印のものから選ぶことにした。

 もちろん他メーカーにも魅力的な炊飯器はあったものの、総合的に検討してみた結果、パナソニックと象印が一番「炊飯器」に力を入れて開発していると感じられた。
 これは単に機能が優れている、炊飯器ラインナップが多いなどというだけでなく、公式サイトでの炊飯器の紹介や見せ方などユーザーへの訴求力という点において、この 2 社が最も炊飯器というジャンルに注力していると思われたからだ。

 また、パナソニックの炊飯器「おどり炊きシリーズ」は、現在使用している旧三洋のおどり炊きシリーズの正当な後継であることがある種の安心感にも繋がっており、象印の炊飯器「極め炊きシリーズ」は、内釜への拘りと 40 時間という長時間に対応する保温機能「極め保温」に魅力を感じたというのも大きい。

 最終的にこの 2 社のどの機種にするかはまだ検討段階だが、できれば 6 月中には決めてしまおうかと。現在の炊飯器はいつ限界を迎えてもおかしくないので……

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